栗林知代のアイ・アム・ママ! ベビーとの出会いは意外な自分を知る機会?! 自分にあった出産の仕方って? ~後編~

(2009.07.14)

独身の頃からろくに体を動かさず、妊娠中も夫や両親にハッパをかけられても「お腹が張る」やら「しんどい」などと言って体をほとんど動かさなかった私。話には聞いていましたが、出産で消耗する体力があんなにすごいとは思いませんでした。もう予想外。

出産をした初日はベビーを病院が預かってくれますが、ベビーとママに特に問題がなければ、その翌日からベビーはママのもとにやって来ます。体力が全然回復していないのにベビーのお世話をするのは本当にヘビー(!!)でした。今振り返ると「体力が限界なのでお願いします」と看護師さんに頼めばベビーを預かってくれたのでは? と思いますが、そんなことを言っているママも「預かりますよ」と言っている看護師さんの姿も見なかったし、私自身が、ボロボロなくせにまだメラメラに燃えていたのでそんなことは思いつかず、歩いていないと泣いてしまう息子を抱っこしながら連日連夜病院の廊下を行ったり来たりしていました。

退院の日に着せたおくるみ。スナップボタンの留め方を変えればズボンにもなるため新生児の時期を終えても防寒着として重宝しました。ふたつ付いたボンボリが何ともいえないかわいらしさで気に入っていました。もう着られなくなったので、今年も同じのがないかお店に見に行こうと思っています。
こちらは完全なるおくるみ。一目惚れをして勢いで購入。しかし買ってから「これってすぐ使えなくなるんじゃ…」と無駄遣いを予感させたのですが、成長してからはベビーカーに乗っている時の足カバーとして重宝しました。どちらもCELEC(セレク)のもの。デパートで購入しました。

これが「理想と現実は違う」ってやつなのでしょうか…。「自分ができると思っていることと実際できることは違う」ということがよーくわかりました。もし、この世にタイムマシーンがあったら、あの頃に戻って自分に「アンタみたいな虚弱体質には無理。もう少しベビーを預かってくれる病院にしたほうがいい」と諭すか、もっと過去に戻って「体を鍛えろー!」と説教をするでしょう。

しかし、この病院で出産したことを完全に失敗だったとは思っていません。私は里帰り出産をしたのですが、評判のいい病院がわからなかったので、地元で通っていた信頼している婦人科の先生に相談をしました(この先生の病院は婦人科のみで産科はなかったので)。その先生に紹介してもらった病院で出産をしたわけですが、それは偶然にも私が学生時代に通っていた学校のすぐ近くでした。「里帰り」というだけでも安心感があるのに、馴染みの街で出産できるなんてますます私の気持ちをラクにさせてくれました。

近年の深刻な産科不足から、直接病院に出向かないと予約を受け付けてくれなかったり、問い合わせた時点で既に予約受付が終了されているなんてことも珍しくありません。出産をした病院でも問い合わせた時点で「もうこの電話で予約をしないと(予約がいっぱいになり)受け付けることができなくなりますがどうしますか?」と言われました。急なことで迷っていた私ですが、「キャンセルはいつでもできますから予約をしておいたらいかがですか?」と病院側から言ってもらい安堵の気持ちになり「よし、ここで出産しよう!」と腹がくくれました。病院選びは、(今回では書ききれないほど!!)本当~に色々大変だっただけに、出産した病院とは不思議な巡りあわせを感じます。

(左)息子が生まれてからの記録を約1年間つけたノート。とにかくバタバタな毎日で、日々成長する息子の姿をきちんとこころに留めておくことができないと思ったため、いつどんなことがあったかをあとで振り返られるようにつけました。(右)毎日の授乳時間と回数を書いたノート。すぐに何時間前にあげたかを忘れてしまうので書いていました。

私はラッキーなことに希望していた病院で出産ができましたが、私がギリギリで予約できたとは逆に、予約がいっぱいでできなかった人もいると思います。産科不足は難しい問題だと思いますが、良い方向に進み、近い未来には妊婦さんが安心して出産できる環境が整えばと願っています。

妊娠出産の経験は私の場合、楽しいだけでなく不安になったり、心配したり、体力的にも精神的にもつらく「助けて~」と泣いてしまったこともありました。けれど終わってしまうとすべてがいい思い出として笑って話せます。散々振り回した家族には「むしがいい」と呆れられていますが(笑)。