加納忠幸のワイン飲もうよ 甲州市勝沼ワインゼミナール。

(2009.02.26)

先日、山梨県勝沼町のぶどうの丘で行われた
「甲州市勝沼ワインゼミナール」へ行ってきました。

このイベントは勝沼ワイン協会主催、甲州市協賛で行われ、
今回で30回目になります。

受講者の半数以上が生産者とぶどう農家で、
ワイン産地の抱える問題点が浮き彫りになったりするので
私は5年ほど前から毎年このゼミナールに通っています。

今年は「なぜ今、日本ワインなのか」というタイトルで、
ワイン関係の著書と沢山書いていらっしゃる、弁護士の山本博さんと、
「日本ワインを愛する会」副会長の肩書きを持つ
俳優の辰巳琢郎さんの対談という形で行われました。

山本先生はこの25年で世界のワイン市場はグローバル化が進み、
日本ワインもそのグローバル化の波にさらされており、
その中で生き残っていくためにしっかりしなければならないという
どちらかと言えば厳しい立場。

辰巳さんは、ワインは何を飲むかではなく、誰と飲むかが大事。
ワインの欠点を見つけるのではなく、長所を見つけながら、
楽しく飲めばよいのではないかという、優しい立場。

私としては辰巳さんの意見にも賛同できるのですが、
ワインの売り手として日本ワインに育っていって欲しいと思うと、
山梨県のワインの生産者の方々は山本先生がおっしゃるように
もっと現実を厳しく捉えていかなければならないように感じました。

特にラベルの表記に関する規則づくりなどはその際たるもので、
今まではそのワインに半分入っているだけで
優良産地の名前を表示しているつくり手がいるということを聞いたこともあり、
そのようなことをしている限り、現在少し調子が良い日本ワインも
すぐにだめになってしまうのではないかと考える次第です。

現在、山梨県のワインは他の産地、得に長野県に劣勢に立たされており、
かなりのがんばりがないと、挽回はできないのではないでしょうか。

私は他の産地の肩を持つわけでも何でもありません。

伝統のある山梨県のワインに期待すること大ですので、
現在人気が出てきたことに安住することなく、
是非このグローバル化の波の中で、
海外のワインと対等に戦えるワインが
どんどん生まれることを望みます。