ほろ酔い倶楽部 - 6 - 山梨ワインツアー 2/3 〜 熊野裕子 レポート 〜

(2010.01.14)


2.役割分担でベストなワインづくりを目指す

次の目的地は・酒折ワイナリーさん。

甲府の町が見渡せる眺望バツグンの丘に建つこの醸造所は規模の面では岡本さんと対象的な中規模大。
醸造所内の設備規模もだいぶ違います。

けれど
「良いワインは、良いぶどうからしか生まれない」
というワイン哲学は共通していました。

大きく違う点は、良いぶどうからのワインづくりをするために岡本さんは畑仕事を自ら行っているのに対して酒折さんは「ぶどうづくりは地元の人の力を借りよう」という姿勢を持っていることでした。

醸造所内を案内して下さった製造部部長の井島正義さん曰く。

「ワインづくりをしていると、海外のノウハウをそのまま持ってきてしまいがちです。そこに遠回りがあります」

例えば木の植え方。海外では根が下に向くように植えるけれど気候の異なる日本で同じことをすると根腐れで一生病気を抱えて生きていかないといけなくなる。

海外では積極的に行われているグリーンハーベストも
日本は枝が徒長して木があばれるために
行き場はたくさん残したほうがよいので逆効果。

「日本にあった栽培方法をとれば、シャルドネにしても
しっかり厚みのある味わいになるんです。
そういうノウハウについて僕らは素人。
ぶどうづくりはやめようと思いました」
ときっぱり。

ぶどう栽培と、ワインの醸造。
酒折さんではこの役割分担を明確にして
良いワインづくりを目指しているわけなのですね。

そうした分担の象徴のひとつが
「池川さんのベリーA」(キュヴェイケガワ)です。
池川さんとは、栽培家の名前。
「池川さんが栽培したぶどうでつくりました」
と池川さんに敬意をこめたプレミアムワインです。
スタンダードな樽熟成のベリーAと飲み比べても
味わいは明らかに違うそうです。
とはいえ、この日に試飲した樽熟成のベリーAも
かなり美味しかったですけどね♪

見学&試飲を終えて醸造所を出ると、すっかり夜空。
見下ろせば「甲府も大都会にみえますよね」(K嬢)
と感動するほど、見事な夜景にみえたのは
ほろ酔い気分も加わってのことでしょうか?

しかーし。酔いも冷めぬうちに、ほったらかし温泉に直行し
誰も湯あたりをおこさないあたりは、皆さん、流石!です

この温泉、ほったらかしの名前のわりには
売店もあったり、入口には番頭さんもいたりで
結構、面倒みもいい温泉です。
眺望がウリの「あっちの湯」、落ち着ける「こっちの湯」。
名前もユニークな湯船を選べるのも、面白いですね。

 
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