TOTOSK KITCHEN Vol. 7 オレガノ オレガノの、あったかボルシチと
万能トマトソース
(2012.10.30)
涼しくなると出てくるのが食欲!
そんな時には具だくさんのスープで元気もりもり!になっちゃいましょう。
ということで今回は、寒くなってくるとなぜか食べたくなる
ロシアの家庭料理ボルシチをご紹介します。
お肉と野菜たっぷり見た目も鮮やかシチューです。
♠オレガノ料理に合わせたい「ダグ・アーネセン・トリオの音楽」by 吉本 宏
秋のハーブ、オレガノ。
オレガノ(英名)、ハナハッカ(和名)は、多年草のシソ科、ギリシャ語で『山の喜び』を意味するそうです。地中海沿岸の町では、婚礼のときには新郎新婦がオレガノを冠にしてかぶったそうです。
葉は薄く、先端が尖ったハート♡型をしていて、10月くらいに茎の先に唇型の紫色の花を咲かせます。マジョラム(英名)マヨナラ(和名)と、一卵性の双子くらい似ていますが、マジョラムの方が、葉が柔らかく小さめで香りが弱いのです。
乾燥させるとより香りが強くなるので、開花期に全草を刈り、風通しのよい日陰で乾燥させて保存しておくとよいでしょう。
乾燥させたオレガノをハーブティーとして飲むと、頭痛にいいと言われています。睡眠導入効果もあるので、枕に入れてピローポプリとして使うのもいいかも。そのほか効果はたくさんあって、肺炎、咳、風邪、喘息などにも効くとされていますが、月経痛をやわらげたり、生理不順の改善など女性特有の悩みにも効果があるそうです。
オレガノというハーブは聞いたことがあっても、その香りや風味はあまりピンとこない人も多いのではないでしょうか。ミントに似た香りとほろ苦く独特な風味で、イタリア料理と地中海料理に多く使われます。中でも、肉、チーズ、卵、トマトとの相性がよく、ピザには欠かせないハーブです。
ただし香りが強いので、入れ過ぎると素材が負けてしまうことがあるので要注意。オレガノは、ほどほどに入れるのが美味しさのポイントです。
ボルシチ
材料 4人分
乾燥オレガノ 小さじ3
シナモン 1本
豚スペアリブ 500g
水 1.2ℓ
ビーツ缶詰(細切り) 200g
生のビーツ(小) 1/2個
(無くても大丈夫)
じゃがいも(皮むいて角切り) 1個
玉ねぎ (薄切り) 1個
にんじん(細切り) 1個
セロリ(千切り) 1/2個
キャベツ(細めのざく切り) 1/4個
トマト缶(カット) 1缶
にんにく(すりおろし) 1片
レモン汁 1個
ローリエ 1枚
唐辛子 小さじ1/2
塩 小さじ2〜3(お好み)
こしょう 少々
オリーブオイル 大さじ2
バター 大さじ2
サワークリーム お好み
フレッシュオレガノ(飾り用)なければ乾燥でもOK
作り方
1.大きな鍋に、豚スペアリブ、水、シナモン、オレガノ(小さじ1)を入れて強火にかける。灰汁を取り、煮立ったら弱火にして水が半量になるまで1時間ほど煮たらシナモンとセロリの葉を取り出しておく。
2.フライパンにオイルとバターを熱し、玉ねぎ、にんじん、セロリを順に炒めトマト缶とビーツを加える。
3.(1)の鍋に(2)を入れ、じゃがいも、キャベツ、にんにく、レモン汁、唐辛子、残りのオレガノ、塩、こしょうを加えて15分煮る。
4.すりおろした生のビーツをだし袋に入れ、スープに加え弱火でさらに5分煮る。
5.器に盛り、サワークリームをかけ、お好みでオレガノを飾って完成。
万能トマトソース
材料 4人分
オレガノ 小さじ2
トマト缶 1缶
ウィスキー(白ワイン、赤ワイン) 大さじ6
にんにく(つぶす) 1片
塩 少々
こしょう 少々
作り方
1.全ての材料を鍋に入れ弱火でをして10分煮る。
2.冷めたら、ざるで裏ごしをしてできあがり。
オレガノは育てるのが簡単な多年草。ベランダ栽培にぴったり。
ビーツの鮮やかな赤を際立たせるために、生のビーツをすりおろしたものを出汁袋にいれてみました。毎日火を入れても味も変わらず2、3日はおいしさそのままですが、それを過ぎるとビーツの色がだんだん褪せてきます。沸騰させずに温めるのがポイントです。生のビーツを切るとまな板やエプロンが真っ赤になるので要注意。
オレガノは、やや乾燥気味な気候を好みます。私のベランダには春からいるのですが、少しくらい水をやり忘れてもいきいきしていました。オレガノは育てやすく、冬もシートをかぶせてあげれば越冬できるので、一年中楽しめるハーブです。ぜひおうちで育ててみて下さい。
ソーセージやパテを作るときに入れたり、鶏肉・豚肉・牛肉のローストにすりこむととびきりおいしくなります。
今回のオレガノトマトソースはピザソースとしてはもちろん、グリルチキンやオムレツ、パスタにも相性ぴったり。食卓で大活躍まちがいしです。火にかけて放っておくだけの簡単ソースなので是非お試しください。お好みで唐辛子を加えてもおいしいですよ。
透明感のあるピアノを温かなグルーブで包み込むダグ・アーネセン・トリオの音楽
スープの恋しい季節になってきました。見た目にも鮮やかなビーツで色づけされたボルシチはこれからの時期にぴったりですね。寒い国には温かいスープがかかせませんが、ノルウェイのダグ・アーネセン・トリオの音楽は、北欧の凛とした冷たい空気の中に、優しい温もり感じさせるサウンドを聴かせてくれます。
ダグ・アーネセンは、ノルウェイの作曲家の曲を採りあげた詩集のような作品集『Norwegian Song』のリリースを続けています。シリーズはすでに3作目を迎え、先ごろ来日も果たしました。彼らの演奏を間近で聴いたのですが、抒情的で温かなバラード・プレイの美しさはもちろんのこと、リズムを強調した楽曲ではダグ・アーネセンの透明感のあるピアノの音色にドラムスのポール・タウゼンが器用に繰り出す温もりのあるグルーブがトリオの音に鮮やかな躍動感を与えていました。3人ともとても気さくで、日本の滞在を楽しんでいるようでした。
ジャケットのデザインは、3作品とも共通したゆっくりとたなびくやわらかな煙の軌跡にそれぞれ緑、紫、赤の彩色を施し、まるできれいな写真集を眺めているかのようです。特に3作目の鮮やかな赤色はまさにビーツの色そのものですね。