もし就活学生がマーケティングを勉強したら 39ポジショニングとは
何でしょう?

(2013.03.11)

セグメンテーション、ターゲッティングと同じようにマーケティングの教科書によく出てくる言葉にポジショニングがあります。サッカーやラグビーなどのスポーツでも耳にする言葉で、相手の攻守の型を見極めて自分に有利な位置取りをすることです。中・長距離のレースでも終盤に向けての選手のポジショニングが大事だと言われます。ライバル選手を風よけにするような位置取り、スパートを仕掛けるタイミングでの位置取りが、重要な要素になるからです。

企業はライバルと競争する上で優位に立つためには、顧客に対してライバルとの間でユニークな差別化されたイメージを与える独自のポジションを占める必要があるのです。

例えば、皆さんにとっておなじみのチューイングガムという商品があります。中央アメリカの先住民族の習慣から進化して今日の形になった商品だそうですが、ガムを噛んでいると精神的にイライラした状態が収まる、緊張を和らげるということで今日のように普及した商品です。NBAやMLBなどアメリカのプロスポーツ選手が試合中によくガムを噛んでいる光景を目にします。日本ではガムを噛んでいると逆に集中していない、あるいは不謹慎なイメージを与えてしまうようで、あまりガムを噛むスポーツ選手は目にしません。日米の文化の違いかもしれません。

***

このガムに様々な効能を付与した商品が発売されています。カフェインを入れることで眠気予防の効能をうたい、ドライバー層や受験生などを狙ったガムがあります。フラボノを入れることで口臭予防をうたい、デートや会議などの重要なシーンでのマナー、エチケットに敏感な人たちを狙ったガム、キシリトールを入れることで虫歯予防をうたったガム、ビタミンCなどを入れて疲労回復、栄養補助食品としての効能をうたったガムなどがあります。それぞれ従来のガムとの差別化を図り、新しい魅力を消費者に訴求することでガムの市場を拡大、ガムメーカー企業の収益拡大に貢献してきたといえるでしょう。チューイングガムという商品はもともとそれがないと人間が生きていけないという必需品ではない訳ですが、技術革新によりそれに様々な効能を付与することによって消費者に振り向かれる、なくてはならない商品に変えていったということです。

これを就活に置き換えて考えてみましょう。


合コンにて
女子:「ちょっと!どーゆーことよー!」
樹:「……チョット差別化しすぎちゃったかな……」
イラスト / たかはし たまき