ブルゴーニュ注目ワイナリー – 4 – メゾン・シャンピー
老舗メゾンの再生

(2014.05.05)
メゾン・シャンピーはボーヌの街中、ルイ・ジャドの隣にある
メゾン・シャンピーはボーヌの街中、ルイ・ジャドの隣にある
評価急上昇の老舗メゾン

メゾン・シャンピーは、1720年創立、ボーヌ最古のメゾンであるという。それを1990年にムルジェイ家が買って引き継いだ。ムルジェイ家は元々この地でワインの仲買業を営んでおり、自らワイン造りに乗り出した形だ。現在の当主、ピエール・ムルジェイさんは「古いメゾンにダイナミックな新しい力が入った」といい、実際に様々な改革を進めてきた。まず10ヘクタールの自社畑を購入、ビオディナミによる栽培を始めた。また、新しい技術や考え方を積極的に取り入れているといい、たとえば、畑の特性にあわせてブドウを植え替え、その際、古いピノ・ノワールの台木部分にシャルドネを接ぎ木する。ヴィエイユ・ヴィーニュ(古い木)を生かした栽培だという。また、一部のワインでスクリューキャップを導入、エチケットをモダンなものに変えたりして、マーケティング面でも新しいチャレンジをしている。

シャンピーの改革を熱く語るピエール・ムルジェイさん
シャンピーの改革を熱く語るピエール・ムルジェイさん

ワイン造りでは、以前はマッシブでパワフルなワインを造っていたが、いまはピュアでバランスのいいワインを目指している。基本は、できるだけ畑で作業し、ワイナリーでは手を加えないこと。問題があれば助けるという姿勢だ。醸造は、手摘み、除梗は一部して、しないものを残す、破砕せず1週間の低温マセレーション、果汁(フリーラン・ジュース)と残ったブドウをプレスしたものに分け、木製及びセメント槽で野生酵母での発酵、1日1~2回のピザージュ、発酵後、異なる条件で醸造したワインをブレンドする、新樽比率は20%~グランクリュで50%、ノンフィルターで月齢を計算して瓶詰め。シャンピーは、ネゴシアンでもあり40万本を扱う中規模メゾンだが、自社ものも買い入れたものも、ワイン造りの職人的な意識を強く持って、いいワインを作り続けていきたいという。最近は「ワイン・スペクテイター」でも、90点台を連発するなど、評価を上げてきている。

セラーはフランス革命で払い下げられたジャコバン派の修道院
セラーはフランス革命で払い下げられたジャコバン派の修道院
歴史遺産ともいえる古酒のストック。ボーヌ最古のメゾンというだけある
歴史遺産ともいえる古酒のストック。ボーヌ最古のメゾンというだけある
1858年のシャンベルタンも残っている

1858年のシャンベルタンも残っている

bourgognewinery04_06

ドメーヌのおすすめワイン、左から
シャブリ・プルミエ・クリュ・フルショーメ
コルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュ
ペルナン・ヴェルジュレス・レ・フィショ・プルミエ・クリュ
コルトン・グラン・クリュ

Maison Champy

この記事は、ワインカルチャーを語るWEBマガジン「Wine & Story」から記事提供を受けて掲載しています