from 大阪 – 3 - 月に一度、大切なことを思い出す。
20回目の満月Pub大阪。

(2013.05.10)

フラッと立ち寄れる気軽な雰囲気

満月。Fullmoon。月に一度は必ずやってくる満月の夜。それにあわせて各地でいろんなイベントが催されていますが、こちら大阪でも満月の夜に行われるイベントがありました。

「満月Pub」。大阪に住んでいてワインが好き、日本酒が好き、外食が好きな方なら一度は耳にしたことがあるかもしれません。月に一度満月の夜、大阪市内の飲食店を会場にして日本酒を『杉本商店』さん、『かむなび』伊戸川さんが、そしてワインとビールを『ワインショップFUJIMARU』が担当し、そのお店の小皿料理とともに立ち飲み形式で楽しんでもらおうというイベント。300円からグラスワイン、日本酒、お店の小皿料理が楽しめるとあって、お仕事帰りの方などがフラッと立ち寄れるような気軽な雰囲気なんです。

私が大阪にきて『ワインショップFUJIMARU』で働き始めてから10カ月、2011年10月11日に靭公園そばにある『羽山料理店』さんで産声を上げた満月Pub。たまたま携わることができたのですが、まだ大阪に来て間もないころ、ここでたくさんの人に出会えたことは今でも大きな財産となっています。

そんな満月Pubですが、始まったきっかけは「月に一度はみんなで立ち止まって、大事なことを忘れないようにしよう。関心を持ち続けよう」という想いからでした。満月Pubは決してチャリティーイベントではありませんし、何かを訴えるものでもありません。ただ、大事なことを忘れないために、せめて月に一度、みんなで集まれる場所が欲しかった。ならば月に一度は必ずやってくる満月の夜、同じ空を眺めながらみんなの心も繋がっていけたら。大切な人、気のおけない友人、おいしいワイン、日本酒、お料理を前にしたら、きっと無関心ではいられないはず。

さて、次はどんな満月Pubになるのでしょうか。開催店舗のカラーによってグッと雰囲気は異なりますし、季節によってお酒のラインナップもさまざま。なによりどんなお客様が来てくれるのかが楽しみで仕方ありません。お店と、担当スタッフと、そしてお客様みんなで作っていく満月Pub。一杯からでも気軽に立ち寄れる雰囲気が最大の魅力です、もし満月の夜に大阪出張が入っていましたら、ぜひ遊びにきてください!


レアものが揃う出張ワインバー『ナジャ』


日本酒コーナーには燗酒器も

フレンチ惣菜とワインと日本酒

手探り状態で始めた満月Pubも、徐々に口コミなどでお客様が増えていきました。満月Pubの趣旨に賛同してくださる飲食店様も増え、毎月いろんなお店で開催させてもらっています。そして20回目の満月Pubは天満橋にある『usakichi(ウサキチ)』さんにて。普段はゆっくりとフランス料理が楽しめるレストランですが、満月Pubは小皿料理とお酒を気軽に楽しむ立ち飲みスタイル。フランス料理がグッと身近に感じられる一日になりそうです。

22時過ぎに会場に着くと、さすがに連休前の金曜日ということもあってお店の外まで人が溢れ出るような状況でした。なんとか身をよじらせ中に入り、まずはグラスワインを。貴重な熟成系ワイン、垂涎物なレアワインをゴキゲンな音楽とともに楽しませてくれる出張ワインバー『ナジャ』の米沢さんからいただいたのは、琵琶湖のほとりで造られるナチュラルポップライフという赤ワイン。


小皿料理といえど本格フレンチが楽しめる


イカスミのリゾットに舌鼓。興奮が隠せません

お野菜のピクルス、豚バラ肉のリエット、鯖のエスカベッシュ。わいわい賑わうなかでの300円、500円メニューですが、さすがフランス料理店による小皿料理。ビシッと味が決まっていてあっという間にワイングラスが空っぽに。それではと日本酒ブースに足を運ぶと、本格的な燗酒セットも用意されていました。リエットにもあう濃厚な燗酒、ピクルスにもいける酸の効いた純米酒。普段なかなか試すことができないマリアージュに出会えるのも満月Pubならではでしょう。

その日おすすめのワインを気軽に楽しめるワインブースには、FUJIMARUスタッフ福井がスタンバイ。リュードヴァンのシードル、タケダワイナリーの蔵王スター、ココファームの農民ロッソなどゆる~く飲める日本ワインから、南仏の親しみやすいお手頃系、ジュラのマニアックなもの、ブルゴーニュの新着などなど、幅広く楽しめるラインナップ。少しずつグラスで飲んでみることで「このワイン好き」「この香りいいね」などと会話も生まれ笑顔が広がります。


満月の夜に飲んでほしいワインをセレクト


山本杜氏デビュー作となった菊鷹も

満月Pubという空間

みんなで賑やかに楽しむ時間も24時ごろがピーク。そのあたりからは仕事を終えた飲食店の方がお店に来られ、また違った雰囲気に包まれはじめます。一般のお客様が友人同士で、あるいはお一人様で来られて三々五々に賑わっていた時間帯。満月Pubはどこか新鮮で程よい緊張感もあって、ある種のエネルギーに満ちた空間でしたが、24時以降は「まいどお疲れさま~」「最近どうです?」といったあいさつが交わされる癒しの空間に。そうそう、出張ワインバー『ナジャ』の米沢さんはDJも兼ねていて、この時間帯から流れる音楽も変わっていたような気がします。よりディープで、なんとなく内省的で、でも芯はとってもアツい感じの…。

終わり間際の午前2時、酔い覚ましに外へ出て空を見上げてみました。真ん丸い月は何事もなかったかのように、明るく輝いていました。また1カ月後にこのお月さんは、あたりまえのように輝き、私たちを照らしてくれることでしょう。たとえ平凡でも日々の穏やかな暮らしが、ずっと続くことがいかに幸せなことか。ありがたいことか。

グラスに満たされたロゼワインをグッと飲み干し、もう一度だけ、ゆっくりと空を見上げました。


なんともいえない豊かな熟成香 Domaine Alain Graillot Crozes-Hermitage “La Guiraude”


独特の酸があとをひくジュラのワイン Philippe Bouvret & Jean-François Ganevat Les Compères(レ・コンペール)

【Information】
満月Pubは毎月満月の夜に開催予定です。開催店舗の告知は2週間ほど前からワインショップFUJIMARUのブログでご案内いたします。ぜひお気軽にお越しください!
●満月Pubについてのご案内はこちらから 
※FUJIMARUの藤丸さんブログ「満月Pubをしようと思った理由」はここから。