永見浩之のオヤジDJの道 わたしのレコード・クリーニング道。

(2010.12.24)

さて、今日はレコード回すのに欠かせないクリーニングの話。
中古レコードを買うと、傷はそんなにないのに、プチプチといった
ノイズが気になるものが多いです。
チリとか脂とかレコードスプレーとか
微細なゴミがレコード溝の中にへばりついているわけです。
それを取り除けば、びっくりするぐらい音が奇麗になります。
色んなやり方をやりましたが、ほぼ極めてしまった状態です。
クリーニング道というぐらい WAYが確立しちゃいましたので
今日はこれをご紹介します。

バキュームマシン。中央のスリットから液ごと汚れを吸い取ります。

クリーニング道には、ラウド式とクワイエット式の2方式あります。
ラウド方式というのはレコード・バキューム・クリーナーという機械を
使います。クリーニング液で濡らして、それを汚れごとブォーっと
吸い込んむとい う大胆な発想。
いろいろ出てる中で一番コンパクトなニッティグリッティ社のものにし
ました。いやー、感動しました。今までバシャバシャ水で洗っていた
のはなん だったの? というぐらいのスマートさ。
でも、いっちゃあ掃除機かけてるようなものなので、
夜中にやると、ちょっとうるさいわけです。
あとちょっと機械任せな感じがちょっとつまんない……。

クワイエット方式というのはクリーニング液をつけて、ブラシでこすって
ガーゼや紙で拭うというものです。とても静かに行えます。
クリーニング液はアルコールベースと電解アルカリ水ベースのものと
2種類を使っています。市販のものは高いので自作します。
ポイントは界面活性剤を数滴混ぜること。これで盤にはじかれず
液が溝の中にすーっとしみこんでいきます。

かなり古いレコだけどきれいになるのかニャ。
byうちのネコ「サバ」。

じゃあ、アルクーパーの「早すぎた自叙伝」をクリーニングしてみましょう。
レコードをターンテーブルに置いて、スプレーでこの液を吹きます。
レーベルを濡らさないようにいらないレコードでレーベルカバーも作りました。
で、液は安いので、びしょびしょになるまで濡らしちゃってください。

で、ここで登場するのが毛先が細い歯ブラシを4つ連結したブラシ。
毛先0.02mmですから、溝の深~い所の汚れを掻き出してくれます。
毛先が細い歯ブラシも2種類用意してまして
汚れがひどいときは「ふつう」で、そうでもないときは「やわらかめ」で。
45回転でレコードを回しながら、ブラシを浅い角度で軽くあてて
汚れを掻き出すイメージで何度も何度もこすります。
 

これがないと始まらない決め手になるブラシ。作りがいい加減すぎます。
ふき取り用のガーゼと、ベンコット。ネットで買えます。

次にガーゼで汚れの混じった液をざくっりぬぐい取ります。
仕上げに使うのがベンコットM-3IIというワイパー紙。
研究室などで使うワイパーで吸水性能の素晴らしさと、糸屑の脱落が少ないこと、
レコードを傷つけないソフトさ、ランニングコストなど様々な面で優れもの。
このベンコットをかなりの力で押し付けながら拭くと、水分を完全に吸収して
くれます。いや、これは綺麗になったんじゃないかな?
 

これらを調合してクリーニング液作ります。右端の界面活性剤を数滴。
ペットに入っているのが電解アルカリ水。嘘のように汚れが落ちます。

プレイしてみてます。音楽が始まる前の無音部分が完全に無音になるまで
何回か繰り返します。ノイズがなくなるだけじゃなくて、針との摩擦が
スムーズになるからか、音のピュア度とか、分離度がかなり良くなると思いますよ。
お試しあれ。

濡らした盤面の上にブラシを当てて一気にかきだす!