藤原陽祐のホームシアター日乗 大画面ならではの盛り上がり、ホームシアター。

(2010.09.21)

初めまして、私、フジワラといいます。新聞、雑誌では「AV評論家」と書かれることが多いのですが、先日、知人の結婚式の挨拶でも司会のお姉さんから「AV評論家のフジワラさん」と紹介され、場内がシーン。

「ならば、思い切ってネタにしてしまえ」とばかりに、AV話に突入。「つかみ」だけと思っていたのですが、なかなか収拾がつかず、持ち時間終了。ほとんど挨拶にならず、場内を笑わるだけのスピーチになってしまいました。

さて、今月からこの場所を借りて、私のフィールドもある電気/音楽業界の話題、あるいは日常のなかで、ちょっと気になったことなど、つらつらと書いていきたいと思います。目標は月二回の更新。よろしくお願いします。

実は、このブログ『季刊ホームシアター』(ステレオサウンド刊)という雑誌の編集を担当している友人の紹介がきっかけなのですが、皆さん、ホームシアターって、どんなイメージありますか。一般的には大画面テレビに、AVアンプ、5.1 チャンネルのスピーカーを追加して、映画や音楽ライブ、サッカー中継を楽しむ、といった感じだと思います。

いまから10年ほど前、DVDが普及しはじめの頃、ホームシアターへの関心は一気に高まったのですが、残念ながら、日本では生活に広く浸透することなく、徐々にトーンダウン。もちろんいまもホームシアターを満喫している人たちもいますが、当時のような盛り上がりはありません。

ちょっと前までは「マニア」のものであったホームシアターも、いまはAV機器の価格も大幅に下がってきたこともり、一気に普及した。楽しむコンテンツも映画や音楽作品ばかりではなく、ゲームやスポーツ観戦も大画面ならではの盛り上がりをみせる。

なぜ、一過性の流行で終わってしまったのでしょうか。居住スペースが限られる、映画をそれほど見ない、機器が多く、操作が面倒などなど、色々な理由が考えられますが、最大の原因は、ホームシアターという楽しみを、あまりに安易に捉えすぎて、ユーザーがその本来の魅力を実感しきれなかったことが大きかったように思います。

ホームシアターは家族が集うリビングに設置されるのが一般的ですが、リビングは多目的なスペースだけに、制約も大きい。そこにシアターを作るのですから、スピーカー(特にリアスピーカー)や機器、あるいは各種ケーブルが生活を阻害するようではいけませんし、システムとしても誰にでも快適に扱えなければなりません。

10年前、ちょっとだけ流行ったホームシアターは、そのあたりの配慮が欠落していたというわけです。もし、日常の生活の邪魔にならず、簡単に本物のクォリティが提供できる良質なホームシアターが提案できていれば、いまの状況は大きく変わっていったはずです。

この次は「ホームシアターって楽しそう」って感じてもらえる話をしたいと思います。

ベースグランドとする『季刊ホームシアター』(上記写真はVol. 51:2010年・秋号)。ホームシアターの“いろは”はもちろん、デザイン家電などオーディオ・ビジュアル機器以外の製品紹介も満載。中には、マッドアマノさんの特集なども……。