もし就活学生がマーケティングを勉強したら 11 一口にサービス業企業といっても
いろいろあります

(2012.08.20)

製造業(メーカー)だけが企業ではありません。日本のような成熟した先進国の経済はサービス化が進んでいるといわれます。金融・保険、情報・通信、小売・流通などというとまだ皆さんにはピンと来ないかもしれませんが、銀行・証券・生命保険・損害保険などの会社、放送・新聞・出版・インターネットサービス・携帯キャリアなどの会社、スーパー・百貨店・コンビニ・通信販売・陸海空の運送などの会社というと皆さんにもさまざまな会社の名前やロゴマークなどが頭に浮かぶのではないでしょうか。

ここでも友達と「○○業界といえばいくつ会社名いえる?」、「その中での売上高シェア上位3社は?」、「海外にも進出しているのは?」などと問題を出し合ってみることで自分の経済に関する知識の程度をチェックしてみてください。ここで友達と比べて見劣りすると感じた方は就活にも黄色信号が灯っていると思った方がよいかもしれません。

こんなことをしている中で、皆さんのアンテナに引っかかった会社の名前がニュースや新聞の見出しに出てきたりしたら、あるいはその広告を見かけるようなことがあれば、ちょっと注目して見るようになるのではないでしょうか。こうして企業の知識が増えていくことで、これまで点でしかなかった知識が線となって理解が深まっていきます。就活は受験勉強と違ってテキストや授業だけで完結するものではなりません。また日々情報が更新されていきます。業績の変動はもちろん、企業の合併、倒産なども近年珍しいことではありません。

就活には偏差値も合格判定テストもありません。高校受験や大学受験の延長で就活を捉えてしまいがちですが、むしろパートナー探し、婚活に近いと思います。皆さんがよく知らない異性と結婚しようとは思わないように、相手(企業)を知らなければ皆さんの就活は始まることはないのです

どの企業にも今日に至る歴史(これを社史といいます)があり、それを大事にはしますが、それは絶対的なものではありません。企業は競争に勝てない、生きのびられないとなったら自らをどんどん変えていく生き物です。そのために皆さんのような若い人、新しい血を入れようとするのだということも頭の隅に入れておいて下さい。


環:いらっしゃーい! おいしいよー! (私、やっぱり小売業に向いているかも…)
樹:結局作るのはオレかよ!

イラスト / たかはし たまき