一瀬恵のパンクなドイツ ドイツ大使公邸でワイン晩餐会を開催しました。

(2009.02.25)

先日ドイツ大使公邸でドイツ大使夫妻と著名人十数名を囲み、ドイツワイン晩餐会を開催しました。

ドイツにはミシュランの1つ星レストランがEU内で最も多く、特に13あるドイツワイン産地では、地元の四季折々の食材を使いワインとベストマッチな料理をスターシェフが創作する、美食レストランやホテルが多く点在します。

今回はドイツ大使公邸のシェフが、フランス人である大使夫人の感性を取り入れて、ドイツを代表するぶどう品種、白ワインの「リースリング」と赤ワインの「シュぺートブルグンダー」に合うドイツ料理をご提案くださいました。

当日のコースメニューは以下の通りでした。
Bonito an Spinat / 白身魚のムニエルとほうれんそう
Sellerie Crème / セロリのクリームスープ
Kleine Kohlwickel an Tomatensause / 小さなロールキャベツとトマトソース
Rehrücken mit Preiselbeeren / 鹿肉のロースト クランベリーソース
Rote Grütze und Mohnkuchen / ローテグリュッツェと芥子の実のケーキ

まずは前菜の「Bonito an Spinat (白身魚のムニエルとほうれんそう)」。このお料理にはきりっと冷えたラインガウ地方の中辛口の若いリースリングワインがよく合いました。 ワインのフレッシュさと生き生きとした酸味が、新鮮な白身魚とほうれん草、そしてそれを引き立てるまろやかなクリームソースに非常に合い、素晴らしいハーモニーでした。

「Kleine Kohlwickel an Tomatensause (小さなロールキャベツとトマトソース)」には、少々冷やした赤ワイン、バーデン地方のシュぺートブルグンダー種(ピノ・ノワール)を合わせました。新鮮なトマトソースに、あえて冷やしフルーティーな印象となった赤ワインが、お互いの酸と甘みを高めあい、新しくそして素敵なコンビネーションでした。

森が多いドイツでは、きのこやフルーツのソースを合わせ、ジビエをよく頂きます。
この日の、「Rehrücken mit Preiselbeeren (鹿肉のロースト クランベリーソース)」には、ドイツのトスカーナと呼ばれる温暖なファルツ地方のシュぺートブルグンダーをあわせました。
クリーミーでこっくりとして芳醇なワインが、ジューシーな鹿肉と甘酸っぱいフルーツソースを優しい印象にマリアージュさせ、奥行きと余韻の深い味わいとなりました。

デザートの「Rote Grütze und Mohnkuchen (ローテグリュッツェと芥子の実のケーキ)」には、モーゼル地方のリースリング・デザートワインを合わせました。フルーツをふんだんに使ったゴージャスな甘みのデザートには、高貴な甘口ワインがよく合います。フルーティーでエレガントな甘みの競演!素晴らしいマッチングです。

さて、ドイツには13ワイン産地があり、白のリースリング種と赤のシュぺートブルグンダー種を中心に、それぞれの産地の個性を生かしたワインが多彩に造られています。

このぶどうと産地の特徴を引き出す造りが、今回のように「自然の食材が活きたお料理」、そして「それを引き立てるシンプルなソース」に良く合います。

皆さんも、食材が新鮮でシンプルなソースのお料理には、ドイツのワインを組み合わせてマリアージュの楽しさを広げてみてはいかがでしょうか?きっと素晴らしい組み合わせが広がると思います。

会場のサロンテーブルに添えられていた可愛らしいお花。可憐なドイツワインをイメージしているようです。
まずは前菜のBonito an Spinat (白身魚のムニエルとほうれんそう)。
Kleine Kohlwickel an Tomatensause (小さなロールキャベツとトマトソース)。
Rehrücken mit Preiselbeeren(鹿肉のロースト クランベリーソース)。
デザートの“Rote Grütze und Mohnkuchen (ローテグリュッツェと芥子の実のケーキ)。