TOTOSK KITCHEN Vol. 25
エルブ・ド・プロヴァンス3種のチーズを使った
スフレ・ド・プロヴァンス。
(2014.04.22)
みなさん、こんにちは。
あっという間に桜前線が北に進んでしまいましたね。
先日、お店近くの神田川添いを散歩しました。満開の桜に、川沿いの公園は花見客で大盛況。みんなとっても楽しそうで、わたしもなんだかウキウキしちゃいました。
この季節の柔らかな日差しに温暖なプロヴァンス地方を連想しました。(行ったこと無いけど笑)
そこで今回は、フランスのプロヴァンス地方でよく使われるミックスハーブを使ったチーズスフレをご紹介します。このスフレはとてもワインに合います。少しずつ日が長くなってくるこれからの季節、家族や友人とグラスを傾けながらアペリティフタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか?
♠エルブ・ド・プロヴァンス料理に合うステファン・グラッペリの音楽
家庭ごとにブレンドが違う、プロヴァンス地方のミックスハーブ。
プロヴァンス風のインテリアやプロヴァンス風○○という料理名をよく目にします。日本人はプロヴァンス風という響きに弱いのかも。プロヴァンス地方は晴天の日が多く湿度が低い地中海性気候で、1年を通じて暖かいのです。暖かな陽光が降り注ぐプロヴァンス地方の生活って憧れてしまいます!
プロヴァンス風料理の特徴は、オリーブオイル、にんにくとハーブなどを加えた料理であること。そして地中海に接していることから、魚介を使った料理が多くあるのも特徴の一つです。ハーブを多く使うプロヴァンス地方では古くから、庭に自生しているさまざまなハーブを摘んで乾燥させ、その家独自のミックスハーブを常備していたそうです。
今回使用するエルブ・ド・プロヴァンスは、上品で複雑な香味を持ち、洋風の料理を本格的にしてくれる魔法のハーブです。南仏でよく使われる数種類の乾燥ハーブをバランスよくブレンドした独特のミックスハーブとして、日本でも販売されています。ちなみにフレッシュなハーブを3、4種類刻んだものをフィーヌゼルブといいます。
ブレンドにはこれといった決まりがないので、販売されているエルブ・ド・プロヴァンスは、会社ごとにハーブ&スパイスの配合が異なります。今回使用した配合は、オレガノ26%、ローズマリー26%、セイボリー26%、タイム19%、バジル3%というフランス産のものです。数種類ミックスすることでそれぞれのハーブのクセが抑えられ、マイルドで奥深い味わいになります。
プロヴァンス地方には、石灰岩質の土壌が多くあります。そこには石灰岩質に耐える芳香性の低木、ラベンダー、セージ、ローズマリー、タイムなどが自生しています。またこの土壌は葡萄を育てるのにも適しています。だからワインもおいしいんですね!
おいしいおいしいワインを冷やしたら、ぜひ今回のスフレを作ってみてください。
スフレ・ド・プロヴァンス 材料4人分
卵 4個(卵黄、卵白に分ける)
アーモンドプードル 50g
グリュイエルチーズ 50g
チェダーチーズ 30g
パルミジャーノレッジャーノ(パルメザンチーズでもよい) 20g
生クリーム 200ml
砂糖 4つまみ
バター 適宜
1.ココット皿やカップにクリーム状にしたバターを塗る。(手やハケで)
2.フードプロセッサーに全てのチーズを入れ粉々にする。
3.さらにアーモンドプードル、卵黄、エルブ・ド・プロヴァンス、生クリームを入れ、なめらかになるまで攪拌する。
4.大きなボールに卵白と砂糖を入れ、ハンドミキサーで逆さまにしてもだれないくらいよく泡立てます。
5.4に3を入れハンドミキサーで軽くまぜ、なめらかな状態にする。
6. ココット皿に8分目まで注ぎ入れる。
7.180℃に予熱しておいたオーブンで18〜20分焼く。(表面がきつね色程度)
(作り方写真は、右矢印をクリック/スマホの方はスワイプして見てください)
いつものレシピにひとふり加えるだけであなたもお料理上手。
わたしはエルブ・ド・プロヴァンスをさまざまな料理に使っています。何種類もの小瓶を調理台に出さずにこれ1本で済むし、何といっても絶妙なバランスで調合されているので、何も考えずにふりふりしてもOK!なところが使いやすくていいです。
塩こしょうをした肉、魚、野菜にエルブ・ド・プロヴァンスとオリーブオイルを振り掛けてオーブンへ入れるだけでプロヴァンス風料理の完成! なんて簡単! ちなみに私はラタトゥユやスープに入れるのが好きです。ちなみに、完成した料理にふりふりしても意味がありませんので注意ですよ。
上級者さんは、ご自分の好きなハーブを調合してストックしておくといいですね! ローズマリー、タイム、オレガノ、セージ、セイボリー、マージョラム、フェンネルシード、ラベンダー、バジル、ローレルなどからチョイスすると上手くいくと思います!
「一家に一瓶」常備しておくとイザという時の救世主となることでしょう。
“5月の南仏”といえば、真っ先に思い浮かべる映画があります。
それは、フランスの名匠ルイ・マル監督が、フランス南西地方の溢れんばかりの緑を舞台に、ある家族のできごとを描いた『5月のミル』(1991年)です。
音楽を手がけたのは、陽光に包まれた南仏の野山に風を吹かせるヴァイオリンの名手ステファン・グラッペリです。その駆けだしてしまいそうな軽快なスウィングに、映画のオープニング・タイトルの自転車が走り出すシーンから、思わず身体を揺らしてしまいます。
彼ならではの鮮やかなヴァイオリンの音色は、太陽の光線と風を集めるように軽やかに響き、主人公のミル(ミシェル・ピコリ)を温かなまなざしで見守ります。彼の音楽によって『5月のミル』は、その新緑の季節を瑞々しく人々の記憶に残します。
エルブ・ド・プロヴァンスは、フランス南東に位置するプロヴァンス地方で育つ緑のハーブをブレンドしたものですが、そのハーブをつかった料理が並ぶにぎやかなテーブルにも、ステファン・グラッペリの音楽に誘われて、同じような陽が射しこみ、爽やかな風が吹くことでしょう。
Stéphane Grappelli / Milou en Mai (Bande Originale Du Film)
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