ファッション KAMIORI KAORI COLLECTION PAPILLON(パピヨン)が増えました。

(2009.05.25)

かぎ針編みのニットをあしらったアクセサリーや
リボンやつぶつぶを使った繊細で女の子らしいアクセを、
作っている作家のKAMIORI KAORIさんから、
最新作COLLECTION ‘PAPILLON’(パピヨンシリーズ)のお知らせが届きました。

COLLECTION ‘PAPILLON’。 先日、代官山『ao』で行われた展示会の模様。ちょうちょのモチーフのパールや彫金で製作したちょうちょや、古いカタチから型取りしたちょうちょのモチーフをつかったシリーズ。ちょうちょの器をディスプレイに。


アクセサリーを作り始めたきっかけは?

今から約5年前です。
インポートセレクトのショップで働いているとき、
海外の展示会にも行かせてもらう機会もあって、
たくさんのデザイナーさんのアクセサリーをたくさん見ていくうちに、
「ここがこうなってたらいいのに……」って思うようになってきたんです。
その後に入った雑貨とカフェのお店で、
自分のイメージするアクセサリーを本格的に作り始めました。
ずっと好きだったレースの雰囲気で小さいものをつくりたくて、
夜な夜な仕事のあとで、ひとりで特訓しました(笑)。

そしてできた作品を、そのカフェに置かせてもらったら、
目の前でお客さんがかわい〜と言って、
購入してくださるのを見て、ますます楽しくなってきて……。
2年前、作品作りに専念することになりました。

KAMIORI KAORIの世界を教えてください。

イメージするのは、小さな花がたくさん咲いている草むらのような雰囲気。

寒い冬から暖かくなりかける時期のような、
やわらかい空気が流れていそうな季節に、
おおいぬのふぐりのような小さな草花が一面に咲いていて、
道ばたに一輪だけ風にゆられているたんぽぽの綿毛があって、
そこから、草むらを駆け回る幼い女の子が着ていそうな洋服やアクセサリー。

特長はなんですか?

私のアクセサリー制作のもとになるのは、気に入った素材。
落ち着いた色味や華やかな色、
つけたいアクセサリーの色は人によってきっとそれぞれ、
何よりいろんな色で作っていると自分自身がとても楽しいので、
かぎ針シリーズで使っているコットンの糸も色味や強さが気に入って、
ついつい増えてしまって21色展開。
色によってはまったく違うアクセサリーのような雰囲気になったりもします。

ピアスも片耳だけつけたり、
両耳で異なる色や、違ったデザインのものをつけたりできるように、
片耳だけのピアスや、もともとアシンメトリーになったデザインの
コレクションもそろえています。

最近では、彫金の作業を取り入れたコレクションもだんだんと増えてきて、
今回からリボンのシルエットももっと好きなカタチに変わりました。

そして、お客さんがもともと持っているアイテムと合わせても、
違和感のないようにあまり甘くなりすぎないような
デザインやシルエットを目指しています。

デザインは、デザイン画を書くというよりも
手を動かして偶然できあがったシルエットが気に入ることが多いので、
あたまにぼんやりとイメージを思い描いたらそのまま手を動かして、
新作が生まれることが多いです。

華やかな色を使うときは華奢に、
控えめな雰囲気なら、まるーいちょっと大きめなシルエット。
甘くなりすぎず、気取りすぎない雰囲気。
わたしの好きなデザイナーさんの服に合わせることをイメージしたり、
お客さんが持っている服やアクセとも
うまくコーディネートができるようなデザインを心がけています。

使う素材のことを教えて下さい。

いろいろな糸を試しながら行き着いたのが、コットンの糸。
わたしにとって重要なのが、糸の細さ。
ぎゅっと強く編み込んでいるので、
刺繍糸くらいの細さが一番編みやすいんです。

そしてゴールド。
小さなリボンのパーツなどは18金の色味が好きでつかっています。
大きいモチーフになると18金だと色味が強すぎてイメージと違うので、
薄めになる10金を使ったりしてます。
彫金でつくるアイテムは、職人さんの手を借りることもありますが、
仕上げ作業はすべて自分でしています。
たとえば、てかてかしすぎるのがあまり好きではないので、
ほどよく作業の風合い、たとえばこすった傷がアジとして
残るような仕上げをします。

新シリーズパピヨンについて教えてください。

今までのGRAIN(つぶのシリーズ)、
DENTELLE(かぎ針編みのシリーズ)、
MEDAILLE(メダルをつかったシリーズ)、
PONPON(ぽんぽんをつかったシリーズ)、
や彫金などで製作したRUBAN(リボンのシリーズ)に加えて、
かぎ針の小さなつぶとちょうちょのモチーフを
使ったPAPILLON(パピヨンシリーズ)がこの春から加わりました。

暖かくなってくるといつも作ってしまう、
ちょうちょモチーフのもの……。
好きで作っているうちに、少しずつ増えて
素材が集まったのでシリーズ展開が始まりました。

新作のCOLLECTION PAPILLONより。シルバーのネックレス¥5,250、ゴールドのネックレス(14K)¥16.800、つぶが3つ付いたパールのブレスレット¥7,350、つぶが一つのパールのピアス¥3,150
こんな風に見えて実は350粒。

華奢なチェーンに7つのつぶがついたブレスレット¥8,400

新しくさらに華奢なデザインに変えたリボンのシリーズより、ブレスレット(14K)¥5,775

アクセ以外の洋服やバッグのことを教えてください。

インドネシアで1カ月だけ革のレッスンを受けていたときに
出会ったカゴ職人さんの力をかりて、
念願のカゴバックをつくったのがきっかけで、
バッグを作り始めました。

アジアの職人さん特有なのか、
よかれと思って勝手にポケットをつけてくれていたりして、
いい具合に使いやすくなったり(笑)。
今回は布バックをつくりました。
基本的に自分がいま欲しいものをカタチにすることがほとんどです。

洋服も2年くらい前に、久しぶりに作りたくなって、
再開しながら本当にゆるいペースで発表していたんです。
アンティークのレースのストックを使ったり、
とにかく洗濯が気軽にできて、着やすいデザインのものを……。

シルエットは幼い時に着ていたようなカタチが好きです。
素材は洗濯することも考えてコットンやリネンのものが多いです。
生地選びをしている時が一番楽しくて、
いい生地が見つかった時は早くつくりたくてうずうずします。

洋服に関しては、何も教えてもらったことがなくて、完全に我流です。
ボディだけは母のおさがりをもらってつかっているので、
そこから立体的に裁断、縫製をしています。
アクセサリーもそうなのですが、あまり出来上がりを想像しすぎずに、
ぼんやりとしたイメージから偶然的に出来上がるものを
気に入ることが多いです。

来年の春夏用に向けて今サンプルを製作中です。
今までよりもさらに自分の好きなシルエットに近づくように、
もっと細かいところにこだわろうと思っています。

これからも、さりげないおしゃれに取り入れてもらえるような
作品を作っていきたいと思います。

KAMIORI KAORIを置いているショップはこちら

 

筆者プロフィール

KAMIORI KAORI(カミオリ・カオリ)

アクセサリー作家。アパレル商社退社後、アクセサリーショップの販売スタッフ・パリの展示会へのバイイングを経験。神戸『TRITON CAFÉ』でショップリーダーとして商品のバイイングやディスプレイを主に担当しながら、2004年 Dentelleのアクセサリーの制作・販売を開始。2007年3月退社。本格的に制作に専念。仕事の傍ら、アイリッシュハープの演奏などもしています。
ホームページ http://www.kamiorikaori.com/