『7 SUENOS / FAMILIA』Quique Sinesiリリース! キケ・シネシ最新作
「7つの夢」が完成。

(2014.09.26)

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2年前にカルロス・アギーレとともに来日、日本各地のツアーでファンを魅了したキケ・シネシが、そのツアーのあとに書き上げた新曲をまとめた「7つの夢」がアルバムとして完成しました。ギターソロとクラリネットやストリングスとのインストゥルメンタル作品でありながら歌が聞こえてくるようなポエティックでリリカルな作品です。

7 SUENOS=7つの夢。これは初来日でキケ・シネシが訪れた7つの都市にちなんでつくられた楽曲です。それぞれの町で出会った同じ音楽に共鳴する仲間たちは、ツアーを続けるうちにキケにとっての「日本の家族」という存在になっていきました。『7 SUENOS / FAMILIA』と名づけられた2枚組のアルバムには、アルゼンチンと日本、ふたつの家族への思いが込められています。

初来日

5月のある晴れた日、7弦ギターとピッコロギター、チャランゴを抱えて成田に降り立ったキケは「ずっと日本に来たかったんだ。本当にうれしいよ」と優しく微笑んでいました。

日本での初ライブはサラヴァ東京。そこに集まったのはカルロス・アギーレが2010年に初来日したときから応援をしていた熱心なファンたち。それはカルロスの音楽と、彼から繋がる音楽世界の共鳴者たちです。2度目の来日でリラックスして楽しんでいるカルロスを微笑みながら見守る聖人キケは、カルロスの仲間たちとともに静かにツアーをスタートしました。

やがてキケは不思議なことに気づきます。ひとつは多くのファンが一つの会場だけでなく複数の会場に来てくれること。東京在住だと思っていた仲間が、名古屋にも姫路にも来ている…、そして各会場のライブ主催者たちはみな同じ音楽の世界を共有して強く繋がっている…、自分たち主催のライブが終わったら別の町のライブも聴きに来てくれる…。毎回完全に演奏が終わるまで拍手を始めないオーディエンスの音楽への理解の深さや、関係者のホスピタリティに触れ、山形での最終公演が終わったとき「音楽人生でもっとも感動したツアーだった。日本の音楽仲間はファミリーだ」とぽつり。日本に来て生まれ変わったとまで語るキケが、その感動をすべて詰め込んだのが『7 SUENOS / FAMILIA』なのです。

キケの感動と同じく、日本のオーディエンスもキケのギターに酔いしれました。ライブ会場でもひときわ重要な楽曲であった「セラス・ヴェルダッド」と「ダンサ・シン・フィン」「アンダンド」はいずれもキケの作曲でCDにはカルロスもピアノとして参加しています。約500人を収容する東京公演の会場では、「セラス・ヴェルダッド」のイントロがスタートしたとき、静寂に包まれた会場がはっと呼吸をするような一瞬がありました。7弦ギターの音色はまるでハープのようにきらきらきらと輝いて、静寂の会場を包んでいきました。

  • Live at サラヴァ東京
    Live at サラヴァ東京
  • 姫路の町を歩くふたり
    姫路の町を歩くふたり
  • Live at 姫路ハンモックカフェ
    Live at 姫路ハンモックカフェ
  • 琉球料理のお店へ
    琉球料理のお店へ
  • Live at 岡山ルーテル教会
    Live at 岡山ルーテル教会
  • 各地で歓迎を受けるキケとカルロス
    各地で歓迎を受けるキケとカルロス
  • Live at 福岡アクロス円形ホール
    Live at 福岡アクロス円形ホール
  • 山形・山寺にて
    山形・山寺にて
日本への思い

帰国して間もなく「日本のことを思って曲を書いたよ! 7つの夢って言うんだ」とキケから連絡が入りました。ツアーで訪れた7つの町をイメージして書かれた7つの曲。帰国からまだ1カ月もしないころの出来事です。日本のオーディエンスと音楽仲間たちが、キケの創造力のスイッチを押したのに違いありません。

その年の暮れにキケはなんと再来日を果たします。キケと親交のあるケーナ奏者で音楽家の岩川光さんがデュオツアーを企画したからです。二度目の来日ライブでも、キケは「7つの夢」の数曲をギターソロで披露しました。姫路で「El camino de la princesa(Himeji)」を演奏したときの感動は忘れられない思い出のひとこまです。

ところが日本ツアーの最中に、キケを音楽の道へといざなってくれた母が運悪く病床についてしまいました。「7つの夢はできたばかりでこれからまだまだ練習が必要なんだ。帰国したら母を看病しながら練習するよ」と日本を離れたキケ、愛する母の傍らで日本を思いながら1年半の歳月をかけて、「7 SUENOS」を完成させ、新たに大切な母と家族、尊敬するアーティストたちへ捧げた14曲を書き上げ、『7 SUENOS / FAMILIA』ができあがりました。

日本とアルゼンチン、心の中にふたつの故郷を持つキケ・シネシの郷愁と優しい心情を映すようなアルバムは、美しいメロディが温かい音色で奏でられています。その音色は、「セラス・ヴェルダッド」や「ダンサ・シン・フィン」にも通じるメロディアスで叙情的なもの。ときにハープのように、あるときはバンドリンのような繊細で美しいギターの音が、そよ風のように軽やかに柔らかく演奏され、ときおりクラリネットやチェロがそっと寄り添います。このアルバムは、誰にとってもきっと一生の宝物になるのではないでしょうか。

今年の冬、日本のことを想ってつくったこのアルバム「7つの夢」を携えて再び来日します。キケの音楽を再び目の前で聴けるわたしたちはもちろん、キケ自身にとっても感動のライブになると信じています。

  • キケ・シネシの手書きのメッセージ 7 suenos
    キケ・シネシの手書きのメッセージ 7suenos
  • キケ・シネシの手書きのメッセージ
    キケ・シネシの手書きのメッセージ
  • キケ・シネシの手書きのメッセージ Familia
    キケ・シネシの手書きのメッセージ Familia

『7 sueños / Familia(シエテ・スエニョス|ファミリア)』
Quique Sinesi(キケ・シネシ)

2014年9月21日発売 2,480円(税別)レーベル:bar buenos aires 発売・販売元:インパートメント 

Disc-1 “7 sueños”
01. El camino de la princesa (Himeji)
02. Refugio antiguo y misterioso (Nagoya)
03. El aura de la montaña (Yamagata)
04. Oriente urbano (Tokyo)
05. Templo de la belleza (Okayama)
06. Colina de la abundancia (Fukuoka)
07. Dimensión ciudad (Kyoto)

Disc-2 “Familia”
01. Inspiración 1
02. Instantes en familia I
03. Instantes en familia II
04. Instantes en familia III
05. Inspiración 2
06. Aurora
07. Tu cancion en mi
08. Inspiración 3
09. Voces del viento I
10. Voces del viento II
11. Voces del viento III
12. Ciclico
13. Inspiración 4
14. Melodia de olvido

2014年11月28日(金)〜12月9日(火)キケ・シネシ&岩川光デュオツアー
Quique Sinesi & Hikaru Iwakawa Japan Tour 2014