ヴァン・ナチュールの祭典
『FESTIVIN』の楽しみ方。

(2012.11.05)

12月9日(日)開催『FESTIVIN』。
今年の会場は渋谷ヒカリエ。

皆さま、またまた登場しました、ヴァン・ナチュール偏愛ライター、omiyage89です。好きなワインのタイプは、茶色い白と薄い赤と言い続けていますが、今年の夏は、「和食と濁りワインとアイリッシュミュージック」と題する、自分の好きなものばかりを集めたプチ・イベントも好評で、サブカル的ワインもじわじわ広まっているのを実感しています

さて、私も毎回参加しているヴァン・ナチュール最大のイベント、『FESTIVIN(フェスティヴァン)』の第3回めが、12月9日(日)に開催されます。 代表の勝山晋作さん(六本木 『祥瑞』店主)に今年の楽しみ方をうかがってみましょう。

*『FESTIVIN』1部のチケットをプレゼントはこちら。

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—昨年までの会場、EBISU303がクローズして、今年は会場がどこになるのかな〜と思っていたらなんとヒカリエなんですね。

勝山:そう! 去年は1400人もの皆さんに来ていただいたけど、とくに二部はギュウギュウだったんだよね。で、今年はもっとゆったり過ごしてもらえるようにといろいろ探して、最終的にご縁のあったヒカリエに決まりました。

—私のまわりでは、1回め、2回めともに参加した人が多いのですが、今年FESTIVINデビューする人のために、イベントのコンセプトを教えてください。

勝山:一言でいうとヴァン・ナチュールのお祭り。フェスティヴァルとヴァン(フランス語でワイン)を組み合わせて、FESTIVINと名付けたの。うんちくよりも、まず、飲んでみて、おいしいから、という感じ。ワインは世界中から300種以上が揃います。他にラム協会、テキーラ協会の人たちや、日本のワインの生産者も来てくれます。ヨーロッパやニューワールドとは違って、湿気が多く厳しい環境のなかで、真摯にワイン造りに向き合っている人たちばかり。タケダワイナリー、ボーペイサージュ、小布施ワイナリー、四恩醸造などの常連に加え、ヴィラデスト、酒井ワイナリーの面々が来てくれます。ワインが進む料理やライブミュージックもパワーアップしてますよ。

自然に醸造するために、葡萄を野生児のように強く育てるヴァン・ナチュール。

—ヴァン・ナチュールって、自然派ワインと思えばいいのでしょうか。

勝山:自然なワインって、単にオーガニック栽培の葡萄で造ったワインと考えている人がいるかもしれないね。もちろんよいワインはよい葡萄からしかできないというのは大前提。でもワインは、栽培と醸造の日本柱でできているでしょ? いくら自然に育てたぶどうでも、培養酵母や必要以上の亜硫酸塩、酵素などを使って醸造すると、葡萄が生まれた土地の個性を失ってしまうんだ。だから考え方としては、化学的、人為的介助をできるだけ控えて自然に醸造するために、葡萄を野生児のように強く育てる、というほうがわかりやすいかもしれない。

——大量生産の工業製品と違って、手作りのクラフトなんですよね。

勝山:そう、だから、きちんとした醸造技術やセンスがないと、おいしいものはできない。造り手は、農夫であり、アーティストといえるかもしれない。

ヴァン・ナチュールの作り手は造り手は、農夫であり、アーティスト。来日するアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール。

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——ヴァン・ナチュールは、造り手の個性を味わうものかもしれませんね。ところで、今年は、フランス、イタリアだけでなく、他の国からの参加も多いんですって?

勝山:そう、ドイツのクレメンス・ブッシュ、ユルゲン・ライナー、オーストリアのセップ・ムスター、せップ・モーザー、クロアチアのクライなど初参加にも逸品あり! 日本はタケダワイナリー、ボーペイサージュ、小布施ワイナリー、四恩醸造などの常連に加え、ヴィラデスト、酒井ワイナリーが来てくれます。

シャブリの生産者、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール、
ガイヤックのコス・マリーン来日!

—来日生産者は?

勝山:素晴らしいシャブリの生産者、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール。

—えええ〜、大ファンです。

勝山:熱狂的なファンが多いよね。そして南西部ガイヤックのコス・マリーン。AOC(フランスのワイン法)の規定では、もはや認められていないデュラ、ブローコル(赤)、モーザック、ロワン・ド・ロレイユ(白)などの土着のぶどう品種を大事にして、ヴァン・ド・ターブルへの格下げ覚悟で、ぶどうの個性を反映した昔ながらのワインを造っていますよ。


南西部ガイヤックで昔ながらのワインを造るコス・マリーン。

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—音楽は、またまた濃ゆいメンバーが出そうですね。

勝山:はい、レギュラーと化したママドゥ・ドゥンビヤに加えて、私がこよなく愛するブラックベルベッツ。ラテンから昭和歌謡まで、魅惑のムード音楽を演奏する集団です。そしてサンディー・オリ・オリ・ティアレ・タヒチ。ハワイ音楽のシンガーであり、クムフラ(古典フラ)の継承者でもあるサンディ率いるダンサーたちも来てくれるんで、すごい人数になりそうなの。

—すごそ〜。そしてみんなが楽しみにするお料理。今年は地方からの参加も多いんですね。

勝山:うん、仙台の『ブラッスリーノート』、『アルフィオーレ』、福岡の『山下ワイン食道』など、ほとんどが自主的に来たいと言ってくれた人たちばかり。

—面白そうなメニューをちょこっと教えてください。

勝山:『カウラ』改め恵比寿で新装開店した『ワルツ』の大山泰弘さんと、京都の『ドゥ・コション』の粟津夫妻が焼き手を務めるガレット屋さん。生地は、『カウラ』の跡地で、週末だけオープンするレストラン『S/S/A/W(店主は料理研究家のたかはしよしこさん)』が作るそう。名古屋の『ゴッチャボンド』の、熟成肉の『中勢以』のドライエイジングビーフで作るハンバーグ、『山下ワイン食道』の九州和牛と有機野菜のピタサンド、ゆず胡椒ソース。東京・江古田の『パーラー江古田』の“パンいろいろ”。レギュラーメンバーの『メリメロ』のポルサレと『ダ・オルモ』のポルケッタで子豚対決などなど。

——キャー、面白そう。

勝山:ヴァン・ナチュールがつなぐ人の輪が、どんどん広がっているのを感じます。私も秘蔵のワインを用意して、スタッフともどもお待ちしていますよ。 というわけで、今年も3組様に、1部のチケットをプレゼント。応募はこちらから。

『FESTIVIN(フェスティヴァン)』

日時:2012年12月9日(日) 1部 12:00~15:30、2部 16:30~20:00
場所:渋谷ヒカリエホール (東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9階)
料金:1部、2部共 前売り券 6,000円、当日券 7,000円 (販売中)
TEL:03-5771-8374