『サラヴァ東京』ソワレくんが訊く 素敵な三人四脚〜ナナマリ、7年ぶりの 会心作『スケッチブック』のこと。
(2016.07.05)~『サラヴァ東京』プロデューサー&社長 ソワレくんいわく~いつもどこでお逢いしても真摯な瞳が印象的な友人のライター、島田奈央子さんからお知らせが届きました。ミュージシャンでレコードレーベルのオーナー、平井景さんの『ブライトサンズレーベル』から素晴らしい作品 ナナマリさんによる”八ヶ岳 南麓ボッサ”『Sketchbook』がリリースされたとのこと。梅雨の中休み、ナナマリさん、島田さん、平井さんにお話をうかがいました。アルバムとライブへの意気込みいっぱいのひと時かと思いきや、同年代が集ったほんわかトークに。それはナナマリさんの持つ不思議な空気感が引き出したのかも。その雰囲気が伝わったら嬉しいのです……。
女子ジャズから、八ヶ岳南麓ボッサへ。
ソワレくん:まずは今回の”八ヶ岳 南麓ボッサ”『Sketchbook』のbisプロデューサーでCD発売イベントのナビゲーターであり、ライナーノーツを手掛けるライター、島田奈央子さんに伺います。島田さんは、その昔にご自身も音楽をやっていらっしゃいましたよね…
島田奈央子さん:自分が唄っていた時と今は全く切り離して考えています。ライターとしては私が聴きたい音楽があって、それを形にして行きたいと思ったのでイベントを作りました。でも私はやりたい音楽のイメージはあるのですけど、音楽理論とかは判らないし譜面も読めない。そんな時分、8年前になりますが、私の主催するイベントで平井さんと知り合った。その時に「あ、私のやりたい頭の中のものを形にしてもらえる方かな」と思ったのですよね。そこからお付き合いが始まって、具体的にやりたいことを音にして戴いています。昨年『サラヴァ東京』で行ったイベント『南の島のクリスマス』もその流れです。
ソワレくん:それでは平井景さん! 島田さんと、”八ヶ岳 南麓ボッサ”『Sketchbook』のナナマリさんとの出逢いについて教えてください。
平井景さん:島田さんはミュージシャンではないので音楽制作に関する発想が斬新なんですよね。それで僕のオリジナルアルバムの制作の時お手伝いをお願いしたりしています。今回僕がプロデュースのナナマリさんはもう20年のお付き合いです。一年半くらい前に彼女のアルバムにドラマーとして参加して欲しいとのお話を戴いて山梨に行ったんですけど、色々なお話をしているうちに自然と一緒に出来たらいいな、と思いました。同行していた島田さんもナナマリさんの音楽に感銘を受けたみたいで自然と三人で作品を作ってゆこう、と思いましたね。
八ヶ岳連峰の森から生まれた詩を、
ボッサの調べにのせて。
ソワレくん:そしてナナマリさん。今回『サラヴァ東京』へは初登場です! 基本情報を抑えたいです、音楽はいつからはじめられたの?
ナナマリさん:音楽活動は20年になります。最初は唄ではなく、ポップスのバンドでギターと作曲をやっていました。実は詞も書いていたのですが私の書くものはちょっとシニカルというか、何となく他の方に唄って戴くのは申し訳ないなあ、唄う人がかわいそうだなぁという感じで(笑)自分で唄うしかないかなあ、と思っていて。ご縁あって12年前に山梨・八ヶ岳山麓に引っ越しました。でも山梨に越した当初はお友達が誰もいなくて。で、何となくギターで弾き語りをはじめました。
ソワレくん:そこでボサノバですね。
ナナマリさん:もともとはジミ・ヘンドリックスなどギターテクニックの華麗さ、グルーヴに惹かれて聴く音楽が広がって行った感じで、そこからボッサに繋がってゆきました。ボッサ独特のコード進行に惹かれ、その後ナラ・レオンのサウンドに傾倒するようになりました。私は声を張り上げる唄い方は向いていないし、ポルトガル語にも自然と興味を持ってゆきました。しかもボサノバって原詩の訳を読んで見るとものすごく熱いことを唄っていたりするのですよね。でもそれを淡々とクールに表現していて。そういう側面が判ると益々魅力を感じて行きました。
ソワレくん:お住まいになっている八ヶ岳から発信するから『八ヶ岳ボサノバ』ですの?
ナナマリさん:家は本当に山の中です。高速(自動車道)を降りて降りてぐんぐん森に入って行った果ての小さなお家です。お庭に野生動物が来たりする、のんびりした八ヶ岳の麓です。ある時外を見ていたら「動物たちは人間をどんな風に見ているのかな」って思い浮かんで、その気持ちをモチーフに曲を書いたりして過ごしています。ギター爪弾きながら書き出すのですけれど、私の場合詩も同時に浮かんで来ます。山梨の自宅で唄入れから楽器の録音まで、山梨の自宅でやっています。私レコーディングが大好きで、自分で何でもやっちゃうんですよ。ライブの時は照明も音響セッテングも全部自前のことが多いです。機材を持ち込んで山梨の小さなレストランで唄ったりとか。やっぱり音楽って生活に寄り添う部分があると思うので、自宅で音作りが出来るのはよいことだなあ、とも思います。
今回、平井さんと再会してお話してゆくうちに、どんどんプロジェクトが大きくなって、島田さんのお力も借りながらアルバム制作に入って。セルフプロデュースでポソポソと進めていたのが一気に進んで。お二人には本当に感謝しています。
時間の流れ、空気感……
ナナマリさんが八ヶ岳を全国にお届け。
ソワレくん:レコーディングなどはどのような感じだったのですの?
島田さん:八ヶ岳のナナマリさんのお家で、合宿みたいな泊まり込みで。寝食共にしながら楽しく作品を作ってゆきました。夏は虫が多く冬は寒い。でもお家の中は薪ストーブがあるとても快適な空間で暖かい。またお庭で作っている野菜が美味しくて。
平井さん:山梨のワイン飲む時など、自家製野菜でおつまみとか皆で作ったりしたよね。とにかくナナマリさんは自然体で、フライヤーのデザインから録音から照明から演奏まで何でも出来ちゃう。
ナナマリ:ここでの生活、私好きなんですよね。自然があって、時間の流れが都会とは確実に違うし。車じゃないと街に出られないからお酒もいつもお家で。楽しかったです。私の暮らし方を上手に音に盛り込んでもらえたのは平井さんと島田さんのお陰です。
ソワレくん:最後に、7/24(日)サラヴァ東京でもお披露目される『Sketchbook』発売記念コンサート ツアーについてですが、聞きどころは?
ナナマリ:最近はライブが少ないのでツアーはちょっと不安なのですけれど……。
平井さん:まずはナナマリさんの中で育んだ八ヶ岳との空気感をそのまま各地の人に届けられたらいいな、と思っています。彼女、ちょっとテンポも独特でしょう? それをそのまま、自然体で音楽に乗せられると思う。今の時代に必要な温もりが感じられる八ヶ岳特産ボッサです!
島田さん:『Sketchbook』は女性が共感出来る作品だな、と私は思ったりしていて。ナナマリさんの歌詞って媚びていないのですよね。しっかり言いたいこと、主張がある歌詞、でも押し付けない。その辺りが私の思う自立した今の時代の女性像に近いです。
○○○ソワレくんのあと書き○○○
「私って柔軟性があるのかも」と笑って呟いたナナマリさん。ご自身の環境や立場、時代の変化を受け止めつつマイペースに20年も音楽を作り続けてきたこの事実。お受けした柔らかな語り口、ほのぼのしたイメージとは裏腹な強固な意思と覚悟が詰まった渾身の作品と取りました。援護射撃のお二人もずっと素敵な笑顔で、ナナマリさんを中心としたこのスマイリーズがバンドを従え全国各地に八ヶ岳の風を運びます。笑顔のマニフェストってなかなか聞きませんが、八ヶ岳南麓ボッサはそういう不思議な化学反応から始まった気が致しました。その答えは新作「SKETCHBOOK」を聴きながら皆様方で紐解いて見て下さい。そして笑顔の三人四脚、唄の旅にどうぞ足をお運び下さいね。
ナナマリ”八ヶ岳南麓ボッサ” ~CD『Sketchbook』発売記念ツアー・2016夏~
日時:2016年7月24日 (日) 17:00~
会場:サラヴァ東京
東京都渋谷区松濤1丁目29-1 渋谷クロスロードビル B1
電話:03-6427-8886
料金:前売り4,000円(1drink付)当日: 4,500円(1drink付)
出演:ナナマリ (Vocal,Guitar)、マツモニカ (Harmonica)、伊澤陽一 (Steelpan)、越田太郎丸 (Guitar)、村上聖 (Bass)
平井景 (Drums)
ナビゲーター;島田奈央子(音楽ライター)
プロモーションMV 『ボクBossa Novaくん(Short Ver.)』
○ナナマリ”八ヶ岳 南麓ボッサ”『Sketchbook』発売記念コンサート
2016年7月3日(土) 山梨・清泉寮(ホール)
< ナナマリ(Vo,G)、越田太郎丸(G)、マツモニカ(Harm)、村上聖(B)、平井景(Ds)
7月24日(日) 渋谷・SARAVAH東京 < ナナマリ(Vo,G)、越田太郎丸(G)、マツモニカ(Harm)、伊澤陽一(Steel Pan)、村上聖(B)、平井景(Ds)>
7月25(月)日 浜松・ANALOG
7月26(火)日 名古屋・DOXY
7月27(水)日 京都・RAG < ナナマリ(Vo,G)、越田太郎丸(G)、伊澤陽一(Steel Pan)、平井景(Ds)>
ナナマリ”八ヶ岳 南麓ボッサ”CD『Sketchbook』発売記念コンサート第 2 弾(予定)
8月4(木)日 長野・柿ノ木カフェ・パーシモン ●8/5(金) 金沢・もっきりや
8月6(土)日 富山・Music&Café ADAGIO
8月7(日) 日軽井沢・Gallery Cafe ならの木 < ナナマリ(Vo,G)、江本翔(Pf)、瀧川青河(B)、平井景(Ds)>
9 月、浜松壬生ホールにて、ライブ出演予定