一瀬恵のパンクなドイツ 指揮者カラヤンは永遠のロック・スター – ライカ銀座サロンでの写真展にて –

(2008.12.27)

写真家Erich Lessing(エリック・レッシング)撮影による、指揮者Herbert von Karajan(ヘルベルト フォン カラヤン)の写真展に、ライカ銀座サロンを訪れました。

この写真展では、指揮者カラヤンのプライベートに近い写真―ジェット機を覗き込んだり、湖でボートを運転している様子― など、チャーミングな一面を堪能でき、カリスマ性の高いマエストロのお茶目な様子に思わず微笑んでしまいます。

そんな乗物に夢中になっているカラヤンの写真を鑑賞していると、「美意識の高さ」と「スピード感」という2つのキーワードを、彼の表現する音楽の世界に見出すことが出来ました。

つまり、芸術家としてカラヤンはとても美意識が高く、美しい表現と世界にこだわりを持ち、一方でプライベートな一面としてスピードが大好き。

この美意識の高さとスピード感は、私の特にお気に入りのモーツァルトのシンフォニー、カラヤン指揮、ベルリン・フィル演奏の交響曲38番「プラハ」に特に見られます。

全体的に華麗な構造で、メロディーがとても美しいのですが、その一方で低音がものすごく効いており、スピードが速くダイナミック。これを聞いているといつも思うのです、「カラヤンはロック・スターなのかも知れない!」と。

特に第1楽章の世界は、心地よいスピード感に、メロディアスな優美さと憂鬱さをほどよく融合させ、優雅なのですが、全体的にロック、もっと言うと本当に美しいロックンロールな世界なのです。

ライカ銀座サロンで、この展示会の写真集を購入しました。その中で、「カラヤンは、偉大な音楽家であり、指揮者であり、監督であり、エンターテイナーであり、音楽の録音化に興味を持った人間であり、ビジネスマンであり、自身のPRマネージャーであり、世界的なVIPであり……」と描写されていました。

私がカラヤンを描写するとすれば、「カラヤンは美意識の高い永遠のロック・スター」なのです。

ジェット機を覗き込むカラヤン
(Erich Lessing撮影)

湖でボートを運転するカラヤン
(Erich Lessing撮影)

まるで美しい宝石のようなディスプレイ。ライカ銀座サロンにて。

アンティークっぽいモデルもライカの魅力の1つです。

私のお気に入りのCD.カラヤン指揮、ベルリン・フィル演奏のモーツァルト交響曲

ライカ銀座サロンで購入した写真集」