もし就活学生がマーケティングを勉強したら 25あなたがその企業を目指す
必然性はあるのでしょうか?

(2012.11.26)

環:「私オリジナルの就活ストーリーを作るってどーゆーこと?」

環サン、ちょっと不安な表情になってきましたね。皆さんがまだ発展途上で、大学での専門的な勉強もまだこれから本格化するという段階で、自分に適した職業、企業を見つけるなんて本来とても難しいことです。それでも皆さんは就活のプロセスの中で企業に提出するエントリーシートや面接の中であたかもこの企業に入るのは偶然のことではない、必然性があったのだ、と思わせなければならないのです。

樹:「それって、相手をうまくだますっていうことじゃねーの。」

いいえ、そうではありません。皆さんがこの就活というハードルを乗り越えていくためには、まず自分の頭の中でそのロジックを考えましょうということです。もちろん、それはひとりよがりのロジックではダメです。相手側の企業もその通りだと思ってくれなければなりません。第2回目のコラムで就活も市場取引であり、そこには売り手と買い手が存在し、その両方が納得しなければいけませんということをいいました。

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環:「あのー、それって企業の方で『あなたは向いています』、『あなたは向いていません』って決めてくれるものではないんですか?」

企業の方で必要とする人材と大学の方で供給する人材のバランスが取れている、あるいは供給する方が少ない、という状況であれば、辛抱強く就活を続けていればどこかでマッチングが成立してメデタシ、メデタシとなるのでしょう。でも第4回のコラムで「就活市場の需要と供給のバランスが変わってしまった」ということをいいました。もちろん「待ち」の姿勢、「まな板の鯉」といったスタンスで就活に臨んでもスケジュール通りにエントリーシートを提出し、指定された面接を受け続けることできちんと希望通りの企業から内々定をゲットできる学生もいます。

でもそれはどこの企業からも「是非わが社に来て下さい!」といわれるスーパー大学生か、誰が見てもこのヒトはその企業に入る必然性があったと認められるようなスペシャルな資質を持った学生に限られることです。


樹:実はボクはスーパー大学生なんだ。
環:……。
イラスト / たかはし たまき