自然派ワインとおいしいごはん、
自由に楽しむ渋谷『リベルタン』。

(2011.04.29)

2人のリベルタン(自由人)が作った小さなお店。
オープンから2カ月でにぎわいが途絶えない店に。

『ル・キャバレ』で3年、その後『レジドア』で3年、シェフを務めた紫藤(しとう)喜則さんが、念願の自分のお店を作ることになったとき、一緒に働いていたサービスのケニヤ(柴山健矢)さんが一緒に参加することに。物件探しから数カ月、バレンタインデーに、文字通り隠れ家なシチュエーションの2人の新しい砦が完成しました。

「ビストロとか、フレンチとか、形にとらわれたくなかったので店名もシンプルに“リベルタン”だけにしたんです。お料理をスピーディに出したいので、焼くだけのようにシンプルなものが中心です。シンプルにすると食材の良さが大事になるので、いい素材を選んでます」と紫藤さん。

けれどもちろん今までのキャリアから誕生するお料理は、フランスのクラシックなビストロ料理が中心。パテ・ド・カンパーニュ、クリュディテ、豚肉のリエット、鴨のコンフィ、カイエット、シュークルートなど。そしてそのボリュームも、本場フランス人も真っ青の大きさ。シェアを楽しむこと大前提で出かける方がいいかもしれません。

黒板にフランス語と日本語で書かれたメニューの中から、「ゆでたてアスパラとインゲンのソテー」を選ぶと「当たり」と紫藤さん。これは「毎日メニューの中に、採算度外視のお得メニューをひとつ仕込んで、運良くそれを注文した人に楽しんでほしい」という遊び心。登場したのは今が旬のホワイトアスパラとグリーンアスパラがたっぷりと盛られた一品。旬をたっぷりと楽しめました。




ボトルで楽しむ自然派ワイン。

もうひとつの魅力が自然派のワイン。フランスの若い造り手のワインを中心に、日本やイタリアのものも少々というラインナップ。サービス担当のケニヤさんは自然派ワインにはまってまだ1年ほど、けれど紫藤さんとともに渋谷や乃木坂の友だちやワイン仲間と交遊を深めるうちすっかりとその味の虜に。

「有名な自然派ワインは先輩たちのお店にあるので、なるべくマイナーなものを探すようにしています」と、見せてくれたのは、ドイツ出身の造り手さんがラングドックでつくるカリニャン主体のワインやオーヴェルニュ地方のシャルドネ、ニュイ・ブランシュなど。けれど、もちろん人気の高いピュズラ系やシャソルネイ、クルトワなども欠かさずスタンバイ。

ワインリストはないけれど、おすすめは?と聞けばすぐに4、5本のワインを取り出して、1本ずつじっくりと説明をしてくれるケニヤさんのサービスは、ワインを知っている人にも知らない人にも響く気持ちいいスタイルです。


カジュアルなのにきめ細か。心地いい時間を求めて。

注文を受けた紫藤さん、壁を見ながら腰に手を当てしばし静止。やにわに冷蔵庫を開けてサラダを作り始めました。何を考えていたのかというと、お客さんのオーダーに合わせる付け合わせ。たとえば、鴨のコンフィは本来サラダが付け合わせだけど、お客さんがすでに同じサラダを注文している場合は、違うものを合わせます。注文したお料理と付け合わせすべてがかぶらないよう即興的に対応します。

そんなさりげない気配りと手酌&シェアで気ままに食べるカジュアルスタイル、2つがうまく混ざり合ってゆるゆるとした楽しい時間を作ってくれます。本日のメニューの「当たり」を探して仲間と一緒に出かけてみませんか?




Libertin(リベルタン)

Tel:03-6418-4885
住所:東京都渋谷区渋谷1-22-6 伊藤ビル1F
営業:19:00〜翌2:00(温かい料理のLO 23:00)日・祝日定休
予約できます。