ハンモックレーベルvol.1 『Wavenir』9/4リリース藤本一馬&伊藤志宏、瑞々しいギター&ピアノ・デュオアルバム。

(2014.08.25)
 Shikou Ito and Kazuma Fujimoto Photo by Masaaki Miyara
Shikou Ito and Kazuma Fujimoto Photo by Masaaki Miyara
音楽ファンやアーティストの間では神聖な存在である姫路『ハンモックカフェ』。
国内外のアーティストがみな、この地で素晴らしい演奏を披露してきました。
その『ハンモックカフェ』のオーナー中村夫妻が、満を持してレーベルをスタート。
第1作は、藤本一馬さんと&伊藤志宏さんのデュオアルバム『Wavenir』。
新しい波を、未来に向けて、姫路・的形から発信。
心動かされる出逢い。

これまで幾度、音楽に感動し涙を流しただろう。ここ数年、幸運にもそんな琴線に触れる音楽家に出逢う機会に恵まれました。

僕は、地方のとりわけ片田舎の自然の中で自家焙煎カフェを営んでいます。年に数回カフェでのライヴも開催し、ふだんBGMにしている音楽家がこの地まで来訪してくれて、間近でライヴを体感する貴重な機会をお客さまと共有させていただいています。

そんな中、僕は2011年から二度に渡ってアルゼンチンを旅し、現地でのホットな音楽事情を垣間見ました。日本でもここ数年、アルゼンチン音楽家のライヴツアーが企画され、その中でも特に僕にとって忘れられない感動を残してくれたのがカルロス・アギーレとキケ・シネシのピアノとギターのデュオでした。そのデュオライヴを日本だけでなく現地のサンタフェの講堂にて体験できたことはまさに奇跡的で、そこに至るまでに音楽がもたらしてくれた数々の出逢いの恩恵に対して、日本に戻り次第に自分に出来る役割は何かと考えるようになりました。

2012年1月31日、日本のジャズ、ワールドミュージックシーンで独創的な活躍が目ざましいふたりの音楽家、ギタリスト藤本一馬とピアニスト伊藤志宏デュオライヴを観て、「これこそ心が震えるということか…」と鮮烈な記憶として刻まれました。

初共演に居合わせたその日から、彼らの奏でる音楽に魅了されライヴに足を運んでは、この音源のリリースを切望するようになりました。僕に限らず彼らのライヴを体験した人ならきっと感じていたことでしょう。そして、自分たちで出来ることは何かとファンとしての想いが募った末、リスナー感覚で音源リリースに関わることができないだろうかと考えるようになりました。

  • Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo Live Tour 2013 in HUMMOCK Café
    Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo Live Tour 2013 in HUMMOCK Café
  • Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo Live Tour 2013 in HUMMOCK Café
    Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo Live Tour 2013 in HUMMOCK Café
  • Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo Live Tour 2013 in HUMMOCK Café
    Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo Live Tour 2013 in HUMMOCK Café
新しい波形の未来、ウェヴニール

「レ―ベルを始めよう。」

それはこれまでの心境から自然と導かれた新たなチャレンジ。楽器そのものの共鳴に耳を傾け、ただありのままの心で自由に感じられる、想像の余白を残した器楽音楽に惹かれていきました。音楽家の想いとリスナーの想いを掬い取った作品を制作できることを願って「音楽。心のライブラリーに想い重なる。」とレーベルコンセプトを掲げ、第一作目として発表するのが“藤本一馬/伊藤志宏”アコースティック・ギターとピアノのデュオアルバム、『ウェヴニール』です。タイトルの「Wave/波」と「Avenir/未来」の造語であるWavenirは、ふたりの音楽が現代の希望の光となり、新しい波形の未来を描いています。

レコーディング当日までにミーティングとリハーサルを重ねている時期は、藤本一馬さんはソロ3rd作品『My Native Land』を、そして伊藤志宏さんは自身の3 cello variation『タペストリア』制作の仕上げ段階でもあったのですが、このデュオのために書下ろしの「Matogata Sunrise」と「いにしえ-Ancient」(ともに作曲:藤本一馬)が生まれ、これまでライヴ会場で聴いたデュオから一歩新たな境地へと誘う作品に仕上がっています。また、2年以上前からセッションを重ねているふたりは、互いのオリジナル曲への表現も深まり、映画音楽としての「緑の渡り-How Long To Be Greener」や書き溜めの「天つ風 Sky-high Wind」、そして「ペンギンは飛べない-Could Penguins Fly, Or Just Don’t Fly…?」(ともに作曲:伊藤志宏)は待望の収録となっています。作曲家として自然賛歌や壮大なスケールの組曲をも作曲するふたりですが、今回唯一ブラジルの偉大な音楽家エグベルト・ジスモンチの曲「Don Quixote」をカヴァー収録しています。ふたりが東京でのジスモンチの来日公演会場で出逢ったという、そんな記念の意味を込めて僕からリクエストをしました。そのカヴァ―は水の波紋の如くゆっくりと穏やかに鳴り響き、ふとふたりのオリジナル曲との深い親和性に気付かされました。レコーディング・スタジオでは、エンジニアに奥田泰次氏を迎え、ふたりによるセルフプロデュースを軸に即興を交えるなど様々な創作が重ねられ、純度高い録音となりました。

10曲収録となった曲順については全員一致になるまで丁寧にやりとりを続け、さらにマスタリングで自然な美しさに仕上げていただきました。こうして地方カフェ発新米レーベルながらも順調に進行できたのは、当初から変わらず“藤本一馬 / 伊藤志宏デュオ”への感動がもたらしてくれたシナジーが深い絆となっていたことと、それぞれのファンや未来のリスナーへの希望を込めた想い、そしてこれまで関わってくださった方の多くのサポートがあったからでしょう。

  • Wavenir撮影 in Ryusenkei Photo by Masaaki Miyara
    Wavenir撮影 in Ryusenkei Photo by Masaaki Miyara
  • Wavenir撮影 in 箱根 Photo by Masaaki Miyara
    Wavenir撮影 in 箱根 Photo by Masaaki Miyara
  • Wavenir撮影 in 箱根 Photo by Masaaki Miyara
    Wavenir撮影 in 箱根 Photo by Masaaki Miyara
懐かしくも新しいデザイン

繊細さを内包しスピリチュアル性をもった楽曲のアルバム『ウェヴニール』と、リスナーを繋ぐデザインを半年近く前から共にイメージを描き続けてくれた、アートディレクション&デザイン宮良当明氏(argyle design)の役割の大きさも付け加えさせていただきます。

音楽作品である以上その中心は、音楽を作る作曲家であり演奏家であることを大前提とし、パッケージとして価値ある形を目指しました。そこにはありのままを切り取った“ドキュメンタリー”写真をそっと添え、曲解説は付けずにふたりの言葉によってライヴ会場をはじめとする場面で語られることを選び、シンプルで潔いデザインになりました。ジャケットには朝の瀬戸内海・的形の水面写真を使い、彼らの音楽から感じる柔らかくも凛とした「如水」の精神―緩やかな流れには安らぎを、荒らかな流れには強いエネルギーを感じることに由来します。

ひとつのライブラリー作品としてニュートラルに美しく、リスナーの心のライブラリーに想い重なりますように。

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『Wavenir(ウェヴニール)』 藤本一馬 / 伊藤志宏
2014年9月4日 2,500円(税別) レーベル:ハンモックレーベル

【Track List】
01. ペンギンは飛べない / Could Penguins Fly, Or, Just Don’t Fly…?
02. 緑の渡り / How Long To Be Greener
03. 天つ風 / Sky-high Wind
04. Blue Light
05. Matogata Sunrise
06. 夢占い / Dream Horoscope
07. Don Quixote
08. いにしえ / Ancient
09. 夢中夢 / A Dream Within A Dream
10. 光に包まれて / Embraced By Light

 
① ② ③ ⑥ ⑨ Composed by Shikou Ito
④ ⑤ ⑧ ⑩ Composed by Kazuma Fujimoto
⑦ Composed by Egberto Gismonti & Geraldo Carneiro

藤本一馬:Echizen Steel String Guitar / Fukuoka Nylon String Guitar
伊藤志宏:Steinway & Sons D-274 Grand Piano

【藤本一馬 & 伊藤志宏 デュオ “ウェヴニール” リリース ツアー 2014】

9/6(土)姫路 《ハンモックレーベル前夜祭ライヴ》 @HUMMOCK Cafe
選曲 : 吉本宏(bar buenos aires)
開場18:30 / 開演 19:30 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク込/全席自由)
会場 : HUMMOCK Cafe ▶ 姫路市的形町的形1864

9/7(日)姫路 公演 @ 姫路文学館 講堂
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Himeji
13:00開場 / 13:30開演 予約 2500円 / 当日3000円 (※共に全席自由)
会場 : 姫路文学館 講堂 ▶ 姫路市山野井町84番地

10/10(金)東京 公演 @ サラヴァ東京
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito in bar buenos aires
選曲 : 吉本宏、山本勇樹、河野洋志(bar buenos aires)
19:00開場 / 20:00開演 予約 4000円 / 当日4500円 (※ 共に 1 ドリンク込/全席自由)
会場 : サラヴァ東京 http://l-amusee.com/saravah/  ▶ 東京都渋谷区松濤1丁目29-1 クロスロードビル B1

10/11(土)名古屋 公演 @ JAZZ茶房 青猫
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Nagoya
19:30開場 / 20:00開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場 : JAZZ茶房 青猫 ▶ 愛知県名古屋市名東区藤が丘49 アンフィニビル B1階

10/12(日)神戸 公演 @ CREOLE
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Kobe
18:30開場 / 19:30開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場 : CREOLE -クレオール ▶ 兵庫県神戸市中央区山本通2-3-12

10/13(月・祝)岡山 公演 @ 城下公会堂
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Okayama
19:00開場 / 19:30開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場 : 岡山・城下公会堂  ▶ 岡山県岡山市北区天神町10-16 城下ビル1F

10/14(火)愛媛 公演 @ 新居浜アンデルセンホール
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Ehime
18:30開場 / 19:30開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場 : 愛媛・新居浜アンデルセンホール ▶ 愛媛県新居浜市船木甲1194−1

10/17(金)福岡 公演  @ papparayray
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Fukuoka
19:00開場 / 20:00開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場:papparayray – パッパライライ ▶ 福岡県福岡市中央区赤坂2丁目2−22

10/18(土)京都 公演 @ きんせ旅館
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Kyoto
18:30開場 / 19:30開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場 : きんせ旅館 ▶ 京都府京都市下京区西新屋敷太夫町79

10 / 19(日) 静岡 公演 @LIVING ROOM
Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Duo “Wavenir” Release Tour 2014 in Shizuoka
18:30開場 / 19:30開演 予約 3500円 / 当日4000円 (※ 共に 1 ドリンク別途/全席自由)
会場 : LIVING ROOM ▶ 静岡県静岡市葵区七間町10-9シンワビル4F