「料理で被災地を支援を!」。サンフランシスコのシェフらが立ち上がる。

(2011.06.07)

チャリティーパーティー
‘Hope to Japan’開催。

海外でも今回の東日本大震災の復興支援の輪が広がっている。例えば、サンフランシスコ。サンフランシスコは、アメリカの中でも特に日本文化に対しての関心が強い。ヘルシーやオーガニック志向のヤッピーや、IT産業を中心に広まる知的富裕層たちが、その傾向に拍車を欠けているように思う。

去る、4月5日 ‘Hope to Japan’と出したチャリティーパーティーがSF市内のHotel Nikko SFで開催された。

人気ジャパニーズレストラン「すし蘭(らん)」オーナー当銘由盛氏と日本食レストラン協会会長が発起人となり、ジャパニーズ・レストランを中心に声をかけたところ、40店のレストランがボランティア参加。食材、飲み物も地元企業から提供された。参加したのは日本食レストランだけではない。ミシュランの1つ星を獲得したフランス料理店「ゲーリーダンゴ」他ナパバレーのワイナリーも次々と参加を申し出た。当日の参加チケットは、150ドル。風評被害などの噂もあり、実際にチケットが売れるのか、懸念される中、約400枚を売り上げ、日本酒やワインなどのチャリティーオークションの売り上げも合わせ、8万ドルの収益を超えた。

会場には全長7メートル強の寿司カウンターが特設され、日本食ファンが列を成した。当銘氏は日本食レストランの関係者が一同に会するのはこれまでに例がないとし「日本人として誇りに思う。これは全て被災した方々への心からの応援」と話した。

「料理で被災地を支援したい」と語るのは、ジャズクラブを併設したレストラン「ヨシズ」の神尾正太郎シェフ。宮城県仙台市出身で、郷里でレストランを営む兄とは震災後しばらくは連絡が取れなかった。ナパバレーのミシュラン・レストラン「テラ」のヒロ曽根シェフは宮城県栗原市出身。実家の一部が破損した。二人は被災地となった郷里を救うため、米国人シェフらと共にに二つのチャリティー・パーティーを主催した。


シェフの日米交換留学の
可能性をも模索。

一つは以前に東北を訪れたことのある米国人シェフ、ラビ・カプール氏が勤める「プロスペクト」で開催。一人300ドル(2万5千円)のチケットは完売し4万2千ドル(350万円)を集めた。続いて「ヨシズ」で行われたイベントでも6万ドル(500万円)を集めた。

今回のチャリティーに参加したシェフは、早くも新たな支援を計画している。曽根氏は節電や自粛ムードに苦しむ外食産業の停滞を懸念し、シェフの日米交換留学の可能性を模索したいと語った。他にも売上の一部を義援金として寄付するレストランは後を絶たない。日本への支援は当分止みそうにない。
 
 
 
Hope to Japan
http://www.hopetojapan.com/


(取材/大嶋伸子 写真/Hope To Japan実行委員会提供)