フード、ワイン、大自然の魅力いっぱいカナダ、オンタリオへ!1Ms.シャーリー・ラムが案内する
トロントのネイバーフッド。

(2012.02.20)

カナダの中でも、いま注目のデスティネーション、それはオンタリオ州です。
その第一の理由は、食の充実。ギリシャ、イタリア、中国、ポルトガルなど
100以上の国をルーツにもつ人たちが、それぞれの伝統的な食文化を守っているのです。
世界的に評価の高いアイスワインの産地、
さらにナイアガラの滝など豊かな自然。
さまざまな魅力をもつオンタリオ州を、
5回にわたってリポートします。

 

人口500万人以上が暮らすカナダ最大の街トロントは、さまざまなエスニック・グループがコミュニティを形成しています。75種以上のエスニックレストランが営業されており、65紙以上の各民族の新聞が発行されているんですって。

このコミュニティ、名付けて「ネイバーフッド」といいます。日本語に訳せば隣人という意味で、その庶民的なひびきどおり、各ネイバーフッドに足を踏み入れると、インド、中国、レバノンなど、ご先祖さまのお国がらそのままの日常が繰り広げられ、軒を連ねるレストランもまさに本場の味です。

案内してくれたのは、フーディ・ツアー専門のガイド、シャーリー・ラムさん。ダウンタウンのメインストリートのスパダイナ・アヴェニューで待ち合わせました。真っ赤なダウンがよく似合う、エネルギッシュな中国系の女性です。
「トロントのダウンタウンは、時代ごとにさまざまなエスニック・グループが入ってきました。17世紀にフランスとイギリスが入植を開始、18世紀にイギリスの植民地になりました。1870年ごろにはアイルランドやウェールズ、1940年代にはハンガリーなど東欧、1950年代にはポルトガル、1970年代にはジャマイカやトリニダード・トバコなどの南米。そしていまは角を曲がれば別の国に来たように、いくつものネイバーフッドが形成されているの」

中でもケンジントン・マーケットは、もともとはユダヤ人の街でしたが、今ではヨーロッパ、南米、アフリカ系移民が住む人種のるつぼで、屋外市場やドライフルーツの専門店などがひしめいて、歩くだけで世界旅行気分。その周辺にはリトル・イタリー、チャイナタウン、グリーク・タウン(ギリシャ)、コリアン・タウン、ポーリッシュ・タウン、インディアン・バザールが賑やかに広がっています。

 

北米一の規模を誇るチャイナタウン。

安くておいしいと評判で、いつも満員の汕頭小食家(スワトウ・レストラン)の人気メニューの唐辛子入り麺。/中国系の人々は、トロントの人口の約1割を占める。旧正月にはとくに盛り上がる。中国以外にも、ベトナム、タイなどアジア系料理店も集まっている(地下鉄Bloor-Danforth lineのSpadinaまたは路面電車#505でSpadina Ave下車)

24時間眠らない街、コリアン・タウン。

日本でいえば新大久保?:キムチ、ナムル、めん類、のりなど韓国食材の宝庫。/高級ブランドが並ぶブロア通りを歩くと突如現れる韓国移民たちのコミュニティ(路面電車#506でEuclid Ave下車)。

 

色鮮やかな町並みが印象的
なインディアン・バザール。

インドだけでなくパキスタンやバングラデシュなどの人々が集まるエリア。/サリーなどの衣類や宝石を売るお店も多い。(地下鉄Bloor-Danforth lineのCoxwell下車)

 

 

トロントの台所、ケンジントン・マーケット。

チーズ専門店チーズマジック。ケベック州がチーズの名産地だが、トロント産も。白カビのWensley Dale。メープルシロップを使ったメープル・チェダーもぜひ。/ベーグルといえばモントリオールが有名、トロントもおいしいベーグル屋さんが多い。平たくモチモチ。

ヒヨコ豆でなく、大豆、空豆、ムング豆を使った独特のファラフェルのおいしさで知られるAkram’s Shoppe。なすのペースト、ババグヌーシュ、セサミシードのペースト、タヒニなども美味。/さまざまな食材を扱う店が軒を連ねる屋外マーケット。

屋外マーケットの乾物屋さん。豆、ナッツなど、安さにビックリ。メキシコ料理に使う豆、コーヒーが。/ジャマイカの食材を扱うCaribbean Corner。

おしゃれなヴィンテージ・クローズを売る店や、最先端のカフェなどが並ぶ。/スニーカーを履いたワンちゃんに遭遇。犬までオシャレ!(地下鉄Bloor-Danforth lineのSpadinaまたは路面電車#505でSpadina Ave下車)。

オンタリオ州インフォメーション

面積:106万8582km2と、カナダ第2の広さで日本の約3倍。南は、北米5大湖のスペリオール、ヒューロン、エリー、オンタリオの4つの湖、北はジェームス湾とハドソン湾に接している。
人口:1200万人(トロントは約500万人)
州都:トロント
公用語:英語(カナダの公用語は英語とフランス語)
日本からの行き方:トロント・ピアソン空港まで、エア・カナダの直行便で約12時間30分。
気候:6~8月が夏で、気温は27℃まで上昇することもあるが、北部は涼しい。9月末から紅葉の季節となり、11月に入ると急に気温が下がり、霜が降りることもある。12月から雪が降り始め、1~2月にはかなりの積雪となる。4月には雪は完全に消え、5月は色とりどりの花がいっせいに開花する。2月中は、ウィンターキャンペーン開催。
協力:カナダ観光局
   オンタリオ州観光局

All photos / Yuji Komatsu