もし就活学生がマーケティングを勉強したら72あなたのモチベーションを刺激するにはどうしたらいいでしょうか?

(2013.10.28)

ある業界で働きたい、ある企業で働きたいという動機(モチベーション)を持つことが充実した、実りある就活そのものを駆り立てる原動力になります。キャリアセンターのセミナーでいわれたから、親からプレッシャーをかけられたから、というのではなかなかモチベーションは上がりません。そもそも日本は戦後の高度成長によって世界に冠たる経済大国になってしまいましたから、食べるために働かなければという意識、ハングリー精神は希薄化したといわれます。

環:そんなことないわよ。卒業したら毎月家にお金を入れないと家には居られないぞって脅されているわよ。
樹:社会保険料だってもう納めてますから。

そうでした。失礼しました。

卒業時に次にやることが決まっていない、つまり失業という事態を避けたいというニーズは誰でも持っているでしょう。これを心理学では「動因」(drive)といいます。しかしそれだけでは行動は生起しません。実際に行動を起こし、その達成まで持続させるためにはそれに「誘因」(incentive)が加わることが必要です。

環:インセンティブって、聞いたことある。
樹:ボーナスみたいなやつでしょ?

***

やる気を起こさせる刺激という意味です。プロ野球の選手が基本給とは別に出場試合数や成績によってボーナスが支払われるような契約をインセンティブ契約といいます。学校の成績が上がったらお小遣いを上げてもらったりするのと同じです。

環:でも私たちにとって就活はそんな悠長なもんじゃないわ。

そうでした。先に進めましょう。

皆さんの就活へのモチベーション、つまりやる気を引き出すには実際にあなたが働いている姿を想像してみることが大切です。そこで自分はどんなキャラクターを演じているのか、どんなスキルが足りないか、いろいろ想像してみましょう。

その企業の社員でもある面接官にとって印象に残る学生とそうでない学生を分けるポイントはいくつかあります。誰が聞いても感心するようなエピソードを持っていることもそのひとつでしょうが、そのようなエピソードは誰もが持っているものではないでしょう。どの学生もきちんと準備すれば必ずできることは何でしょう。その業界、企業について多くの情報を集め、それに自分の経験や能力、今後身につけていく予定のスキルなどを重ね合わせることでその会社で活き活きと働いているリアリティーの感じられるストーリーを作ることです。ああ、この学生、同じことを他の会社の面接でも言っているんだろうな、と思われるような話は心を打ちません。


樹:俺は燃えて来たぞー。
イラスト / たかはし たまき