一瀬恵のパンクなドイツ VIVA ! 修道院でのガラ・ディナー。

(2008.06.10)

ジャン・ジャック・アノー監督の映画「薔薇の名前」のロケ地になったドイツ・シトー派の修道院 クロスター・エバーバッハ (Kloster Eberbach)
12世紀に設立されたこの修道院は、その後もゴシック、バロック、ロココ……と様々なエポック(時代)を反映した建築様式が興味深い。現在はドイツ最大のワイン醸造所として、また国賓迎賓館、コンサートやアートギャラリーの会場など、文化の発信地及び催し会場として使用されている。

その場所で「リースリング・ガラ」という名の晩餐会 ガラ・ディナーが開催された。

昼から夜にかけて著名シェフがコース料理を10皿競演し、辛口から高貴な甘口のリースリングワインをそれぞれ10銘柄以上組み合わせるという美食の会だ。
世界中からグルメに情熱をかける500名程度の美食家が集まり、無数のろうそくに囲まれた奥行きのあるテーブルを正装した紳士・淑女が囲み、陽気な笑い声と食のパッションに包まれ、歴史的な修道院が一段と華やいだ。

さて、どの料理&リースリングワインの組み合わせも素晴らしくセンセーショナルだったが、特に私のお気に入りは、以下2つのハーモニーだった。

まずは中盤にサーヴされた、「鴨のもも肉と辛口リースリング」の組み合わせ。
少々ジューシーな鴨肉にスパイシーな芳醇ソースが効いており、酸と糖のバランスが良いミネラル豊富なりースリングワインと、なめらかに溶け合い、お互いを優しく補い合う優雅な組み合わせだった。

そして最後にサーヴされた「抹茶のデザートと高貴な甘口リースリング」の組み合わせ。フルーティーでフローラルなリースリングワインが、抹茶のほろ苦いアクセントのあるデザートに見事に調和した。ちなみにこのデザートはドイツ在住の日本人シェフが創作し会場を沸かせた。

夜になると周りが暗くなり、修道院内のろうそくの明かりが一段と光を増し、ワインの酔いもますと、参加者の誰もが、リースリングワインのポテンシャルの高さ、そしてテロワールを反映したリースリングの多様さを話題にしていた。

リースリングって個性が様々で食とのバリエーションも豊富。楽しいかも!☆

会場は修道院。でもモダンなレセプション。

昼間の会場風景。
修道院の設立は12世紀。

鴨のもも肉。辛口リースリングと優雅にマッチ。

ろうそくの明かりが一段と光を増す、夜の会場風景。

抹茶のデザートは甘口リースリングと。