TOTOSK KITCHEN Vol. 17 カルダモンカルダモンの香る
パンプキンスープとごまソース

(2013.08.20)
写真/黒澤義教

みなさん、こんにちは。
どんな夏休みをお過ごしでしたでしょうか?
お盆も過ぎましたが、過ごしやすくなる季節までまだもう少しかかります。
残暑に負けないよう体調管理には気をつけて下さいね。
今回は疲労回復、整腸効果、体温を下げる働きがある
スパイスの女王、カルダモンを使ったスープとソースをご紹介します。

♠カルダモン料理に合わせたい「レイヴ・ティーザー・トリオの音楽」by 吉本 宏

スパイスの女王(the queen of spices)

カルダモンはインド原産のショウガ科で、笹やレモングラスのように地下茎から茎をたくさん出し、高さは2メートルにもなります。葉は大きいもので1メートルになるというから驚き。和名は小荳蒄(しょうずく)と言うそうです。花は緑白色で中央が紫色。果実は少し角ばった1〜3㎝の卵形をしています。果皮にはほとんど香りが無く、乾燥させると淡黄色になります。実を割ると中に10〜20粒ほどの黒く小さな種子が入っています。これがスパイスとしてのカルダモンです。

とても古くから知られるスパイスで、高貴な香りがすることから「スパイスの女王(the spice of queen )」と呼ばれています。日本ではあまり馴染みがありませんが、カレーやチャイにときどきツーンと生薬の香りがする強烈な風味の実が隠れていたりしませんか? あれです。ミョウガやショウガにレモンの香りを合わせたような独特な香りなのです。インドではカルダモンを食後に噛み、口臭予防としているそうですよ。カルダモンには、疲労回復、整腸作用、体温を下げる効果があるので、気温の高い地域の料理になどに多く使われているというのも納得です。

カルダモンは栽培、管理が難しく収穫量も限られているので、サフラン、バニラに次いで高価なスパイスです。カルダモンという名前は、カルディア(cardia=心臓)の形をしたアモーマム(amoumum=生薬)というところからきているそうです。


カルダモン
カルダモンのパンプキンスープ


外側の皮に爪で裂け目をいれるか、包丁で半分にカットしてから煮込むと香りがよく出ます。これをだし袋に入れる。
 

材料4人分
カルダモン 8粒
かぼちゃ 300g
玉ねぎ 1個
人参 1本
コンソメ 1個
オリーブオイル 大さじ3
塩 適宜
水1ℓ
牛乳 お好み

作り方
1.カボチャの皮をピーラー(包丁でもいい)で剥き、種をスプーンなどで取り、煮えやすいサイズにカットする。
2.大きな鍋にオリーブオイルを入れ、スライスした玉ねぎ、人参、塩ひとつまみ入れ、しんなりとするまで中火で炒める。
3.2に水、だし袋に入れたカルダモン、コンソメ、カボチャを入れて蓋をして中火で20分ほど煮る。
4.カボチャが柔らかくなったところで、だし袋を取り出し、ミキサーでなめらかになるまで攪拌する。お好みで牛乳を入れて完成。

カルダモンのごまソース
材料4人分
カルダモンのパウダー(粉末) 5g
練りごま 大さじ2
コンデンスミルク 小さじ2
しょうゆ 小さじ2
オリーブオイル 大さじ2


ボールにカルダモン、練りごま、コンデンスミルク、しょうゆ、オリーブオイルの順で入れ、その都度スプーンでよく混ぜる

作り方
ボールにカルダモン、練りごま、コンデンスミルク、しょうゆ、オリーブオイルの順で入れ、その都度スプーンでよく混ぜる。(濃度を薄くしたい場合は、お水を足してのばす)

葉物、根菜、肉類とも相性抜群の万能ごまソース。

スープは、温かくても冷たくしてもおいしく食べられます。残暑の厳しい間は、冷やして冷たい牛乳でのばしていただくとすっきりたのしめます。

ごまソースは、ごま和えの要領で、ほうれん草などの葉物からゴボウやレンコンなどの根菜までいろんな野菜と和えてみてください。ごま和えと“似ているけれどちょっと違う”高貴なお味になるはずです。

このソースは野菜だけでなくお肉にもよく合うので、メインのお肉料理のソースとしても使えます!

練りごまは水分を吸うので、すぐ使用しない場合は和える直前にお水でのばすと、元通りなめらかなになります。お酢でのばすとさっぱりしたソースになるのでお試し下さい。

カルダモンのほろ苦い香りはコーヒーに似ているので、中近東ではコーヒーに入れて飲まれているそうです(!) カフェインを中和する効果もあると言われています。また、シナモン、クローブなどといっしょにミルクティーに入れて煮出して、マサラティー(チャイ)にしても香りが楽しめます。ダシ袋に入れていろいろな料理や飲み物に入れ込んで、香りを楽しんでみてください。


カルダモンのパンプキンスープ

カルダモンのごまソース

端正で高貴な音色を響かせるレイヴ・ティーザー・トリオの音楽

 
ある時、とあるワイン・ビストロで食べたミョウガのピクルスにカルダモンが使われていて、その意外な相性のよさに驚き、カルダモンの高貴で魅惑的な香りの虜になりました。今回のパンプキンとカルダモン。スパイスの女王と呼ばれるだけあって、これもまた素朴な野菜をシンデレラの馬車に生まれ変わらせるような素敵な組み合わせなのです。

ニューヨークを拠点に活動を続ける、レイヴ・ティーザー・トリオのピアノは、この上なく端正で高貴な音を響かせます。彼らのトリオは、ピアノとドラムスが兄弟で、すでに数十年間も一緒に活動をしているそうです。その正三角形を描くように息のあった演奏は、お互いを知りつくした信頼関係の中からこそ生まれてくるのでしょう。

ピアニストのレイヴ・ティーザーは、このアルバムですべてオリジナル曲を書いていますが、特に「マイナー・ムード」という曲に漂う気品は素晴らしく、ゆったりと包み込むようなウッド・ベースと小気味よいブラシの上に流れるピアノの美旋律に思わず耳を奪われます。高貴さの中にひそむ”気品”というものは、その人が持つ内面性が自然に表出した時に生まれてくる個性なのだと思います。

彼の指先から生まれる気品のあるピアノの音色は、リスナーの体温をほんの少しばかり下げてくれるのです。

文/吉本 宏

Rave Tesar Trio / You Decide

TOTOSK KITCHEN
手作りの味を大切にし、食べるとちょっと幸せになるお料理をつくっていきたいと思います。
デリ/カフェ&レストラン/ケータリング/製菓/キッチンスタジオ
場所:文京区水道2-8-3 1F(江戸川橋3番出口/大きな道路を渡って華水橋信号門)
連絡先:totoskkitchen [at] gmail.com ( [at] を@に替えてメールしてください)
Deli
OPEN : 水〜金曜9:00〜17:00 土曜11:00〜17:00
スープセット¥680、ランチ¥850、コーヒー¥400
On the table
■Afternoon Tea set (3日前予約)
アフタヌーンティーセット(2〜10名様)1名¥2,000(ドリンクおかわりOK)
■Dinner & Party 貸切り(1週間前予約)
着席(6〜10名様)1名 ¥4,000〜
立食(15〜20名様)1名¥2,500〜(フィンガーフード)
*ドリンク持ち込み可(グラス使用料1名300円) *自家製サングリア(要予約) *自然ワインを中心にご用意いたします。

Take away
■ Anniversary cake 記念日のケーキ(3日前予約)
15㎝(4〜6人分)¥2,000〜 / ボストンケーキ 15cm¥1,800〜
☆ウェディングケーキほか、お気軽にご相談下さい。
■結婚式の引き菓子、発表会など特別な日のプレゼント菓子(2週間前予約)