11月30日(土)、12月1日(日)“THE PIANO ERA 2013″開催7人のピアニストが一堂に、
7色の音楽を描く夢の2日間。

(2013.11.05)

レコード屋稼業を長年続けていると、世界の見知らぬ素晴らしい音楽に出会うたびに「彼らの演奏を生で聴きたい!」という欲求に駆られます。そして強く願っていると願いが叶うこともしばしば。その「思い」の種子は音楽に乗って人から人の手へ届き、この地で何時しか大きな花を咲かせています。

そしてまたレコード屋稼業を長年続けていると、音楽シーンのちょっとした時代性を感じることがあります。ここ数年感じていることはソロピアノ・アルバムが活況を呈しているということ。ジャズやクラシックはもちろん、ポップスからワールド・ミュージック、ヨーロッパから南米、そして日本まで、今まさにソロピアノ・アルバムが百家繚乱。あるときはアンサンブルの青写真が、あるときは聴きなれないリズムが、そしてあるときはどこかの懐かしい風景がピアノという楽器を通して聴こえてきます。

そうした時代性と「思い」が詰まったイベントが、この秋二日間にわたって東京は目黒パーシモンホールで開催されます。その名も“THE PIANO ERA 2013″。矢野顕子、中島ノブユキ、高木正勝、平井真美子等、日本の素晴らしい音楽家とヨーロッパからはニルス・フラーム(ドイツ)、南米からはノラ・サルモリア(アルゼンチン)、アンドレ・メマーリ(ブラジル)まで、ピアノの現在形を表現する7人の音楽家が一同に介します。まるで7色の虹のようにカラフルなラインナップ! 特に海外から招かれた音楽家は一般にはまだまだ知名度のないかもしれませんが、ぼくでもため息ものの音楽家たち!

幸運にもこの“THE PIANO ERA”2013に出演する4人の音楽家の岡山公演をお手伝いさせていただき、また6人の音楽家のライヴをこれまで観る僕は機会を得ました。その体験談を交えて7人の音楽家を紹介したいと思います。

André Mehmari

ブラジルのアンドレ・メマーリほどライヴで才能とその未来を感じたひとはいません。オフではおおらかでお茶目な好青年の彼が、ピアノを前にした瞬間からぐいぐいと聴衆を惹きつけていくのがわかりました。そしてそこにあるピアノが悦び溢れているように感じたのはあのときがはじめてでした。ピアノ・ソロからオーケストラまで様々なスタイルで作品を発表、この夏発表されたばかりのポルトガルのピアニスト、マリオ・ラギーニャとのピアノ・デュオ・アルバム『Ao Vivo No Auditório Ibirapuera』も圧巻です。

Nora Sarmoria

ノラ・サルモリアは、ブラジルの奇才エルメート・パスコアルを引き合いにだしてしまうほど、他を寄せ付けない個性的な表現で常に気になるアルゼンチンの才女。辺境系DJ諸氏から往年の南米音楽ファンまで惹きつける才能の持ち主です。彼女のライヴはまだみたことありませんが、これまでの作品を聴くと間違いなく素晴らしい演奏になるだろう確信しています。今回注目度NO.1ではないでしょうか!?

矢野顕子

ポップスからジャズまで卓越した技術に裏打ちされたピアノと自由度溢れる歌ごえで、日本の音楽シーンの一翼を担ってきた矢野顕子さん。このラインナップでは一番知名度があり、また一番意外なキャスティングではないでしょうか。NRTの成田さんが「矢野さんとノラを同じ舞台でやりたかったんです!」と言う熱い言葉を聞いてナルホド!と膝をうちました。個性的な二人が当日どんな表現をみせるのでしょう。

Nils Frahm

ニルス・フラームは2011年のピーター・ブロデリックとの初来日大阪公演は忘れられません。彼の公演を心待ちにしていたぼくの周りの紳士諸氏の公演後の満足気な顔といったら!カジュアルな出で立ちとは対照的に繊細でストイックな演奏が印象的、それに加えピアノの音をパソコンでプロセッシングした独創的な音づくり。この秋発表される彼の最新ライヴ・アルバム”Spaces”はさらに深化。このライヴ・アルバムのセットでの演奏となるとわくわくしてきます。

中島ノブユキ

NHK大河ドラマ「八重の桜」の音楽から、畠山美由紀さんの新作での素晴らしいプロデュース、そしてジェーン・バーキンのワールド・ツアーの参加など今年大活躍の中島ノブユキ氏。これまでのソロ・ピアノ・ライヴでは氏の美しい楽曲たちに加え、ライヴでしか味わえない即興演奏も時のたつのを忘れるほどです。

平井真美子

平井真美子さんはこれまで映画やテレビ番組などの音楽を手がけ、自身では今年アルバム「夢の途中」を発表。そのアルバムをとおして岡山でも徐々にファンを増やし、この夏に教会で行われた公演ではしなやかさと力強さを感じさせる素敵な演奏でご来場いただいた多くの方々を魅了しました。本公演でも彼女は多くの聴衆を魅了するでしょう。

高木正勝

今や映像、音楽などジャンルを越えて高い評価をうける高木正勝氏。10年ほどまえに彼のライヴをみたとき、その圧倒的な映像美と独創的なピアノ演奏、そして20代前半でこれだけの表現みせる若者にほんと驚かされたものです。映像と音楽で拡張しつづける彼は今回どんな表現をみせてくれるのでしょう。

この7人音楽家の7色のピアノの音色が目黒に虹を掛ける。そんな素敵な2日間となりそうです。

ザ・ピアノエラ2013
THE PIANO ERA
11月30日(土)17:15 open / 18:00 start 【出演】矢野顕子、アンドレ・メマーリ(ブラジル) 、ノラ・サルモリア(アルゼンチン)
12月1日(日)15:45 open / 16:30 start 【出演】中島ノブユキ、ニルス・フラーム(ドイツ) 、高木正勝、平井真美子
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
料金:前売 ¥6,500/当日 ¥7,500/二日通し券 ¥12,000 (全席指定/未就学児入場不可)
問い合わせ:ノーヴァスアクシス Tel.03-6310-9553

【来日アーティストのジャパンツアー】
アンドレ・メマーリ
12/2(月) 福岡 
予約4,000円 / 当日4,500円 (全席自由)
会場:日本福音ルーテル博多教会
予約・お問い合わせ:Republik:
オンライン予約: http://republik.jp/reservation メール予約: reservation@republik.jp
12/3(火) 名古屋
予約3,500円 / 当日4,000円 (全席自由)
会場:広小路ヤマハホール(ヤマハリテイリング名古屋店7階)
予約・お問い合わせ:pianohouse.mmg
メール予約: pianohouse.mmg@gmail.com
12/4 (水) 神戸 
前売4,000円 / 当日4,500円 (全席自由)
会場・予約:旧グッゲンハイム邸
guggenheim2007@gmail.com
12/7 (土) 山形 
前売4,000円 / 当日4,500円 (全席自由)
会場:山寺風雅の国「馳走舎」 
山形県山形市山寺4224
お問い合わせ:山形ブラジル音楽普及協会 bossacur@ma.catvy.ne.jp

ノラ・サルモリア
11/25(月) 岡山 城下公会堂
3,800円 / 当日 4,300円 (要別途1ドリンク)
会場:城下公会堂
予約:城下公会堂 086-234-5260
moderado music info@moderadomusic.com
11/26(火) 姫路 HUMMOCK Cafe
予約3,800円 / 当日4,300円 (先着順自由席/共に1ドリンク付)
予約:HUMMOCK CafeTEL 079-254-1400
メール: hummockcafe0525@yahoo.co.jp
11/27(水) 東京 UPLINK FACTORY
ノラ・サルモリア 「アルゼンチン音楽のリズム・ワークショップ」
3,000円 (ドリンク別) ”THE PIANO ERA” 11/30公演のチケットをご持参の方は500円OFF

ニルス・フラーム
11/29(金)京都 ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川
night cruising presents Nils Frahm Live in Kyoto
Opening Act:Marihiko Hara (Flora Live Set)
前売りメール予約:info@nightcruising.jp