山本貴代の“女の欲望グツグツ” ジョギングスタート! 3日目に見かけて今や……。

(2008.10.31)

家庭内で、「ママデブ」と言われました。ひどい。「人の外見について悪く言うのはよくない」と反論したのですが、「だって本当のことだもの」と小Iの息子。鏡をみる。うむ。確かに。「もう少し痩せたほうが、かわいいよ」。うむ。そうか。

息子の言葉はたいして気にしていなかったのですが、季節もいいので、一年サボっていたジョギングをまたはじめました。豆乳おからクッキーも冷蔵庫の中に入ったままだしな。
夫は、家の中で、毎朝バーチャルに走っていて、それを私に勧めます。それで、私も一度、バーチャルランニングしてみたのですが、どうも風を感じない。バーチャルに、走るのは雨の日のためにとっておこう。ということで、私の、早朝ランニングはスタートました。

最初は、あまりに力が入りすぎて、剛速球で走り、15分ほどで戻ってきたら、「30分は走らないと意味がないよ」と家族。そうか、と同じコースを、ゆっくり30分かけて走ることにしました。まずは、急な坂を下り、緑道を右折し、そのあと少し町中を通り、大学の構内に入って、広い敷地内を走るといったコースです。6時15分くらいから走り始めて、家族が起きだす7時前に戻る計画です。

爽快。6時過ぎだと、まだ人もまばらなのですが、犬を散歩させていたり、ただ、歩くといった人など、ちらほら見かけます。山登りのように、目的が同じだと、人はすれ違うとき、挨拶できるのでしょうか。「おはようございます」。自然と見知らぬ人と挨拶をかわします。それで、心は、ほっと温かくなったりするので、人間っていいものだ、なんて思ってまた先に進みます。

3日目。大学のイチョウの樹の下で、銀杏を拾っているおじさん、おばさんを発見。
まだ、銀杏はあるんだな、と思いながら、通りすぎる。
4日目。なんだか、拾いたくなってくる。うずうず。
5日目。ビニール袋と軍手をジョギングパンツのポケットにしのばせる。キョロキョロ人目を気にしながら、拾う、拾う、拾う。自分の中のおばさん性を発見する。この銀杏を拾うという行為は、まさに、おばさん行動の王道である!! ああっ、私もついに!! と思いながらも、拾う手は止らない。哀しい女の性よ。見上げれば、まだたわわに実っている銀杏。遠い日を思い出す……。実家の近所に「大イチョウの樹」があって樹齢何百年の神木として祭られていた。町のおばさんたちが、秋になると、くさい、くさい樹の下で銀杏を拾っていたっけ。
6日目。雨が降って、ジョギング断念。
7日目、雨上がり、今日はたくさん落ちているぞ、とひとりほくそ笑み、張り切って走り出す。
というわけで、なんとか、私のジョギングは続いています。日曜日は、子供も参加して。
さらに、長い時間走り……。単に遊びが入るだけなのですが。

もちろん、秋の恵、銀杏は会社の同僚におすそ分けしました。無機質なオフィスも、今は、銀杏の匂いが漂っています。

ある三連休に、映画『西の魔女が死んだ』のロケハウスを見学にいった帰りに出会ったハロウィンかぼちゃ。

(左)小1の息子が、拾った秋の恵で作ったシュールな、「どんぐり人形」。シンプルそうに見えて、実は、結構、凝った作りになっている。(中)そして私が拾った秋の恵。かなり臭い。しかし、種の部分だけ取り出しているところをみつかると、大学構内に出入り禁止になるとか。実ごともちかえらなければならない。(右)乾かして、種をむく。この作業が大変。茹でたり、炒ったりしていただくと、美味。