ブルゴーニュ注目ワイナリー -1- ドメーヌ・ベルターニャ
コート・ドールのフィネスの結晶

(2014.03.31)
ベルターニャはヴージョの村の中。入口に直売所がある
ベルターニャはヴージョの村の中。入口に直売所がある
いいワインは高い。当たり前といえば当たり前だが、ブルゴーニュは高すぎるのではないか。ワイン雑誌で特集されるようなワインは簡単には味わえない。考えるべきは、値段とクオリティのバランス、だからワイン選びは難しい。いま、注目すべきは、新しいワイン造りに挑む新進気鋭の造り手、名門復活を目指す忘れられた老舗。知られざる実力派ワイナリーを探す旅。
テロワールをそのまま表現

ドメーヌ・ベルターニャは、コート・ドールのど真ん中、クロ・ド・ヴージョ城の門前にクロ・ド・ラ・ペリエールというモノポール(単独畑)を持つドメーヌだ。ヴージョ、シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュ、モレ・サン・ドニなどに、特級と1級の畑をあわせて14ヘクタール、他にオート・コート・ドゥ・ニュイにも畑を所有する。このドメーヌは1940年代後半に設立され、1982年からは、モーゼルでワイン造りを行うドイツのレー一族によって運営されている。それ以来、丁寧な仕事で品質向上に取り組んできた。1987年からは一族の女性エヴァ・レーさんが指揮している。

ワイン造りは、ビオで栽培、適葉、芽かき、剪定など、畑での仕事を重視、手摘みで厳しく選果、100%除梗してコールド・マセラシオン。赤はステンレスタンクでの発酵。新樽比率は35%、グランクリュで50%。これはブルゴーニュではごく普通、もはや古いといわれる醸造スタイルだそうだ。ベルターニャならではのワイン造りの特徴はなにかと問うと「なにもない、特徴のあるワインは造りたくない」とのこと。テロワールを素直に表現することだけを考えているのだろう。ワインは果実味あふれるタイプ。端正で、畑の素性のよさからくるフィネスを十分に感じることができる。個人的には、ブルゴーニュの中でも最も好みのタイプだ。特にプルミエ・クリュのクロ・ド・ラ・ペリエールは、傑出したワインだと思う。

クロ・ド・ブージョ城の門前にあるクロ・ド・ラ・ペリエールの門
クロ・ド・ブージョ城の門前にあるクロ・ド・ラ・ペリエールの門
クロ・ド・ラ・ペリエールの畑。他にもヴージョ村にいくつも畑を持つ
クロ・ド・ラ・ペリエールの畑。他にもヴージョ村にいくつも畑を持つ

小さめのステンレスタンクが整然とならぶ
小さめのステンレスタンクが整然とならぶ

樽は産地もローストもいろいろ、入れるワインにあわせて変えている
樽は産地もローストもいろいろ、入れるワインにあわせて変えている

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今回のテイスティングで最も感銘を受けたワイン群。畑の土地柄もあるが、これがブルゴーニュのフィネスの結晶であると思わされた

ドメーヌのおすすめワイン、左から
ヴージョ・ブラン・プルミエ・クリュ
オート・コート・ド・ニュイ
ヴージョ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・ペリエール・モノポール
ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・レ・ミュルジェ
ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ボー・モン
クロ・サン・ドニ・グラン・クリュ

Domaine Bertagna
この記事は、ワインカルチャーを語るWEBマガジン「Wine & Story」から記事提供を受けて掲載しています