豚インフル禍の地から帰還して……

米国出張の直前、新型インフルエンザのフェーズが6に上がりました。既に中止の議論をする余地がないタイミングで。出来ることは予防しかない。成田エクスプレスに乗る時点からマスク2段重ねで臨みました。

日本のメディアは早々に新型インフルエンザと改称したけど、最初に目にしたローカル新聞の記事はswine flu、未だに豚インフルでしたね。あちらでは、食べることによる感染はないという意識が国民の間で徹底しているということ？ かつてサーズやBSEで、食肉に対する世間の不安が高まっていた時、私、しみじみと思いました。牛肉が食べられなくなっても、食生活に大きな変化無し。焼き鳥がなくなったら、ちょっと寂しい。でも、豚さんだけは健康でいてね。だって生ハムやサラミ、ソーセージのない人生なんて味気なさすぎる。……と、心配するほどのことは案の定なく、カリフォルニアの人々は普段どおりの食生活を送っていました。もっとも我々、日本から来たチームは、これでもかというくらい何度も除菌アルコールで手キレイキレイしていましたけど。みな一斉に、せわしなく両手をこすり合わせるものだから、周りのテーブルから見たら料理に群がるハエに見えたでしょうね。

今回の出張で運が良かったのは、メンバー全員がイケる口だったこと。カリフォルニアのレストランは日本よりもワイン持ち込みの敷居が低いので、食事予算の上限がある我々は、訪問したワイナリーで購入したものを飲むのがパターンです。でも、たまには飲まない人の数の方が圧倒することもあったりして、そこで貴重な予算のうち何某かをワインに割くのは顰蹙行為。そんな時にありがたいのが、レストランのバイザグラス!!

カリフォルニアでは、さほど凝ったレストランやワインバーじゃなくても、選ぶ楽しみを味わえる相当数のグラスワインが用意されていることが珍しくないのです。多くの場合は、泡・白・ロゼ・赤などのタイプ別の他、ブドウ品種ごとにリストに並んでいるので、選んだ料理に合いそうなワインを見つけるのがとってもラク。グラスワインのオーダーは、料理が出るタイミングに合わせてパッパッと済ませたいから、これ、大切。

日本でもそんなレストランは増えて来たように思うけど、まだまだ軒数は少ないような……。短期間内に上手く回転させてボトル1本分を売り切る自信がないと、難しいですものね。でも、バイザグラスの楽しみを味わえる店が300店も揃い踏みする時期が、毎年春に2ヶ月間だけあるんです。

もうそろそろ期間も終盤だけど、まだ間に合いますよ!
……というわけで、5月末まで実施しているお店で、私が楽しんだ料理とワインの組み合わせをご紹介。