ほろ酔い倶楽部 - 10 - 極上のカバ「Recaredo(レカレド)」。

(2010.06.10)
Recaredo Brut de Brut, Brut Nature 1998

昨今の「泡」ブームの中、スペインのスパークリングワイン「カバ」も日本に輸入される量がとても増えてきて、人気も急上昇です。そこで皆さんに「極上のカバ」をお知らせしたいと思い、先だって新橋のイタリアン『オステリア・モンテマーレ・トットリーネ OSTERIA Monte-Mare TOTTORINE』で密かに行ったワイン会の様子をレポートさせていただきます!

前菜のテリーヌ。
タコのパスタ。
トトリコ豚。
イチゴのデザート。

この会の参加者は、合計7名。うち男性は2名。どうやら美味なる泡ものは美女たちを呼び寄せる魔力があるようで(笑)。

まず、ちびちび飲み始めながら、こんな情報をお伝えしておきました。
「このレカレドは、シャンパーニュでいうところのレコルタン・マニピュラン=RM=自社畑のぶどうだけを使用して造っているメゾンで、本当にこだわりをもった造り手さんです。そのこだわり具合と……」。

*創業以来、80年以上に亘って「ブリュット・ナチュレ=ノン・ドザージュ(瓶内二次発酵の後、通常は澱を取り除く際に目減り分を糖分の含んだリキュールで行い甘味調整をするが、それをしないこと)」のみを造り続けてきた。
*一次醗酵に小樽を使用(スタンダードの「レセルバ」にはステンレスも使用/シャンパーニュでも小樽発酵は少ないですね)。
*瓶内熟成中の封はすべてコルク(瓶熟成はスタンダードで21ヶ月/瓶内熟成をコルクで行っている蔵は、シャンパーニュでも極少です)。
*動瓶も口抜きも、すべて手作業(生産量が少ないからできることでもある)。
*栽培は有機的(ぶどうの平均樹齢30年。1940年代に植樹したものも現存!)。
*トップ・キュヴェの「レセルバ・パルティコラ」の瓶熟成は7~8年。

 こんな話をしましたら、皆さん、結構神妙な顔つきで飲み始められ……

1−Recaredo Gran Reserva, Brut Nature 2002

  レカレド グラン・レセルバ ブリュット・ナチュレ
(スタンダードの「レセルバ」よりひとつ格上のクラス)
(マカベオ、チャレロ、シャルドネ、3品種を、小樽醗酵)

Recaredo Gran Reserva, Brut Nature 2002

「ちょっと樽のような香りがするね」とのご感想。
確かにトースティーな香ばしい香りがしておりました。ただ、これは「樽」を使って発酵させたから出て来る香りではなくて、熟成によって出てくる香りなのでした。まだフレッシュに感じられる梅にも似た果実系の香りと、ほどよく融合していました。

2−Recaredo Gran Reserva, Brut Nature 1999

同じグラン・レセルバでもヴィンテージが異なると、様相もまた変わります。より重厚な香りと味わい!

3−Recaredo Brut de Brut, Brut Nature 2001

 レカレド ブリュット・ド・ブリュット ブリュット・ナチュレ
(グラン・レセルバより更にひとつ格上のクラス。でも、トップ・キュヴェではありません。一番上のキュヴェは、数が少なすぎて未輸入なのです)
(マカベオ約40%、チャレロ60%を、小樽発酵)

4−Recaredo Brut de Brut, Brut Nature 1998

ここまで飲み進んで、こんな発言が出てきました。
「これ、知らないで飲んだら、絶対シャンパーニュだと思うよね!」
そうなのです。ぶどう品種はもちろん、立地条件も異なるのですが、手をかけて造られ、更に熟成を経て、素晴らしく複雑性が現れると「上質」という意味でシャンパーニュの上級クラスに匹敵する味わいです。

あるワイン関係者の人と、「レカレドは、カバの中の『クリュッグ』あるいは『サロン』か!? 」という件で、今度話をしようと約束しています。ちなみに私の見解としましては、『クリュッグ』の存在に近いと考えているのでした。

是非、探して飲んでみてください!

【おまけ】

vintages guides: 2000 excellent, 2001 very good, 2002 very good, 2003 good, 2004 good,2005 very good, 2006 excellent, 2007 very good?
1998 とてもよかった!(by Recaredo)
1999 雹が降り、収穫量減 (by Recaredo)

【おまけ2】

済みません。もうひとつ忘れておりました。当日参加してくださった某男性が、ちょうどヨーロッパ出張から帰国されたばかりで、1本お土産にカバを持って来てくださいました。
それは、Jaume Codorniu Brut。裏ラベルによりますと、カバの代表的な3品種、マカベオ,チャレロ,パレリャーダのうち、パレリャーダの比率が非常に高いものでした。この品種は、標高が高い立地で栽培されるとアロマティックな香りが出てくると聞いていましたが、まさにこれはそうでした!とてもフレッシュでフローラルな香り。こちらも、是非探してみてください。

Jaume Codorniu Brut

【お店情報】
鳥取県の食材を使用したイタリアンレストラン @汐留よりの新橋
オステリア・モンテマーレ・トットリーネ 
OSTERIA Monte-Mare TOTTORINE
TEL: 03−5537−2558
http://www.tottori-plaza.jp/tottori_plaza/MONTE-MARE.html

【輸入元さん情報】
アビス・ジュニア
http://abisjr.com/

【筆者twitter アカウント】
名越康子
@hereyakko

筆者プロフィール

名越康子(なごし・やすこ)

ワインライター&鳥取のPR。マガジンハウスをはじめ、ワイナート(美術出版社)、世界の名酒事典(講談社)、エル・ア・ターブル(アシェット婦人画報社)などで活躍中のワインライターを務める傍ら、2年ほど前から出身地である鳥取県の美味しいもののPRに携わっている。新橋の「食のみやこ鳥取プラザ」の2階にあるイタリアン『オステリア・モンテマーレ・トットリーネ』 http://www.tottori-plaza.jp/tottori_plaza/MONTE-MARE.htmlもプロデュース。「こんな美味しいものが鳥取にもあったんだ~」という発見の多い毎日を送っている。これから続々出荷されるブランドトマトはじめ夏野菜、今が旬の「天然」「生」の本マグロ、もうすぐ届くスイカなど、愉しみがいっぱい! ちなみに、相方は日本を代表するワインライターの柳忠之。