新岡淳のトラディショナル・コスチューム 変身願望 。

(2010.01.26)

あるミュージカルを見てきた友人が、私も煌びやかなドレスを着てみたい、

華麗なステップを踏んでみたい、と言っていました。

 

私は、それはとてもステキなことだと答えています。いや、似合うかどうか

は別物なんですけれど……(^_^;)

 

このお話には、私が抱くきものに対してのスタンスというか、考え方が詰ま

っているのです。

およそ女性に生まれてきたからには、小さい頃手にしたフランス人形や着せ

替え人形のイメージがいつまでも残っており、自分もそのような姿に変身し

てみたいと思うのは当然ですよね。

現に、その変身を扱って、ドレスを着て髪をセットしメイクを行い、写真に

収めるということを職業としている方もいらっしゃる訳ですから。

更に、予約で半年間埋まっているとか言うお話らしいですもの。

 

このドレスと同様に、きものにも皆さん憧れているのですよね。

 

私は皆さんに、毎日きものを着て欲しい、とは願っていません。それは毎日

ドレスを着て欲しいと願っていないのと同様にです。実際にそんなことは趣

味や職業でない限り無理でしょうし、第一それでは効率も悪い。

ただ、自分の時間を採ることが出来た時にに、今日はきもので出かけてみよ

う と思い立って下さることが願いなのですね。

ただ、ドレスと違って日本人であれば、きものを着て出歩いても変人には見

られません。普通の休みの朝、縦巻きロールに真っ白化粧で、ピンクの裾が雨

傘のように開いたドレスを着てバスに乗ったら、周りが迷惑でしょうし、変

わった人? を通り越して、危ない人! になってしまうのでは? 

きものなら、普通に何があるのだろう? 程度で周りが気にしないでいてく

れますよね。

 

そう、オシャレの選択肢の一つにきものが入ってくれる事が大切だと私は考

えています。ドレスで出かけるのであれば、先ずバスや地下鉄は無理。

せめて彼の車で送ってもらう結婚式かな? 程度の選択肢ですよね。

どちらも小さい頃から女の子のあこがれの姿なのに……。

 

気軽に出かけられる憧れの衣装……きものはそんな思いを簡単に叶えてく

れる と思いませんか? 

皆さんのそんな思いを可能にできる仕事……私は、自分がきものを通してお

客様とお話しする時に、その様な考え方をもって接し、また誇りにしていま

す。気軽に変身願望を叶えてしまいますもの。

                    

ミュージカルのドレス……を想像して、きものに対する思い入れを更に深

めることが出来ます。きものって、清楚でありながらしっかりと自己主張が

出来ます。自分のボディラインを消しながら膨らむ訳ではなく。

あの大きなドレスの裾は近所迷惑でしょ。

なにしろドレスは3人分の面積を所有しますもん。女王様……向きかも?

変身した自分を想像する……それがオシャレの第1歩ですよね。

きもので変身! あなたの新しいキャッチフレーズに如何でしょうか。