一瀬恵のパンクなドイツ ヨーロッパのジゴロ&ジゴレットに学ぶデート塾 ~その2~
デートに効果的な語学力

(2008.09.02)
ある夏のバカンスを地中海に面したスペインのアリカンテで過ごした時のこと。
海からの夜風が気持ちいいオープン・エアーのレストランで、あるドイツ人紳士とファム・ファタール風の女性がデートしていた。

その女性は、ドイツ語を話していたが、オランダ語圏のような訛りとアクセントがあり、それがとても可愛らしく、また自分でもそれを意識しているかのように、自信たっぷりに会話をしていた。
デート相手のドイツ人男性は、「その訛りあるドイツ語がとてもセクシーだ」と彼女に伝えていた。

そして以前ドイツのベルリンにある5つ星ホテル Brandenburger Hof (ブランデンブルガー・ホーフ)で、あるパーティーに参加したときのこと。

1人のドイツ人男性と一緒にいた小悪魔風の女性は外国人なのか、ドイツ語の文法や語彙などがキュートに間違っており、しかしそれが自分の魅力の1つであることを確信しているように、無邪気な笑顔で会話していた。
その男性は、「ときどき間違うそのドイツ語がキュートだ」と伝え、すっかり彼女に魅了されているようだった。

もしかするとこの2人の女性は、外国語としてのドイツ語はビジネスレベル以上に完璧だが、デートの時は「あえて、レベル・ダウン」または「デート仕様に語学をスタイル・チェンジ」させているのかもしれない、と思った。

というのも、会話の内容や表現力は豊富で幅が広かった上に、その訛りやアクセントそしてキュートな間違いのポイントやタイミングは、とても絶妙で的を得ており、デート時にはそれらを把握し、あえて自信をもって使用している様に捉えられた。

こと、ビジネスシーンでは、外国語を巧みに操ることは、プロフェッショナルな印象を与え、相手を説得させ自分の意見を正確に理解してもらうため、必要事項となる。

しかし、デートにおいては、完璧過ぎない表現や多少の文法・語彙の間違い、そして訛りやアクセントなどは、その人の魅力となり、キュートでセクシーな印象を相手に与える。

このビジネスとデートにおける言葉・表現力の違い及び効果は、外国語のみならず日本語など母国語を使った場合でも同じであるように思う。

つまり
デート中は、完璧すぎる日本語やビジネス用語をフル活用せず、素朴で素直な表現をする。
地方の方言や微妙に異なるアクセントなどがあれば、それをスパイスとして利用してみる。

これは気分的にもプライベートなデート・ムードにスイッチが変わり、会話の気分転換にもなり、聞き手にも親しみと心地よさを与える。そして大好きな相手なら尚一層、人として愛しく思えるに違いない。
そんなことをふと思いました。

以前のコラム「ヨーロッパのジゴロ&ジゴレットに学ぶデート塾」 と合わせてご参考までに。

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