2014.629-30 Bianca Gismonti Trio ライブ in コットンクラブリオ・デ・ジャネイロのバラの精、
ビアンカ・ジスモンチが初来日。

(2014.06.09)
 

リオ・デ・ジャネイロは、世界遺産にも登録されるほど景観が美しい。観光スポットはたくさんあるけれど、リオっ子「カリオカ」にとってのお気に入りエリアは、ジャルジン・ボタニコという植物園。アントニオ・カルロス・ジョビンも愛した、この植物園の最大の魅力は、その6割が、がマタ・アトランティカ(大西洋岸森林)と呼ばれる多種多様な植物が共存する原生林であるということ。

音楽家ビアンカ・ジスモンチは、都会でありながら、そんな自然の豊かなジャルジン・ボタニコ地区で、天才音楽家エグベルト・ジスモンチの元で育った。

2013年、ソロ名義で発表した『Sonhos de Nascimento(誕生の夢)』のジャケットには、美しいマタ・アトランティカの林の中で、まるで花の妖精のように、薄桃色のバラの花のドレスを纏って舞うビアンカの姿を見ることが出来る。

緻密かつダイナミックな表現力と、ブラジルの風土や歴史を包括するような独特な音色は父親譲りと高い評価を得つつも、彼女の繊細でしなやかなピアノの音色は、ブラジルの密林に咲く野生のバラの花の芳醇な香りのような独自の美しい世界観を持っている。

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エグベルト・ジスモンチの娘、ビアンカ・ジスモンチ
今からちょうど5年前、リオ・デ・ジャネイロ南部にある植物園ジャルジン・ボタニコのすぐ近くにあるジスモンチ邸で、彼女の父親であるエグベルト・ジスモンチから、息子のアレシャンドレ・ジスモンチと、娘のビアンカ・ジスモンチを紹介された。

二人ともスラッとスタイルが良く、気品に満ちた、まるで彫刻のような顔立ち。年子の二人は、エグベルト・ジスモンチが愛情をかけて育てあげ、既に兄のアレシャンドレはギタリスト、そして妹のビアンカはピアニストとして、各々活動を開始していた。

アレシャンドレは、かなりのイケメンだが、とても真面目で物静か。仏教徒で、愛読書はダライ・ラマの著書。まるで僧侶のような出で立ち。一方、ビアンカは、眩いばかりに華やかで活動的。その笑顔にはオテンバ娘だった幼少期を垣間見ることが出来る。小さい頃から、おねだり上手で、父が兄に買ってきたお土産も、欲しがって譲ってもらっていたという典型的な妹キャラ。まるで対照的な兄妹だけれど、その3人の家族はバランスが取れていて、とても仲が良いのが、すぐにわかった。

家族の中でも、絶対的な存在の父エグベルトは、ブラジル音楽界の鬼才の異名を持つように、並外れた才能を持つ偉大な音楽家であり、鬼の形相で、多弦ギターでもピアノでも、超絶技巧で操るその姿は、まるで生活観を感じさせない。が、完璧主義者であるだけに、多忙な音楽活動と並行して、実は、男手(ひとつとは言わないが…)で、二人の子どもも、見事に育てあげていたのだ。

ジスモンチが、ギターとピアノという一見相反する形態の楽器を、どちらも完璧に弾きこなす姿、作品の中に現れる静と動、陰と陽、この両性的な優勢遺伝子を、兄妹が、きれいに二分割して受け継いだことは、大変興味深い。

昨年2013年3月には、エグベルト・ジスモンチは、息子のアレシャンドレと共に来日し息のあった親子デュオを聞かせた。

 
ビアンカ・ジスモンチ・トリオ、いよいよ初来日

来る6月29日、30日、そのビアンカ・ジスモンチが自己のトリオを率いて、待望の初来日公演を行う。

トリオのメンバーは、ビアンカのピアノとボーカルのほかに、アルバム『Sonhos de Nascimento(誕生の夢)』の全面プロデュースを務めたドラマーであり、ビアンカの夫であるジュリオ・ファラビーニャと、ベテラン・ベーシストのアントニオ・ポルト。

リオ・デ・ジャネイロ発、ヨーロッパ・ツアー経由の日本初上陸。今回の来日では、ビアンカ自作曲から父親エグベルト・ジスモンチのレパートリーなどを披露する予定とのこと。

バラの美しい季節に、リオ・デ・ジャネイロ原産のバラ、ビアンカ・ジスモンチの美しい音色を、ご堪能いただける機会に恵まれたことを感謝します。

【Live Information】
2014.629-30 Bianca Gismonti Trio
日時:6/29(日)1st 17:00~、2nd 20:00~ / 6/30(月)1st 18:30~、2nd 21:00~  
会場:コットンクラブ千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F)
ミュージック・チャージ:自由席 / テーブル席 ¥5,500ほか

ビアンカ・ジスモンチ Official Site