加納忠幸のワイン飲もうよ 新進女性醸造家始動! [その1]

(2008.11.26)

中央葡萄酒(グレイスワイン)の三澤茂計社長のお嬢さん、三澤彩奈(あやな)さんが、留学と海外研修等を終え、今年から山梨県北杜市明野町にあるミサワワイナリーで、ぶどうの栽培から醸造まで一連の作業をするようになったとのことなので話をうかがいに行ってきました。

彩奈さんは1980年生まれの28歳。
フランスのボルドーとブルゴーニュで合計2年半、ワインと技術者資格を取るため留学、南アフリカ、ステレンボッシュ大学の大学院で2ヶ月、そしてニュージーランドで3ヶ月研修の後、今年から明野農場の栽培と、ミサワワイナリーの醸造を担当するようになりました。

朝早くに東京を出発し、ミサワワイナリーに着いたのは10時頃。彩奈さんは私たちを迎える準備をしている最中で、その間、副社長の酒井さんがお相手して下さいました。

今年の甲州(ぶどうの品種)の収穫についてのお話でしたが、今年は例年の80%くらいだったとのこと。
その理由としては、

・栽培面積の減少(10年前の1/3)
・大手の甲州ワインへの参入
・ベト病

の3つがあげられるそうです。

 

これが、「甲州」というぶどう品種

 

さて、彩奈さんの案内は最初が明野農場。

良いぶどうを手に入れるためのいろいろ工夫をしているのだそうで、

 

こちらは多くの生産者が取り入れているぶどうの樹全体に傘をかける、マンズレインカット方式ではなく、ぶどうの房の部分にだけ傘をかけることによって、光合成が十分に出来るという雨対策。

 

ぶどうの樹の部分だけ畝(うね)を高く作って、水はけを良くする方法。こちらは草刈に機械を使えないので、手間が大変かかるのだそうです。

どちらも、ぶどうの出来が大変良く、効果が上がっているとのことでした。

 

こちらは、今回どうしても見たかった甲州の垣根栽培。

 

近くにこのような棚栽培の甲州も品質の比較のため植えられていました。

彩菜さんも、今後甲州に最も力を入れていきたいとのこと。2〜3年後にはこの甲州からできたワインが出来るので、どんなワインになるのかちょっと楽しみです。

今日はここまで、次回のワイナリー見学に続きます。

 
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