北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 39 - よく晴れたクリスマス・イブに想うF1的バカ買いの行方。2枚のカート・コバーンTシャツ。
(2009.12.24)店に入っても、ラジオを聴いても、音楽がどうも一辺倒な一日である。
クリスマス・イブ。
この日ばかりはジャクソン・ファミリーの中でも「ママがサンタにキスをした」が圧勝だろうし、山下達郎さんも「クリスマス・イブ」もしくは「ホワイトクリスマス」であろう。あの伝説のア・カペラは、いまもぼくの心に深く刻まれている。ユーミンなら「恋人がサンタクロース」が一番人気。
ジャズもブルースもなく、ひたすらがクリスマス関連の曲なのである。
澄み渡る空気に、ライトアップした街は効果的にキラキラ。胸キュン状態を産み出し、クリスマス気分をハードにペースアップさせ、M・シューマッハ並みのコーナリングで、年の瀬をクリアしていくのだろう。
ふと、罪悪感との葛藤が襲う。
今年一年どれだけの物を買ったのだろう。考えたり、思い出すだけに胸がひきちぎられるように痛い。というほどではないが、銀行の残高がフェラーリのF1のようにイタリアンレッドに染まるのを見るにつけ、自分の高ぶる感情と購買欲にゾッとするのもレッドゾーン。強烈なGに首根っこを抑えられ、反省だけなら猿でもできると、言い訳にさえならない反省を心からしてみるのもつかの間、せめてクリスマスぐらいは何か買ったっていいだろうと、エクスキューズのヘアピンカーブをノーブレーキで曲がりたくなる衝動がトップギアに入る。
って、何でぼく、F1?
このままアクセルベタ踏みで、原稿というよりは古舘伊知郎のF1中継か!? となりそうなところを抑えるのがクリスマス。
「ラスト・クリスマス」が流れて来たので、思い出すと、この原稿が今年最後! だったのである。
申し訳ないが。
新年は日本酒を飲んで過ごすつもりで、原稿はちょっと考えたくないクリスマス。
正月の話をするのも何なのだけれど、ぼくはマイ焼き豚を作るのが好きです。
作り方は簡単。肩ロースを500gくらいの塊(ぼくは2~3一度に作ります)に切ってもらって、タコ糸でぐるぐるぐるぐると巻いて鍋に入れます。
そこに、タカの爪、八角、ネギやセロリといった香りの強い野菜、にんにく一片、しょうがも適当に入れ、ロックソルトと紹興酒をドボドボ。しょうゆをいい加減に入れて、蓋をして、やや強火で煮る。
煮豚じゃないか! といわれそうだけれど、まあ、焼豚にしといて下さいな。
普通にスライスして食べてもいいのだけれど、タレと焼豚をご飯にのせて食べるのもいいし、玉子とネギと焼豚だけでチャーハンもいいですよ。おせちに飽きたらネ!
中華鍋にたっぷりめの油を敷き、そこに玉子を2、3個割りほぐす。まだ半生の状態でご飯を入れる(ここポイント!)。そこで火をゆるめて、塩、胡椒。そしてねぎを入れ、強火に戻す。全体がうまくなじんだら、焼豚を入れ、さらに煮汁を上からかけて、さらに炒める。
うーーー。生ツバが出てきた。
あとはこの煮汁をタレとして使ったラーメン。これはさすがにレシピがうまく書けないかもです。
平打ち麺が合うとお申、スープは鳥かな……と思っています。
とまあ、何故かお料理レシピになってしまったのも今日はクリスマス。
この連載のために買った2枚のTシャツで今年を締めくくりたい。
まず1枚目が<ヒステリック・グラマー>のNIRVANAのTシャツ。バックプリントは、この連載のサブタイトルにさせていただいている「Smell Like Teen Spirit」もちろん、カート・コバーンの自筆。
そして、もう1枚は、今年1年本当によく買ったー、よく着た<ナンバーナイン>。
これはクラシックのものでCHARLES PETERSONの写真を使ったカート・コバーンの1枚。
来年も、スピリットを持って生きていたいなぁ、と思うクリスマス。
そんな訳でメリー・クリスマス! &ハッピーニューイヤー!