ヤエル・ナイム Billboard Live Tour 2016新たな一歩を踏み出したヤエルの神秘的で優しく、表情豊かな音世界。

(2016.10.04)

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「ニュー・ソウル」で一躍その名を知られることになった歌姫ヤエル・ナイム、
4年ぶりのアルバム『Older』を携えて11月に来日。
このライブに2組4名をご招待します。

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ポップス、ジャズ、フォーク、スピリチュアル、エキゾチック…透明感のある歌声とポップなフレーズで世界か熱視線を浴びた彼女の音楽は、ありそうで無く、深淵で表情豊かな世界が広がっている。

彼女の名を広めたのはなんといっても2008年にシングル「ニュー・ソウル」であろう。Apple社のCMに起用され、イスラエル出身のソロ・アーティストとして初めて全米9位を記録、世界的なヒットとなった。CMも当時かなり放映されていたので、「あーあの曲ね。」と思う人も少なくないだろう。その後も「ゴー・トゥーザ・リバー」がTVドラマの挿入歌に起用されるなど、ここ日本でも着実に知名度を上げていった。

 
豊富なバックグラウンドと世界的ヒット。

ヤエル・ナイムは1978年にパリに住むユダヤ教徒のチュニジア人夫婦の元に生まれる。4歳の時に家族とともにイスラエルのRamat HaSharonに移住、幼年期をこの地で過ごす。引越先にピアノがあったことがきっかけで音楽と出会い、クラシック・ピアノを10年間習う。その後は、12歳の時に父親の影響でビートルズに出会い、ポップスのフィールドに関心が移り、18歳の時にはジョニ・ミッチェルに傾倒。さらにテルアビブのジャズ・クラブでウィントン・マルサリスらと知り合ったことでジャズの演奏を試みるようになるなど、多種多様な音楽とふれあい、自身の音楽を確立していった。

彼女の名を広めたのは前述の「ニュー・ソウル」や「ゴー・トゥーザ・リバー」、「ファー・ファー」といったタイアップソングであることは間違いないが、実際にそれらの楽曲が収録されたアルバムを聴くと、ヘブライ語、フランス語、そして英語を曲によって使い分け、ある意味期待を裏切るような彼女の分厚い音楽性を味わうことができる。『ヤエル・ナイム』では「ヤシャンティ」、ブリトニー・スピアーズの「Toxic」も、ヤエルの斬新な切り口のアレンジとウィスパーボイスによって、子守唄のような、それでいて怪しげな曲に仕上げたり、『She Was a Boy』の「Man Of Another Woman」では中東のエキゾチックなグルーヴを全面に押し出すなど、ポップス路線から入ったリスナーも、ジャズやワールド路線から入ったリスナーも納得させるだけの高いポテンシャルをこの2枚のアルバムで感じさせた。

 
祖母の死、出産を経てたどり着いた新たなる境地。

2ndアルバム『She Was a Boy』から4年が経った2015年、最新アルバム『Older』をリリースした(国内盤は2016年)。4年間の間に、ヤエルは祖母の死と出産を経て、コマーシャリズムと距離を置き自身と向き合った楽曲の数々は、心を浄化するかのような慈悲深く、無限の愛を感じさせる聖母のような伸びやかな歌声とメロディが、じんわりと胸に染み渡る。

「もしかしたら声と歌い方にも、何らかの影響を与えたかもしれません。時間の使い方もうまくなりました。商業的成功を追い求めたり、宣伝マシーンと化すのではなく、新しい音楽を作ることと、家族と一緒に過ごすことを最優先して」。

「自分の声に関して、何かふっ切れたところがあるような気がします。怖れを感じることなく、自分を解放できたのではないかと。また、音楽にまつわるダヴィッドの尽きせぬアイデアとヴィジョンに、幾度も幾度も新しい側面を発見しました」。

デビュー当時から長らく制作に携わってきたプロデューサー兼アレンジャー兼コンポーザー、ダヴィッド・ドナスィアンとヤエルの橋渡しをするのはニーナ・シモンとインタビューでも語っていたが、まさしく『Older』の「Dream in my head」ではニーナ・シモンの「Feeling Good」も彷彿とさせるR&B、ソウル調のトラックに、伸びやかで芯のある歌声を聴かせており、これまでの楽曲とはまた一味違う。そしてそのことは「ニュー・ソウル」をはじめとするこれまでの作品と距離を置いたことを印象づけるものだ。

「私たちの人生は短いものです。もっとたくさんの共感と思いやりを持って、お互いと接するべき。自分たちに可能な限り、たった一度だけの人生を楽しんで、お互いに助け合う努力をするべき。私がそれをできているとはまだ言えませんが、学んで実践しようと努力しています」。

デビューから一貫して彼女は自身の人生、生活を歌に反映してきたヤエルは、リスナーがこのアルバムからどんなことを感じ取ってもらいたいという質問に対してこう語っている。

不安と希望が入り混じった歌詞をポップな曲調で歌い上げ「ウォーク・アンティル」や「メイク・ア・チャイルド」から始まり、そして聖歌のような「ミーム・イーレン・ソング」で終わる。「生と死」、一見重く、暗くなりがちなテーマを、ポップス、フォーク、ときにはロックの要素も交え、耳になじみのよいサウンドに仕上げている。さらに日本盤ボーナス・トラックとして収録されているブラッド・メルドーをフィーチャリングした「カワード」の別バージョンはクラシカルな要素も加わり、彼女の人生をストーリーにしたミュージカル作品を聴いているようにすら思える。祖母の死と出産を経て再び音楽と向き合った彼女の出した答え、そして彼女の人生の縮図ともいえるような世界が『Older』には詰まっている。

2016年11月の日本公演は、ダヴィッド・ドナスィアンとダニエル・ロメオとのトリオ編成と、シンプルな編成だが、ヤエルの神秘的で優しく、繊細で表情豊かな音世界を味わうことのできるとともに、新たな一歩を踏み出したヤエルの強い意志を感じることのできるステージとなるだろう。観る者、聴く者の魂を揺さぶるパフォーマンスに期待したい。

 

【ヤエル・ナイム Billboard Live Tour2016】
2016.11.02(水) 会場:ビルボードライブ大阪
大阪市北区梅田2-2-22 ハービスPLAZA ENT B2
1st 開場17:30 / 開演18:30 2nd 開場20:30 / 開演21:30
サービスエリア6,900円 / カジュアルエリア5,400円
予約:06-6342-7722

2016.11.04(金) 〜11.05(土) 会場:ビルボードライブ東京
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
11/4(金)1st 開場17:30 / 開演19:00 2nd開場20:45 / 開演21:30
11/5(土)1st 開場17:00 / 開演18:00 2nd開場20:00 / 開演21:00
サービスエリア8,000円 / カジュアルエリア6,500円
予約:03-5414-5861

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