北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 10 - 慌てない服。スティーブンソン オーバーオール。
(2009.06.04)慌てているのである。
ぼくではない。世の中が、慌てているのである。
慌てる何たらはもらいが少ない、という言葉があるくらいで、急ぐのはいいけれど、慌てたり、焦ったりすることは、よくない。というよりも、ぼくは個人的に好きではない。
このコラムでギャルの終焉という話を書いたけれども、世の中でバブル崩壊といわれたころから20年の時を経て、今、リーマンショックなんてものや、GM破綻なんてのからさまざまな経済破壊を終えて、今、本当にバブルが弾けたのだと思う。
つまりは、ぼくらはみ〜んな(日本人かもしれないし、世界の人々かもしれない)、虚構の中で踊り続けていただけなのだ。
で、慌てているのである。み〜んな。わかりやすく目で見えていたものが、すべて虚像であると認識してしまったから、あわわあわわと足が地につかなくなり、慌てているのである。
こんな時代がくると、人は必ず精神への負担を強いられ、ある人は、アホになり同じアホなら踊らにゃ損とばかりに煽り立て、さらなるアホを増やし、アホのリーダーだけが勝ち逃げしていく、なんてのが現れそうだ。とにかく慌てているのだから、悪い人はダマしすい。浮き足立っているのだから冷静な判断もしにくい。ダマされなくたって、勝手に自分たちを負のスパイラルにくるりくるりと導いてしまうという、本当にどうしようもないネガティブを生んでしまう。
こんなときに慌てない人はどんな人なのだろう、ぼくは思う、20年前とあまり変わらない人なんだと。
ぼくは時代によってスタイルをころころと変えてしまうから、こういうどっしり構えた人にはなれないのだけれど、それでも最近はあまり変わらないものやことが好きになっている。
”旧き良き”という言葉の響きに心が動く。
ありきたりのものに”本物”を匂わせることも大事だと思う。
慌てない人と一緒にいたいだけなのだ。
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今回のバカ買いは<スティーブンソン・オーバーオール>のホワイトのロングGジャン? もしくはブッチャージャケット風のGジャン? 名称はRailway Man’s だから、機関車の運転士のワークウェアをモチーフにしているのかもしれない。
日本製だけれど、なんかアメリカの雑っぽい雰囲気を感じたので購入してしまった。
慌てない服作り。そんな服を着ることも、自分を見失わない大事な行為なのだと思ったりする今日この頃。