コツは「水切り」! ヨーグルトをいただく新しく楽しい方法とは。
(2010.03.25)ヨーグルトって、いつ食べている? 朝食の時? 他には…? それ以外には思いつかないという方が多いのではないだろうか。今回、ヨーグルトを、食材そして調味料ととらえて活用しようというセミナーに行ってきた。
会場は、ここが日本唯一というブルガリアンダイニング「ソフィア」。講師はグー先生こと林幸子先生。得意なジャンルは? と聞かれると「酒の肴」と答える先生だが、著書多数、テレビやラジオにも登場する実力派である。
先生によると、ヨーグルトを食材として使う最大の方法は「水切り」。乳清(ヨーグルトのパックを開けたときに混じっている水のようなもの。ホエーともよばれる)を切ると、だんだんクリームチーズ状に変化していくのだ。
林先生いわく、「3〜5時間置くとディップにちょうどいい固さに、1日置くとクリームチーズ状になる」とのこと。
水切りは簡単。キッチンペーパーやコーヒー用のペーパードリップでできる。コツは、ペーパーの上にヨーグルトを落とす前によくかき混ぜること。ふだんそのまま食べるときも、よくかきまぜて食べた方がいいそうだ。
セミナーでは、今すくったばかりのヨーグルト、3時間水切りしたもの、一晩水切りしたものをテイスティングした。乳清がなくなって固さが違うだけで、まるで違う食感! ほかにも脂肪ゼロヨーグルトのプレーンと3時間水切りタイプも試食。食感にはさほど違いがないので、カロリーが気になる人はこちらを使うのも手。
とはいえ、ヨーグルトはクリームチーズのカロリーの1/5しかないのだそう! 知らなかった。しかも乳酸菌がたっぷり、そしてカルシウムの吸収率がいいヨーグルトは、美容と健康を助ける食材というわけだ。
さて、これから水切りをしたヨーグルトを食材として使うわけだが、乳清はどうすればいいのですか、先生?
「私は炭酸で割って飲むのが好きです。焼酎で割るのもいい。いらないもの、として捨てるのではなく、利用してほしい」
今回は、乳清そのもの(酸っぱい)とそれを牛乳で割ったもの(まろやか)を飲み比べてみた。
さて、いよいよアレンジの始まり。「水切りをしたヨーグルトはカロリーの低いサワークリーム、クリームチーズと考えると食材として理解しやすい」と先生。
まずは3時間水切りしたヨーグルトを使い、梅、カツオとバジルを混ぜたディップと、すり下ろしたニンニク、塩、サクラエビ、ローズマリー、ミントを混ぜたディップの2種をパンやクラッカーにつけながら試食。美味! これらのディップの作り方は『ごちそうおつまみ』(二見書房)という先生の本に掲載されているそうなので、作ってみたい方は要チェック!
次は「酢を使わないヨーグルトサンラー麺」。ヨーグルトの酸味が苦手という人が多いので、あえてその酸味を活かす料理として林先生が考案した料理だ。4人分にプレーンヨーグルト1カップを目安に入れる。ヨーグルトは60℃以上で分離してしまうので、片栗粉でとろみをつけて、溶き卵のように見せるのがワザ。こちらも、酸味が強すぎず、お酢のようにつんとする香りもなく、さらさらといただけた。
ほかにも、林先生はヨーグルトを混ぜたぬか床でぬか漬けを作るなど、普段からかなり活用しているのだとか。
ちなみにブルガリアには、ヨーグルトを同量の水で割り、塩ひとつまみを加えてカクハンする「アイリャン」というドリンクがある。想像つかない飲み方だ…。今回は、それにジンジャーシロップを混ぜたジンジャーヨーグルトドリンク、水切りしたヨーグルトにニンニクとキュウリとディルを混ぜた「スネジャンカ」と呼ばれる料理、マスカルポーネの代わりに水切りヨーグルトを使ったティラミスなど、お店のメニューも試食させていただいた。