思い立ったらOpenTableでリザーブ! 遅い時間もしっかり料理が味わえる!? 銀座の夜更けは『アナスティア』へ。

(2010.12.09)
深川飯風リゾット。塩梅良くアルデンテに仕上がる大粒の五百万国(酒米)使用。トマトの酸味とキュウリの食感、あさりのだしが絶妙な調和。熱々を是非!
中央にコの字のカウンターが配された店内は人との程よい距離感が居心地良し。

「気軽」というのは世の中にある魅力のひとつ。気が重いよりはもちろん気が軽い方がいいに決まっているわけで。すると、心にも隙間ができ、神様の投げキッスのような幸運なチャンスだってキャッチしやすいというもの。だから、ほんと、何事も軽やかにいきましょう。

ということで、今回は、急な約束でもノリよく店を決めることが叶うレストラン専用予約サイトを使ってみよう。私たちと店を繋ぐコンシェルジュに携帯電話からも片手でアクセス、15分前まで予約可能という「オープンテーブル」を使えば、素敵なご縁もきっとスムースに。

 

頬に触れたビル風がひんやりとした。仕事モードから解き放たれ、埋もれていた五感が戻ってくるのを感じた瞬間。視界に映る世界も広がり、ビルの合間に月を見つけた。すっかり夜も更けて時計は21時過ぎ。友人を呼び出すにはしのびない時間だし(偶然近くにいたらいいけれど)今日は1人で過ごしてみるかという気持ちになる。こちらは、心が動き始めた瞬間。そして思い浮かんだのは、あの店。

女性シェフによる前菜皿。キュートな盛りつけの中に、エゾ鹿や旬の果物類など発想豊かな食材の使い方が映える。
オーナーシェフの大原潔氏。オープンキッチンから見える臨場感溢れる愛のある仕事ぶりからも食材を大切にする姿勢が。
オリーブやオレガノを生地に練り込む等の工夫の凝らされた自家製パン。各相性の良い料理もありそんな発見も楽しみ。

銀座2丁目という好立地のビルの地階に位置する『アナスティア』は、毎朝市場に足を運ぶというシェフにより、選び抜かれた江戸前鮮魚や旬菜が活き活きと揃う、ちょっとしたカウンター割烹の趣感じるイタリア料理店。おすすめは本日のブログでチェック済み。その場で「オープンテーブル」にアクセスすれば席の空きもしっかり確認でき、即座に予約を入れることができた。
 

程よく冷えた白は手前がヴェネトのクストーザビアンコ。トレビアーノ、ガルガネガ、フェルナンダ種を各々の手法にて熟成後ブレンドされた複雑味が。奥はマルケのペコリーノ。
手前はモリーゼロッソ。奥はプーリアのモンテプルチアーノ。両者単独でも楽しめそうな一杯。ほか、食後酒やドルチェワインも揃い、夜更けにデザート&お酒の愉しみも。

 

釜炊きしらすのココット料理はふっくら芳醇、日本古来の万能薬とされたちしゃ菜と共に。シチリア産オレンジ風味のオリーブオイルが香りを添えて。

イタリア各地のワインのこだわりが光るラインナップも定評のこの店は、21時以降になるとバー使いが楽しめるという。とはいえ、ホワイトボードにずらりと書き連なるメニューを目にしたならば、料理をしっかり食べたくなるのは、私だけではないはず。だって……、その手書き文字から美味しさの誘惑が満載なんだもの。

さらにはハーフポーションでも対応してくれるというから、種類豊富に試してみることも可能だろう。あれもこれもとさんざん迷っているうちにトレビーゾの泡ものが目の前へ。透き通るほど細やかな泡が疲れたからだに染み渡った。余韻の中、肩の荷物を降ろし、身を委ね始めた私。

〆には定番メニューの深川飯風リゾットと心に決めているが、まずは女性シェフ担当の前菜からご賞味あれと差し出された。女性ならでは漂う柔らかさが、ほっとさせてくれる美しい一皿。続く料理も食材本来の持味がしっかり尊重されるシンプルな味付けばかり、一口食べればシェフの人柄も反映されてか、優しさが無限に広がるよう。幼い頃食べた「土の香りの土瓶蒸し」がメニューを考える上でのソースになっていると語るシェフ。イタリア修行時代はもとより、食の見聞を広げるべく訪ね歩いたインドやエジプトなどへの旅の話も飛び出し、食事の場の楽しさもいっそう際だった。

女子同士の計画をしたいとき、はたまた残業でどっぷり疲れてひとりになりたい男性も、『アナスティア』はどんなシチュエーションでもきっとふわりと受け入れてくれる。総勢4名でサービスされる店内には、もてなしの心が丁寧に配られていた。その小さな光を見つけたあなたは、きっと幸福感で満たされるだろう。

街のショーウィンドウはクリスマスへと様変わり。途中耳にしたジングルベルの音色や外気の冷たさも誘い水になり、誰かと一緒にいたい季節の到来だ。今度は、あの人と来ようか。
 

しっかりとした味わいが特徴の信州産鞍掛豆とマンボウの腸のトマト煮(左)と甘エビのドライトマトとケッパーで和えた(右)ブルスケッタ2種。
鮮魚が揃う日は是非盛り合わせで。北海道鵡川産シシャモに、新鮮さを誇る鯖は塩だけでしめられるなど。手前はインドのマスタードオイルが。

 

手打ちのフェレッティーはキノコと栗のソースで今宵は頂く。黒だけ、よめなだけなど、複雑に交じるそれぞれのキノコの風味がリズムを生み、それに絡むコシの効いたパスタもまた口福な驚きをもたらす一品。
話題のハンガリーの珠玉、完全放牧国宝豚「マンガリッツァ豚」もさりげなくメニューに華を添える。一口ほおばれば肉の甘さがじんわり広がりなんとも幸せ。脂身にも品格漂いかなり美味!

  

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