もし就活学生がマーケティングを勉強したら66就活におけるイノベーションとは何でしょう?

(2013.09.16)

イノベーションというと何か独創的なアイディアを持っていて、それを基にしたベンチャーを起業することをイメージするかもしれません。もちろん商品化・ビジネス化への具体的なアイディアが固まっていて、それに投資してくれる人がいるのであれば起業も就活の選択肢の一つだと思います。アメリカなどでは大学卒業後、あるいは在学中に起業する学生が相当数存在します。誰でも知っているグローバルなネット企業のほとんどは創業者が在学中に起業したものです。日本にはそういった企業が存在しない訳ではありませんが、アメリカと比べるとかなり低調と言わざるを得ないでしょう。

それでは就活の中でイノベーションを起こすとはどのようなことでしょうか。ここでは「まだライバル企業がどこもやっていないような分野を開拓していくような企業活動に必要な人材のポテンシャル」と捉えてみましょう。自分はイノベーションを起こす可能性のある人材であることをアピールするのです。

現実にはライバルが少ない分野で将来性が期待できる領域を見つけ出す、しかもその領域にふさわしい資質を自らが身につけているということはそう簡単にはありえない、と思うかもしれません。しかしそれはあなたが固定観念にとらわれているだけかもしれません。今日どの企業も考えているグローバル化を念頭にアピールの仕方を考えてみましょう。

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樹:結局英語の点数ってことじゃないの?

環:TOEIC何点あればいいの?

TOEICの点数に限定してしまえば序列をつけるのは簡単です。でもそれは試験の点数であってグローバル人材の資質ではないのです。もしあなたがTOEICの点数の他に「私は途上国の子供たちの学習支援のボランティアサークルに所属していてこれまでに途上国○ヵ国の子供たちにのべ○ヵ月間読み書きや計算を教えたことがあり、今でもそういった国々とはネットワークがあり、様々な情報をとることが可能です。」というエビデンスがあればどうでしょう。

その学生がボランティア活動を行った新興市場への進出を真剣に考えている企業であればTOEICの点数がちょっと高いことよりそうした経験の方が魅力的に映るはずです。つまり自分のやりたいこと、強いことを他の人では伝えられないような独自性の高いエビデンスをもって伝えることが出来れば試験の点数といった普遍的ではあるけれどもビジネスの現場とは距離のある尺度よりもよほど説得力があるのです。


自分は一体何者なのか、どうしたら魅力的に伝わるのでしょう。
イラスト / たかはし たまき