島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った - 2010年3月28日〜4月3日編『三菱RVR G』『ルノー ルーテシア』

(2010.07.15)

前週まで詰め込み過ぎていたこともあって、取材はちょっと一服という感じだったこの週。とは言え、ウチで口をぽかーんと開けて過ごしていたわけではなく、ここぞとばかりに打ち合わせやら会合やらに出掛けていた。よってクルマは運転しまくり。

今回は2010年3月28日〜4月3日編です。

 

三菱RVR G 3月24日〜4月1日 都内〜箱根

4輪駆動のRVRから前輪駆動のRVRへと乗り換え。エンジンなどは変わらないものの、車重が軽くなる分が効いていて、走りっぷりは4輪駆動モデルより軽快だ。降雪地域に住んでいるのでなければ、たまのアウトドアレジャーまで含めても、これで十分という印象。

ちなみにこのボディカラーはイメージカラーのカワセミブルー。わざわざカワセミさんが登場しているCMでは、このボディカラーと、ステアリング操作にあわせて左右に首を振るヘッドランプが紹介されているが、このクルマの本当に伝えるべきポイントは、そういうところではなくサイズなり使い勝手なりユーティリティなりといったところのはず。魅力が伝えられないCMじゃ意味が無い。

 

ルノー ルーテシア 3月31日 都内〜箱根

フランス・ルノーの主力小型車がお化粧直しして登場。実は車体の基本部分はルノーのアライアンスパートナーである日産のマーチと共有。最高出力**psの平凡な実用エンジンも、スペックを見た限りは何の特徴も無い。

ところが乗ると、これが素晴らしく楽しく気持ち良いのだから驚く。乗り心地はフランス車らしくしなやかでコシがあり、それでいて小型車らしく思いのままにキビキビ走れる。

何の変哲も無いように見えたエンジンも、普段よく使う低回転域で粘りに粘る力強さがあり、しかもグッと踏み込めば、パワーに限りはあるものの、小気味よくレスポンスしてくれる。

そんなクルマゆえに、ATでもいいけれど、できれば5速マニュアルギアボックス仕様を、ゼヒ試してほしい。街中での走りはルーテシアの絶品スポーツ仕様“ルノースポール”にだって負けてない。値段は3分の2なのに!

ボディカラーも、とてもセンスよくカラフル。試乗車はルージュディナ、まあ“ハイパーレッド”的な赤だが、他にもブルーエトワール“青い星”やベールポム“青りんご”など名前だけ見ても楽しめる全9色が揃っている。

こういうクルマを作らせると、ルノーは本当に上手い。単なる実用車であっても、ともにある生活に彩りを添えてくれること請け合いの1台だ。

ルーテシアは実はこの日、別の色のクルマに乗っていたのだが、写真を撮り忘れてしまった。けれど、あまりに好印象だったこともあって、再度借り出したのだった。毎日の、何でもない移動の時間すら楽しいものにしてしまう。クルマに限らずフランスの製品って、そういうところがある。生活を楽しんでいる国なんだろうなということが、クルマからも伝わってくるのだ。