一瀬恵のパンクなドイツ 「ドイツ人はキティちゃんの手土産が好きなのか?」

(2008.05.13)
HELLO KITYのホームページ

 ドイツでキティちゃんはどう思われているのだろう? 真面目で頑固と形容されることが多いドイツ人と、愛らしいキティちゃんは、ミスマッチな印象を受けるかもしれない。が、ドイツ人がキティちゃんにどのように反応するのか、試してみたことがある。

 日本からドイツへ行くとき、時と場合によって、または会う方によっては、手土産が必要となる。そういう時は、日本の伝統的な小物などを選び持参していた。それらを頂戴したドイツ人は大概とても「エレガントに丁寧に」喜んでいた。

 しかし以前、事前に用意する時間がなく、出発当日に何かを調達しなければならないことがあった。成田空港には、外国へのお土産になるような日本的な小物を販売しているお店がいくつかある。お箸、茶筒、折り紙、手ぬぐい、小物入れなど、種類も品数も豊富に取り揃えてあるはずで、そこで何か購入しようと考えていた。
偶然、空港に向かう途中で立ち寄ったお店で、キティちゃんなどのキーホルダーやストラップ、キャラクターグッズが置いてあった。
私はキティちゃんにあまり詳しくないが、日本を代表する可愛らしいキャラクターの1つとして、好意的に認識している。そのキティちゃんがふと目にとまり、「今から私が会うドイツ人たちは、キティちゃんをもらって何を感じるのか?」と思った。

 キティちゃんは、ドイツにあるかもしれない。グローバル化した世界では、日本の伝統的な小物も探せばドイツにあるのだ。遊び心というよりイタズラ心で、お土産用にそれらの小さなキティちゃんグッズをいくつも購入してみた。
通常は会う方や時と場合によって手土産の種類を変えている。しかし今回は時間がない、会う方全員にキティちゃんだ!と決心した。

 いざドイツに到着し、数日間の滞在中に、小さな手土産だと称してキティちゃんグッズをプレゼントに差し上げた。これらのドイツ人はもちろん子供ではなく、全員が大人である。
プレゼントを受け取り、中身がキティちゃんだと判明すると、それを手にしたドイツ人は、皆とても「意外で素敵なサプライズ!」とばかりに大喜びしてくれた。
まさにキティちゃんを見た瞬間、緊張が一気にほぐれ、関係がより「ぐーん」と近づく感覚だ。

 ある品のいい女性は「何と可愛らしい!」と感動していたし、年齢や地位を問わず、男性たちも一様に大きな笑顔で驚きと共に心から喜んでいた。
もしかすると、これらのドイツ人は日本からの手土産に伝統的な和の小物を頂いた経験が少なからず他にもあり、だからこそ、キティちゃんグッズが非日常的でハッピーで分かりやすい贈り物だと感じたのかもしれない。

 このケース・スタディから、手土産としていただく場合、ドイツ人の多くはキティちゃんをユーモラスで意外性があり、現代日本的で面白い、と感じるのかもしれない、と思った。
もちろんこの経験と感想は、会う方たちの個性や関係性、TPOなどに影響され、必ずしも何時・誰にでも適用できるわけではない。が、少なくともピュアに正直に喜んでくれた彼女・彼らの姿を見て、こちらもとても新鮮で嬉しい気持ちになった。

 あとで調べてみると、キティちゃん擁する(株)サンリオ社は、ヨーロッパ、アジアなど海外にも進出しており、ドイツにもサンリオショップがあるらしい。
またキティちゃんのHPを拝見すると、1974年~2007年まで、年代によりデザインが微妙に異なり、シリーズ物も豊富、そして家族や友達も多いことが分かる。

 さらに、フランスで人気のブランド 『Victoria Couture』とキティちゃんの限定コラボ商品が銀座QUESUTINAに登場するなど、海外ブランドとのタイアップも積極的だ。
すごいですね、キティちゃん。ドイツはじめ海外でも頑張ってください☆