ブルゴーニュ注目ワイナリー – 7 –ドメーヌ・シュヴロ・エ・フィス
マランジェの注目ドメーヌ

(2014.05.26)
マランジェの丘の上のシュブロの畑
マランジェの丘の上のシュブロの畑
ブルゴーニュでのワイン造りの夢を実現

マランジェといっても馴染みがないが、1989年に認定された新しいAOCである。エリアは、コート・ドールの最南端、一部ソーヌ・エ・ロワール県にはみ出している。このドメーヌ・シュヴロは、そんなマイナー・エリアにあるが、いくつかの点で有名なドメーヌである。ひとつはオーナー家族のパブロ・シュヴロさんが日本人のかおりさんと結婚していること。ブルゴーニュでワインを学ぶ日本人は少なくないが、ドメーヌに嫁いだのはこちらのシュヴロかおりさんとドメーヌ・シモン・ビーズのビーズ千砂さんぐらいだろう。かおりさんは、元JALのCAで在職中にシニア・ソムリエの資格を取り、ボルドー大学の醸造学科に留学。そこでパブロさんと出会った。現在は輸出とPRを担当している。

もうひとつの特徴は、畑の耕作に馬を使うこと。馬を使うドメーヌは珍しいが、ビオの考え方の浸透もあって実は少しずつ増えている。そのためにレンタル馬の会社があり、ここでも必要に応じて借りて使っている。馬でのすき入れは機械に比べて、土が適度に掘り起こされてフカフカの状態になり、陽光と窒素の取り込みが進み、根がミネラルを吸収するのに必要なバクテリアが活性化するという。そうして畑での工夫を重ねるのが、ここのスタイルだ。畑は2008年からビオの認証も受けている。

ドメーヌ・シェヴロは、マランジェに10ヘクタール、隣村のサントネーに2.5ヘクタールの畑を持つ。ブドウの平均樹齢は35年、古い樹は80年にもなる。よく手入れされた畑の古い樹で、魅力的なワインができる。また、コート・ドールもこのあたりに来るとピノ・ノワールとシャルドネだけでなく、赤はガメイ、白はアリゴテの栽培も行っている。そうした品種によるワイン造りもこのドメーヌの特徴となっている。・ソムリエの資格を取り、ボルドー大学の醸造学科に留学。そこでパブロさんと出会った。現在は輸出とPRを担当している。

右からパブロさん、かおりさん、パブロさんの弟ヴァンサンさん、アンジェロ君
右からパブロさん、かおりさん、パブロさんの弟ヴァンサンさん、アンジェロ君

1798年にできた古いカーヴ
1798年にできた古いカーヴ

ドメーヌの前は樹齢45年のアリゴテの畑
ドメーヌの前は樹齢45年のアリゴテの畑

馬は細い畝の間をスキ入れするのにちょうどいい
馬は細い畝の間をスキ入れするのにちょうどいい

bourgognewinery07_06

花柄のエチケットが、シェヴロのスペシャル・キュヴェのシリーズ。ティユールは樹齢45年のアリゴテ100%、新樽も使う、熟したタイプ。ピヴォワーヌはガメイ100%、ボジョレーとは違う、普通のブルゴーニュ風の醸造法で造られたもの

ドメーヌのおすすめワイン、左から
マランジェ
ブルゴーニュ・アリゴテ・ティユール
サントネー・プルミエ・クリュ・クロ・ルソー
マランジェ・プルミエ・クリュ・ル・クロワ・モワーヌ
ブルゴーニュ・グラン・オルデイネール・ピヴォワーヌ

Domaine Chevrot et Fils



この記事は、ワインカルチャーを語るWEBマガジン「Wine & Story」から記事提供を受けて掲載しています