一瀬恵のパンクなドイツ ドイツのユニーク&リッチな夏フェス☆

(2008.07.29)
何年か前に、スイスの山の上でのロック・フェスに行った時、トリを飾ったイギー・ポップが熱唱中は、嵐でした……「スイスは嵐だー!」と彼がシャウトすると、観客は雨にも負けず「オー!」と声援をあげる。会場は一体感と団結感に包まれ、とても記憶に残っています。

そして同じくスイスの湖のほとりでのエレクトロポップ・フェスでは小雨……ドイツのConsole(コンソ-レ)というソロの音色が静かに雨の音とこだまし、クールで幻想的であったのを覚えています。

私は上記2つのミュージシャンの大ファンというわけではありませんでしたが、「雨にも負けず泥んこになって」音楽と雰囲気をエンジョイできました。自然と一体になり音楽を楽しむのが夏フェスの醍醐味でもありますが、雨が降ったことにより会場全体が、いっそう盛り上がり、印象深く記憶に残っているのも事実かもしれません。

さて、この音楽プラスアルファの効果で記憶に残ることが想定される、ユニーク&リッチな夏フェスがドイツにあります。そのプラスアルファとは、何と言ってもワインです。

ヨーロッパにはクラシック音楽やオペラなどがテーマとなる夏の音楽祭も多数開催されますが、私が気になっているのは、ワインと音楽の祭典 ラインガウ・ミュージック・フェスティバルです。

今回で21回目を迎えるこの音楽祭は、ラインガウ地区の歴史的な修道院で現在はワイン醸造所のクロスター・エバーバッハや、シャトー系ワイナリーのシュロス・ヨハニスベルグなど、著名なワイナリーが一同にコンサート会場となり、ガラ・ディナーやワイン・テイスティングを含んだプログラムなどもあります。

今年は、Paavo Järvi (パーヴォ・ヤルヴィ)Christian Zacharias (クリスチャン ツァハリアス)といった著名な指揮者はじめ、世界的に活躍するソリストやオーケストラも集結し、約150のコンサートが6月28日から8月31日まで開催されています。

ラインガウ・ミュージック・フェスティバルのHPでは、英語でもプログラムの詳細や、チケットの予約、またお勧めホテルや会場までのアクセスなどの情報がチェックできます。

コンサート会場がワイナリーの場合は、ホテルからタクシーなどで移動するのがベストかもしれません。そして醸造所に併設されているレストランなどで、その醸造所のワインを色々と試飲してみるのも楽しそうです。

フランクフルトからも程近い地域での開催なので、ドイツ訪問時は参加してみてはいかがでしょう!?

column_080729_5_ph1

歴史的な修道院で現在はワイン醸造所のクロスター・エバーバッハでのコンサート。
©Heike Rost

シャトー系ワイナリーのシュロス・ヨハニスベルグでのコンサート。
©Heike Rost

同じくシャトー系ワイナリーのシュロス・フォルラーツでのぶどう畑に囲まれての野外音楽祭。
©Helmut R. Schulze