TOTOSK KITCHEN Vol. 21 サフランサフランで作る黄金パン、
スウェーデンのルッセカット

(2013.12.09)
写真/黒澤義教
みなさん、お元気ですか。
あっ!という間に2013年も残りわずかですね。
街のイルミネーションがクリスマスムードを盛り上げています。
皆さんにとって2013年はどんな年でしたか?
私はやはりカフェを再開できたことが一番大きな出来事です。
新しいトトスクキッチンでまた多くの人たちと出会うことができたことに感謝しています。
2013年最後のレシピは、以前スウェーデンの友人にリクエストされたlussekatt (ルッセカット)です。
12月13日の聖ルチア祭に合わせて食べられるパンで、サフランを使います。
紅葉したイチョウの葉のような黄色で、形もかわいくてお気に入りになりました。
寒い季節に、サフランの香りとふわふわな食感に心が温かくなること間違いなしです。

♠サフラン料理に合わせたい「ヨハン・クリスター・シュッツの音楽」 by 吉本 宏

 

一輪の花から3本のめしべしか取れない、高価なスパイス、サフラン。

サフランはその華やかで独特の香り(これが非常に言い表しにくい香りなのです…)と、お湯に溶け出す鮮やかな黄色が特徴です。少量で驚くほど色が出るので、お料理の色付けに使われます。原産国は地中海沿岸で、最初に栽培されたのがギリシャと言われています。

サフランはアヤメ科の花で、秋に細長い葉を出して薄紫色の花を咲かせます。この花のめしべを乾燥させたものがスパイスとしてのサフランになります。一つの花に黄色いおしべと赤い3本のめしべがあり、めしべのみを丁寧に取り分けて摘み、すばやく乾燥させてつくられます。サフランを1g収穫するのに300本ほどのめしべが必要なので、気の遠くなる作業です。そのためサフランはとても高価です。

パエリアやブイヤベースにはかかせないサフランですが、とても高価なため、「スタッフにお声がけ下さい」とストックヤードに仕舞われているお店もあるほどです。ちなみに、おしべも着色料として使われますが、香りが無いそうです。

古代ギリシャやローマでは香水として使っていたそうです。また、この綺麗な黄色が珍重され王族だけが使うロイヤルカラーとされていたことも。サフランという名前は、「黄色」を意味するアラビア語「zafran」に由来するそうです。

現在サフランの生産量の80%はイランとスペインですが、日本でも栽培されています。江戸時代に漢方薬として伝わり、国内生産の80%は大分県竹田市で生産され特産品となっています。

サフランには、生理痛、生理不順、冷え性、更年期障害をやわらげるといった女性にうれしい効き目があるようです。サフランは細くなった血管を広げる働きもあり、血液をサラサラにし体全体の血の巡りを促進する効果があるということで、デトックス効果も期待できるとのこと。

サフラン
サフラン
ルッセカット

サフランをぬるま湯30mlに10分ほど浸しておく
サフランをぬるま湯30mlに10分ほど浸しておく
 

材料4人分
サフラン 0.3g
ドライイースト 大さじ1
砂糖 70g
塩 3g
バター 50g
牛乳 160g
ヨーグルト 80g
薄力粉160g
強力粉 240g

(トッピング)
レーズン 適宜
溶き卵

作り方
1.小鍋に、浸しておいたサフラン、バター、牛乳を入れ人肌に温める。
2. 火からおろしヨーグルトを加え混ぜる。(①)
3. 大きなボールに振るった薄力粉を入れ中心を凹ませ、そこにドライイースト、砂糖を入れ①を少しずつ入れながら中心部から木べらで混ぜる。(②)
4. ②に振るった強力粉を3回に分けて入れ、木べらで混ぜひとかたまりにする。(③)
5. 台に取り出し5分ほどよくこねる。(④)
6. ④の表面がつるつるになってきたら、一つに丸め綴じ目を下にして上に打ち粉を振るい②で使用したボールをかぶせて30分おく。
7. 2倍ほどに膨らんだら、ガス抜きをする。(グーパンチ)
8. スケッパーなどで8等分し、丸める。
9. まるめたものを30㎝ほどの紐状にのばす。
10. S字やハート型などお好みの形に成形する。
11. 天板の上に並べ、トッピングのレーズンをのせ、ラップをかけて30分おく。
12. 膨らんだ生地に卵液を塗り、240℃のオーブンで10分ほど焼く。

1.小鍋に、浸しておいたサフラン、バター、牛乳を入れ人肌に温める。2. 火からおろしヨーグルトを加え混ぜる。(①)
3. 大きなボールに振るった薄力粉を入れ中心を凹ませ、そこにドライイースト、砂糖を入れ①を少しずつ入れながら中心部から木べらで混ぜる。(②)4. ②に振るった強力粉を3回に分けて入れ、木べらで混ぜひとかたまりにする。(③)
5. 台に取り出し5分ほどよくこねる。(④)6. ④の表面がつるつるになってきたら、一つに丸め綴じ目を下にして上に打ち粉を振るい②で使用したボールをかぶせて30分おく。
7. 2倍ほどに膨らんだら、ガス抜きをする。(グーパンチ)8. スケッパーなどで8等分し、丸める。
9. まるめたものを30㎝ほどの紐状にのばす。10. S字やハート型などお好みの形に成形する。(①)
11. 天板の上に並べ、トッピングのレーズンをのせ、ラップをかけて30分おく。12. 膨らんだ生地に卵液を塗り、240℃のオーブンで10分ほど焼く。
お土産でもらったらすぐに使いましょう。

サフランはぬるま湯に浸し十分に色を出しておかないと綺麗な黄色のパンができません。この黄色は、クロシンという人参などに含まれるカテロイド系の色素で、日にあたると半減してしまうそうです。なるべく空気に触れない容器か密閉袋に入れて光の当らない場所で保管するのがよいそうです。

海外の旅行でもらったりして引き出しの奥にありませんか? 早く使ってしまいましょう。ハーブティーとして飲んでもいいですね!

12月13日の聖ルチア祭に食べられる菓子パンlussekatt (ルッセカット)聖ルチア祭に食べられる菓子パンlussekatt (ルッセカット)

エヴァー・グリーンに輝くヨハン・クリスター・シュッツの音楽

 
17_Johan Christer Schutz Beautiful Placeラテン語の“光”を語源とするルチア。その聖ルチア祭の行事に食べられるルッセカットをエリさんにリクエストしたのはスウェーデンのシンガー・ソングライターのヨハン・クリスター・シュッツです。

彼は、2007年に初めて日本を訪れてから日本のことが大好きになり、やがて日本で暮らすようになりました。ヨハンは、僕たち音楽仲間との交流を通じてトトスク・キッチンのお店でライヴ演奏をしてくれたこともあります。

彼はとても礼儀正しく繊細な感受性をもった優しい青年で、しゃべるときには少しはにかむような表情や人なつっこい笑顔を見せます。そんな彼の人柄を映した音楽は、キラキラとした“光”のようにエヴァー・グリーンの輝きに満ちています。デビューから5作目となる本作は、彼のメロディー・メイカーとしてのポップ・センスとアコースティック・ギターを柔らかく爪弾く繊細さがひとつになった素敵なアルバムです。

冬の季節には、彼自身のピアノによる「From Here」や、彼の優しさがにじみでた「I Learned to Be Me」がじわりと心に沁みてきます。“雲を見て自由であることを知った。僕が僕であることを知った”。彼の歌を聴いているといつも前向きな“希望”が芽生えてきます。 今年もよい音楽に囲まれた1年でした。   

文/吉本 宏

Johan Christer Schütz / Beautiful Place
Beautiful Placeの試聴はこちらから

TOTOSK KITCHEN
手作りの味を大切にし、食べるとちょっと幸せになるお料理をつくっていきたいと思います。
デリ/カフェ&レストラン/ケータリング/製菓/キッチンスタジオ
場所:文京区水道2-8-3 1F(江戸川橋3番出口/大きな道路を渡って華水橋信号門)
連絡先:totoskkitchen [at] gmail.com ( [at] を@に替えてメールしてください)
Deli
OPEN : 水〜金曜9:00〜17:00 土曜11:00〜17:00
スープセット¥680、ランチ¥850、コーヒー¥400
On the table
■Afternoon Tea set (3日前予約)
アフタヌーンティーセット(2〜10名様)1名¥2,000(ドリンクおかわりOK)
■Dinner & Party 貸切り(1週間前予約)
着席(6〜10名様)1名 ¥4,000〜
立食(15〜20名様)1名¥2,500〜(フィンガーフード)
*ドリンク持ち込み可(グラス使用料1名300円) *自家製サングリア(要予約) *自然ワインを中心にご用意いたします。

Take away
■ Anniversary cake 記念日のケーキ(3日前予約)
15㎝(4〜6人分)¥2,000〜 / ボストンケーキ 15cm¥1,800〜
☆ウェディングケーキほか、お気軽にご相談下さい。
■結婚式の引き菓子、発表会など特別な日のプレゼント菓子(2週間前予約)