ほろ酔い倶楽部 - 6 - 山梨ワインツアー 3/3 〜 細田結佳里 レポート 〜

(2010.01.14)


3.『シャトー酒折ワイナリー』

1時間ほど移動して、途中バスではmore Treesのデラウエア泡など頂きながら、寄り合いの時間の分、予定より1時間遅くシャトー酒折に到着。シャトー酒折は、甲府駅の1駅手前の酒折駅から徒歩10分ほどの丘の上に醸造所がある。ゆっくりと見学ルートにそって醸造所を見学、大事にしている洗浄作業と、亜硫酸の添加はごく少量に抑える為の自家製ドライアイス造りとタンク内投入作業などを見せてもらう。シャトー酒折では、コストパフォーマンスを考え、毎日の食卓に並ぶいつの間にかボトルが空いてしまうようなワイン造りをモットーとしている。ブドウは農協からの購入が殆どだが、一部ブドウ栽培家とのコラボレートワインがある。kisvinという萩原さんのブドウや、マスカット・ベリーA キュヴェ・イケガワの池川さんのブドウなどのスペシャルキュヴェ。今回見せてもらった一つに、高級生食用ヴェニフェラ種15種類のブドウ、ロザリオ・ビアンコやイタリア、ブラジル、ほにゃららジャイアンツなどのミックスで、1房1500円相当のブドウ1トン以上を、惜しげもなく除梗破砕したワインがステンレスタンクに眠っていた。

タンクの底の方に眠っているワインを取り出すには、重さのあるコカコーラの瓶が一番なのだそう。大事にこんな風に再利用されているなんて、三国ワインさんが見たらビックリだろう!

で、この15種類のミックスの香りは華やかで甘い香りなので、味わいは甘口?と思いきや、リキュールを飲んでいるかのようなドライな味わい??? それは、秘密の事実であり、どんな風にリリースされるのか楽しみである。
http://www.sakaoriwine.com/blog/archives/2009/10/post_119.html

そして樽に眠っているワインも色々とあるが、こんな樽は、世界中にここにしか無いだろう、絵文字で表現された樽の味わい。分かりやすいが、やっぱり飲んでみたいという気持ちにさせる。
http://www.sakaoriwine.com/blog/archives/2009/11/post_121.html

そして、売店脇の試飲スペースでワインの試飲と続く。隣の売店では、弊社(東京木下商事)でも扱えないワインも多数ある。そして、先程のタンクにはジャイアンツがいたが、売店にはタイガースもいる。喧嘩させない配慮が酒折の社長の凄さである。時間が無かったので畑の見学はできなかったが、醸造所の脇にはマスカットベリーAの畑もある。今年は収穫祭があり、社員総出で参加した。糖度が21度もあって本当に美味しかった。

収量が減ったら私のせいぐらい、食べて美味しいブドウだったので、ワインも美味しいに間違いない。次回は是非、畑の見学もしましょーとばかりに、お土産片手に酒折を後にする。

 

4.『ほったらかし温泉』

時間が遅くなっても、ほったらかしは恒例行事。到着すると、出発時間を言われ、出発までほったらかし。こっちの湯とあっちの湯があるが、迷わずあっちと決まっているから、こっちには行ったことが無い。

本来なら富士山が目の前にそびえ、それを目の前に楽しむのだが、真っ暗。
でも、むしろそれを狙っていたのかとばかり、満点の星空の露天へと足が向かう。
しばしのんびり温泉に浸りながら、時計も眺める。出発までに名物の揚げ玉&ビールもゲットして車に戻らないといけないからだ。揚げ玉(卵を衣につけて揚げてある)の塩加減が絶妙で美味しい。ゲットし忘れるとまた山梨に行きたい衝動に駆られる味だ。無事にゲットしてバスに戻り大満足の帰路となる。

今回の訪問で、良いワインを造るための殆どの仕事は畑で虫を取る作業と言う「ヴォー・ペイサージュ」と、ある程度の規模になるとブドウ栽培は栽培家にお任せして、醸造する「シャトー酒折」では、作業の殆どが衛生管理の器具の洗浄作業を大事にしているとの事。

規模が違うからこそ、力の入れるところも違うけど、どちらも本当に地道な作業から美味しいワイン誕生している事実を目の当たりにした。

そして、日本のワイナリーをもっと知りたいと、もっと巡りたいと、よりいっそう思った美味しく・楽しく・あっと言う間の酔い一日でした。

 

レポート:”イカちゃん”こと、細田結佳里

 

 

PS,
私が姉と慕っている10年来の友人、今回一緒に参加しました彼女が2店舗目のワインバーをOPENに向けて彼女の後を任せられるソムリエールちゃんを募集中です。
素敵な方がいましたら、ご紹介下さいませ!
お店は、今年でOPEN(2005年11月17日・4年前のヌーヴォーの日でした)から4年目を迎えました。3年連続ミシュラン2つ星を獲得しています『西麻布・拓』ワインが豊富なお寿司屋さんです。
かのジャンポール・エヴァン氏が、お店に訪れた際、「ミシュランは当てにならないと思っていたけど、”これで寿司の旅は終わった”」と来日の際は通う店となったそうです。宜しくお願いします。

 
《彼女の簡単な紹介》

永田真弓(ながたまゆみ)
広告代理店を退職後、ロサンゼルスでフランスワインに出会い、アカデミー・デュ・ヴァンでワインの勉強を始める。2005年に佐藤卓也氏とともに共同で「西麻布 拓」を開店。「西麻布 拓」はソムリエのいる鮨店として評判となり、ミシュラン二ツ星に。

資格:シニアソムリエ、利き酒師、宝石鑑定士など
http://trendy.nikkeibp.co.jp/lc/cover/090204_valentine_01/

 
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筆者プロフィール

細田 結佳里(ほそだ・ゆかり)

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2006年頃より、主に日本ワインを中心に『ヴィノテーク』に記事を寄稿。本業は某メーカー系のサラリーマンで、総務系の業務という社内でも比較的ヒマな立場を逆手に取り、ここ10年ほどは規則正しく1日1本ワインを消費している。酸っぱいシャルドネが苦手で、白は甲州に限ると勝手に思い込んでいる。赤は何でも飲むが、特にボルドー系品種を好む。極度な人見知り癖と口下手コンプレックスのため、ワイン会でもアルコールが回るまでは黙していることが多い。だが、人と話ができないわけではないので、もし見かけたら、声を掛けてあげてください。