栗林知代のアイ・アム・ママ! 親離れの第一歩?! はじめての反抗期。それが2歳の「イヤイヤ期」~後編~

(2011.01.12)

息子の「反抗期」に振り回され、私までイライラしてしまう毎日。「この負のスパイラルをどうにかしなくては」と、本気で思い行動に移すことに。本屋で「イヤイヤ期にどう付き合えばいいのか」というような本を見つけては買って読んでみたり、夫に息子を預け街の育児相談に相談をしに行ったりしました。

その結果、私がまとめた答えは、「子どもにきちんと説明する」ということ。

思い返すと、息子は言葉が遅く2歳過ぎてもあまり言葉がでてきていないということもあり、ついつい説明せずに行動をしていたような気がします。ベビーカーに乗ったままのベビーの頃と同じ感覚で……。

けれど、言葉は遅くとも体と共に内面も成長していて、自分で歩いて行きたい方向だってある。黙ってついてくるはずがない。頭では理解していたつもりでしたが、改めて気づかされました。それ以来、何かにつけて事前に説明するようにしました。出かけ先で、私が行きたい方向と、息子が行きたい方向が違い、揉めて道端で大泣きされていましたが、そんな時は、「ママは、○○へ行かないといけないの」と状況を説明。

最初はぐずる息子ですが根気強く説明すると「わかった」という感じでついてくるようになりました。毎回そうなるわけではありませんが、ついてくる確率はかなり高くなりました。子どもも納得が必要なんだな、と実感。また、私と息子の意見が割れた時、6割は息子の言い分を聞くようにしました。息子を子どもとして接するのではなく、ひとりの人として接する。例えば、相手が息子ではなく友人なり夫だとしたら、「すべて私の後をついてきなさい」とはならない。

相手の意見を聞いて譲ったりする。そんな感覚です。息子の行きたい方向は、私の目的のある場所に行くには遠回りになるけれど、行けないことはない。ま、いいか。と思い付き合ってきました。すると、息子も自分の意見が通ると納得するし、どうしても私が譲れない時にお願いすると譲ってくれるように。いわば「次は私の言うことも聞いて」という、交換条件です。

 

鍵はママがどのくらい冷静さを保てるかということ。

道端の件だけでなく、この「説明」の方法はいろんなことに共通します。例えばお店の中で静かにして欲しい時。お店に入る前に「ここは、みんながいるから静かにしようね」とか説明します。「静かに」だけではなく、どうして静かにしなくちゃいけないのか説明するのがポイント。これも毎回成功するわけではありませんが、されど相手は子ども。5割成功すれば万々歳です。

こうやって説明してからお店に入っても騒がれてしまった時は「みんないるからお静かに」と、やっぱり理由を説明。ここでキツク注意しても意味はないどころか逆効果だとわかっているし、自分を落ち着かせるためにも私はあえて「お」をつけたりして冷静さを保っていました(笑)。

前回、紹介した息子のエレベーター遊びは進化。エレベーターの他に、目的地も加えられました。前回同様、作・夫。エレベーターには、ご飯を食べる階や、家に帰る階、公園(滑り台)で遊ぶ階があり、息子は「○階です、チーン!」といいながら、乗客に見立てたクレヨンを移動させて遊んでいます。

 

「自分のため」ではなく「誰かの」ため。

問題のエレベーターですが、ここでも「説明」戦法をフル活用。エレベーターを待っている時から「(ボタンを)押すのはひとつだよ」と呪文を唱えるように息子に言い聞かせます。それでも何個も押した時は、息子を叱らず(周りの方々に謝り)、約束通りひとつしか押さなかった時は、めちゃくちゃに褒めました。保育士さんのアドバイスを参考に「偉いね、すごいね」という他に「ありがとう、ママ嬉しい」と私の気持ちを息子に伝え、自分の行動で誰かが喜んでくれるという気持ちを知ってもらうように心がけました。

これを読んで「こんな骨の折れるようなことよくするなぁ」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。確かに大変ですが、息子のイヤイヤに振り回されまったく解決の糸口が見えないよりも、こうすれば突破できるかも……という期待があることは、随分私の心を軽くしてくれました。それくらい2歳のイヤイヤ期って大変なのです……(笑)。

以上、色んな対応策を紹介してきましたが、それでも子どものイヤイヤが治まらない時は……、もうほうっておきます。時期が過ぎれば解決されることだから。「どうしてだろう?」など、これ以上あれこれ考えるとイライラしてしまい逆に子どもにいい影響を与えないので「時が解決してくれる……」とじっとその時を待ちました。台風が過ぎ去るのを待つかのように……。

 

エレベーターボーイ?! それともジェントルマン?!

2歳のはじめ頃からはじまった息子のイヤイヤ期。上で説明したようなやりとりを続けるなかでイヤイヤ期にも波があり、少し穏やかになりもうこれで卒業するのかなぁ……と思いきや、またもや反抗が爆発するなどを繰り返して約1年。息子はもうすぐ3歳になろうとしています。今の息子はというと、かなりこちら側の言っていることも理解できるようになり、また息子も言葉が増え、自分の気持ちを言葉で表すことができるようになり随分楽になりました。

その後エレベーターとの付き合いはどうなったかというと、今ではボタンを乱押しするということはなくなりました。それどころか、エレベーターを完全に理解し「開ける」「閉める」ボタンを自由に操作するように。乗る人、降りる人をきちんと確認してボタンを操ります。さらに、自分が降りる時は、後の人のために扉を押さえるという気配りをみせることも。
息子なりのこだわりがあり疲れる時も多々ありますが、こうやって成長もしてくれているからこそ、母ちゃんは明日も頑張ろうと思えるのです。