一瀬恵のパンクなドイツ ヌーベル・アルマーニュの時代がやってきた!?

(2008.05.05)

ヌーベル・アルマーニュ。
「新しいドイツ」を意味するこのフランス語。日本ではモダンな中華料理を意味するとされる「ヌーベル・シノワ」なる言葉も生まれている。いっそこの「ヌーベル・アルマーニュ」という言葉を「新しいドイツ料理」と連想させるグルメ界の共通語にしたらどうだろう。

ドイツといえば、グルメ!と連想する人はいないだろうが、実はドイツにはミシュランの一つ星レストランがEU内で最も多く、四季折々のメニューを競演するスターシェフが何人もいるグルメな一面もある。
ソーセージとジャガイモだけがドイツ料理ではないのだ。もともと地方国家だったドイツはビールの食文化とワインの食文化は大きく違う。特に、フランスの国境近くに集中しているドイツワイン産地の食文化は、見た目もエレガントで演出も優美、味も絶品!なグルメレストラン&ホテルが多く集中している。
中でも私のお勧めは、Jeunes Restaurant D’Europaという若手シェフのグループで、その会員シェフが創作するワインとベストマッチのお料理だ。
WEBにはワイン産地で活躍する会員シェフのレストランの場所やレシピ集などが豊富に揃っている。もともとワイン産地は食材の宝庫なので、初夏はホワイトアスパラガスを使ったお料理や河魚が美味だ。
森が多いドイツでは、秋から冬にかけてはジビエやきのこを使ったお料理も美味しい。あと、栗やフルーツをつかったデザートやクリーミーなパルフェなどに貴腐ワインを合わせるととろける美味しさを味わえる。
エコ意識が高ドイツでは季節の地元の食材を使った料理がグルメレストラン、特にワイン産地では一般的な考えでスローフードが徹底している。ワイン産地では旅行者向けのクッキングスクールなどを開催しているところもあり、ドイツのグルメ&食材のプロモーションにも積極的だ。日本を始め、海外ではこういったドイツのエレガントなスローフードを堪能できるレストランが少ないのが現状で残念ではあるが、ドイツを訪問時は是非味わって欲しい。
ヌーベル・アルマーニュ。
この言葉、人気が出るといいなぁ。