フード、ワイン、大自然の魅力いっぱいカナダ、オンタリオへ!2オンタリオ観光局 岡田知子さんが 案内する、ナイアガラ半島の旅。
(2012.03.05)カナダの中でも、いま注目のデスティネーション、それはオンタリオ州です。
その第一の理由は、食の充実。ギリシャ、イタリア、中国、ポルトガルなど
100以上の国をルーツにもつ人たちが、それぞれの伝統的な食文化を守っているのです。
世界的に評価の高いアイスワインの産地、
さらにナイアガラの滝など豊かな自然。
さまざまな魅力をもつオンタリオ州を、
5回にわたってリポートします。
オンタリオ州最大の見どころといえば、アメリカとの国境にあるナイアガラ・フォールズ(滝)。南米のイグアス、アフリカのヴィクトリアと並んで、世界三大瀑布と呼ばれる圧倒的な迫力の滝です。そしてこの滝のあるナイアガラ半島は、近年評価の高いワイナリーが広がる、ナイアガラ・ワイン・ルートの入り口でもあります。
今回の案内人は、オンタリオ観光局で広報を担当、数え切れないほどナイアガラ半島を訪れている岡田知子さん。まずは滝にもワイン産地にも近いナイアガラ・オン・ザ・レイクの街に向かいました。
「この街は、19世紀には英国領カナダの中心だったアッパー・カナダ(現・オンタリオ州)の最初の首都として栄えたところ。いまも当時の建物が残っています。素敵なカントリー・イン(宿)も多いんですよ」
***
19世紀に建てられたマナーハウス(荘園)を改築した、チャールズ・インに荷を解いたら、なにをおいてもナイアガラ・フォールズへ。
「ナイアガラ・フォールズは、1万年ほど前の氷河期に、ナイアガラ・エスカープメントという断層が少しずつ削られて滝になったといわれています。まっすぐ下に落ちるアメリカ滝と、急カーブを描いて落下することからホースシュー(馬蹄形)の異名をもつふたつの滝で構成されています。じつはこのナイアガラ・エスカープメントが、オンタリオ湖からの風を湖畔に循環させ夏と冬の寒暖の差を生むことから、ワイン造りに最適な気候を形成するのです。ナイアガラ半島でクオリティの高いワインができるのは、それが理由なんですよ」
滝の絶好ビューポイントは、カナダ滝の真横にあるテーブル・ロック。落差52メートル、幅675メートルもある水のカタマリが、ゴォーッという爆音を放ちながら、滝つぼに落下し、水煙がシュワシュワと立ち上る様子は、神秘的ともいえる雄大さ。
テーブル・ロックは、観光案内所のある建物(テーブル・ロック・コンプレックス)に隣接。滝を裏側から見られるジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズの入り口にもなっています。エレベーターに乗ると、一気に45メートルの深さまで到達。ここが長いトンネルの始まりで、2カ所ののぞき穴から滝の裏側を見ることができるのです。トンネルを抜けた先は、滝つぼの真横にあたるバルコニー。
また、遊覧船<霧の乙女号>は、滝つぼに超接近するアトラクションで、アメリカ滝の目の前を通過して、カナダ滝の滝つぼにしばし止まってから戻ってきます。全身びしょぬれ(レインコートを貸してくれるのでご安心を)必至ですが、滝を存分に満喫できます。
さて、ナイアガラ・フォールズをたっぷり楽しんだら、チャールズ・インに戻ってディナーです。待っていたのは、オンタリオ州のワイン生産者を束ねてマーケティングを行う団体<オンタリオ・ワイン・カウンシル>のPRディレクター、マグダレーナ・カイザー・シュミットさん。すでに評価の高いラ・クロ・ジョーダンの凝縮感あるピノ・ノワール、いっぽう若手の注目株コヨーテズ・ランのミネラリティあふれるピノ・ノワールなど4種を堪能しました。ワインの話題はまた次回……..。
ナイアガラ・フォールズ キャプ
ナイアガラ・オン・ザ・レイク
チャールズ・イン
オンタリオ州インフォメーション
面積:106万8582km2と、カナダ第2の広さで日本の約3倍。南は、北米5大湖のスペリオール、ヒューロン、エリー、オンタリオの4つの湖、北はジェームス湾とハドソン湾に接している。
人口:1200万人(トロントは約500万人)
州都:トロント
公用語:英語(カナダの公用語は英語とフランス語)
日本からの行き方:トロント・ピアソン空港まで、エア・カナダの直行便で約12時間30分。
気候:6~8月が夏で、気温は27℃まで上昇することもあるが、北部は涼しい。9月末から紅葉の季節となり、11月に入ると急に気温が下がり、霜が降りることもある。12月から雪が降り始め、1~2月にはかなりの積雪となる。4月には雪は完全に消え、5月は色とりどりの花がいっせいに開花する。2月中は、ウィンターキャンペーン開催。
協力:カナダ観光局
オンタリオ州観光局
All photos / Yuji Komatsu