池田美樹, 池田美樹のLOVE♥ CITY WALKシャンパーニュは誰と飲む? 
一夜限りのペリエ・ジュエのパーティ。

(2008.11.11)

「シャンパーニュは1人で飲むものではないから、今夜は白ワインを空けた」。とある女性作家が、1人で食事をするシーンについて書いた、こんな一節にしびれたことがある。そう、シャンパーニュは華やかな場所に似合う、特別なお酒。人気は上昇を続けており、日本の輸入量が前年比の3倍にも達する勢いだという。
 そんな中、ボトルに描かれたエミール・ガレのアネモネの絵がお洒落なイメージのシャンパーニュメーカー「ペリエ・ジュエ」のパーティに招かれた。その名も「オータム・フラワリー・パーティ」。

 このパーティ、東京・日本橋にあるホテル、マンダリン オリエンタル 東京が会場。グランドボールルームは一夜限りの贅沢なレストランになるというので、心待ちにしていた。というのも、フランス唯一の女性三つ星シェフ、アンヌ・ソフィー・ピックさんが来日、この日の料理を作るというのだ。

 アンヌさんは、フランス南東の街、ヴァランスの名門レストラン「ラ・メゾン・ピック」のシェフ。祖父も父も三つ星を獲得したという一家に育った人だ。フランスでは56年ぶり、史上4人目の女性三つ星シェフとして、一躍脚光を浴びている。

 グリーンの光の中にしつらえられた、白いクロスのかかったテーブルに座る。4種類のシャンパーニュと料理を合わせるメニュー構成だ。偶然隣り合わせた人との会話も、弾ける泡とともに弾む。アンヌさんの料理がシャンパーニュを引き立て、シャンパーニュがまた彼女の料理をさらに味わい深いものにする。いつもなら、「もう、このへんで……」とお酒をやめる私も(本当です)、いくらでも飲めてしまうのが不思議だ。

 1人の食事の時には白ワインしか空けなかった、もう亡くなってしまった作家がもし今夜ここにいたら、やっぱりシャンパーニュは誰かと飲むのがいいわね、と言っただろうか。
 今夜の料理もこの場所も、誰かと一緒にいた記憶も、すべては、はかなく消えていくうたかたの泡。だからこそ美しく、誰かとともにしたくなる愛おしい時間なのかもしれない。

 

 

パーティ会場の様子。「ペリエ・ジュエ」のイメージでグリーンに照らされ、幻想的な雰囲気。

グラスにはまず1杯目の「Perrier-Jouet Grand Brut」が注がれる。

ボトルを捧げ持つサービスパーソン達。この後、一斉に会場に散って注いで回る様は壮観だった。

テーブルに配られた今夜のメニュー。おいしそう!

今夜の一皿目、甲州地鶏のハーブ卵と黒トリュフ 半熟卵 黒トリュフとピサラディエールのコンポジション。合わせるのは 「Perrier-Jouet Grand Brut」。

二皿目、フランス産スズキとブルターニュからの小海老 ヴァプール貝と四川省からの山椒風味の海老のコンソメを注いで。合わせるのは「Perrier-Jouet Belle Epoque 2000」。今夜はこの「ベル エポック」の新ヴィンテージのお披露目でもあった。

三皿目。リードヴォー・ド・レ ロティ ロティ京人参のフォンダン ラベンダーの香り。合わせるのは「Perrier-Jouet Belle Epoque 1996」。マグナムボトルでのサービス。

四皿目はデセール。カゼットとライム ジバラショコラとライムのマーマレード プラリネクリームトカゼットのソルベ。合わせるのは「Perrier-Jouet Belle Epoque Rose 2002」。

4種類のシャンパーニュに合わせてグラスも4種類。エミール・ガレのアネモネが美しい。

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アンヌ・ソフィー・ピックさんとペリエ・ジュエの最高醸造責任者、エルヴェ・デシャン氏。アンヌさんの素敵さに、来場者はみんな釘付け。1969年生まれだという彼女、まさにかわいらしい大人の女性でした。